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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人は期待された通りに成果を出す。『国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック』

国際エグゼクティブコーチである著者には、この仕事を始めて驚いたことがあると言う。
「上司がフィードバックをくれない」というお悩みの相談がとても多いのだそうだ。
で、その人達がどういう状態に陥るのかと言うと、
「これで良いのか?」
「求められていることが分からない」
「自分には実力が無いのか?」
と、不必要に悩んだり落ち込んだりして、仕事に悪影響を及ぼしてしまうのだ。
結果の出せる優秀なビジネスパーソンであるだけでは、良い上司、良いリーダーとは言えない。自分以上に成果の出せる部下を育てることが肝心なのだと言う著者は、フィードバックの必要性を解く。

就業者人口の多くが、1980〜1995年生まれのミレニアル世代へとシフトされつつある世の中に於いて、SNSを活用するのが当たり前という環境で育ってきた彼らは、「いいね」やコメント、スタンプなどで、常にフィードバックを受けてきている。
無意識のうちに職場でも高い頻度のフィードバックを求める。そんな彼らは、上司に対して双方向にコミュニケーションの取れるコーチの様な関係性を望んでいる。
そして、そのフィードバックは、「ダメ出し」であってはならない。
部下は、自分が「貢献できている」、「成長している」と感じたときに、仕事へのモチベーションが最も高まる。
今や部下指導は、出来ていないところを指摘、改善させるのではなく、上司が部下の強みを伸ばし、導く形に変わってきている。
そう主張する著者が実践してきたのは、ポジティブフィードバックである。
本書では、フィードバックとポジティブフィードバックの違いから、ノウハウ、言葉の選び方、タイミングなどの具体的な手法についてまで網羅する。

成長を支えるのはやる気。
人は強みに気づくことで、やる気が生まれる。
大事なのは、「見ているよ」、「認めているよ」という姿勢。
経営者である私としても、意識せざるを得ない話だ。
だが問題は、私が照れ屋さんだということだ。
また、それに加えて、面と向かって人を褒めるなんて、なんか嘘っぽくてわざとらしい具合にも思えてしまうタチのだ。
しかしながら、ポジティブフィードバックをすることは、受け取る側に多くの効果を与えるだけでなく、組織と部下が成長して主体的に動くチームとなることや、行なう者自身の幸福度も上がると言うのだから、ここは一つキバってみようか。
なお、本書の取っ付きには、「あなたのポジティブフィードバック度は?」というチェックシートが付いているが、これを見ると、かなり自分に当て嵌っていないのが現状だ。
ハードル高そうだなぁ(汗)。

国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック
作者:ヴィランティ牧野祝子
発売日:2022年6月14日
メディア:単行本