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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】地方でビジネスを行なう上での哲学。『新ローカルベンチャー経営』

昔からその土地で商売をしている。
地元のつながりが強い。
周りの商売事情が気になる。
目立たなくてもコツコツと続けている。
ローカルビジネスというと、上記の様なイメージではなかろうか、と著者は言う。
地域の活性化を図り、地方ならではの盛大なイベント、道の駅、地元のキャラクターなどの町おこしは行なわれているが、観光客を集めることには役立っても、その地方の経済を豊かにする様な効果を上げているとは思えないとも言っている。
では、これからのローカルベンチャーには何が求められているのか。
著者の考える「新ローカルベンチャー」に求められる5つのポイントはこうだ。
1.地元の経済圏・コミュニティに依存しない。
2.地元の発展に貢献する。
3.他社資本に頼らない。
4.多角的な事業展開。
5.新しい経済圏を創り出す。
本書ではこのポイントたちを解説していきながら、自らがこれまで行なってきた、若しくは進行中の事業についても紹介する。

著者は、北海道にて起業。まず小さなモバイルキャリア取扱店を始め、数年で実績を認められ正規販売代理店になり、その後北海道以外を含めて21店舗まで拡大した。
経営の安定を目指して事業の多角化を図るが、その領域は、「飲食」「雑貨・アパレル」「ITサービス」の3つにこだわって展開。
加えて、多角化に際して、携帯ショップという有形サービスから、無形サービスへと転換しようと、インターネット上の仮想店舗も手掛けている。

1軒の携帯ショップから、年商50億円超えにまで成長したベンチャー企業の社長。
そんな著者のこだわりは、次の三つに集約される。
「他人のやらないことをやる」
「やる以上は諦めない」
「難しいことも面白みを持ってチャレンジする」
そして彼の夢は、
「アップルパークの様なものを十勝に作ろう」
誰がなんと言おうと、決定事項なのだそうだ。
そういう大きな夢があるからこそ、試練や苦労もなんのその。そういうものなのかもしれない。
「やるなら、とことん、おもしろく」

新ローカルベンチャー経営
作者:木田直樹
発売日:2022年3月21日
メディア:単行本