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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】過去よりも未来を見て、今のこの瞬間を大切に。『小林教授の肩の力を抜くとすべてよくなる』

 

人生をどう生きるか。
自己啓発でもなく、哲学でもなく、医者として、そして60歳を超えた者という立場から書かれている本書では、冒頭に於いて、まず、肩の力を抜いてみてはどうかと読者に問いかけている。
人に好かれたい、人に認められたい、褒められたい。手放せないしがらみの数々。あれもこれもと頑張る。その結果、肩に力を入れすぎた生き方になってはいないだろうか。
色々と背負い込んでいるもの。しかし、それらは本当に大事なのだろうか。整理してみて、力が抜けた生き方をしてみれば、きっと楽しく、健康になれるのではないか。

順天堂大学医学部教授である著者は、これまでも多数の著作があるらしいが、主なテーマとなっているのは、自律神経と腸内環境なのだそうだ。
本書でも、ストレスや生活の乱れが自律神経に変調をきたすと言い、交感神経と副交感神経のバランスについてや、ストレスホルモンのコルチゾール、幸せホルモンであるセロトニンなどについての説明にも多くのページを割いている。
だが、小難しいことを述べるでもなく、こういった態度でいるとこうなっちゃうよとか、こんなことをすればいい感じになるという具合で、それこそストレスなく読めるものだ。

また、不調の原因「肩の荷」を下ろそうという訳で、「立場」を手放すとスッキリする、「過去」を手放すと未来が開ける、「欲」を手放すと豊かになる、と説く。過分に自らの経験、というか、自分の場合こうだった、という話な訳なのだが、自己啓発的な手法+自律神経的な発想がちょっと面白い。
ただ、年齢を重ねると体の調子や状態が悪くなってくるということに関する話題も多めで、著者の年齢ゆえとは言え、その辺りは若干読者の層を選ぶこととなるかもしれない。

私としては、「過去」を手放す章のなかにあった、「3行日記で過去を整理」という一節は少し気になる。
一日の終わりに簡単な日記をつける。その方法は、以下を書き出すことだ。
一、今日、一番イヤだったこと
二、今日、一番うれしかったこと
三、明日の目標
これは、著者がアイルランドの医師から学んだメンタルコントロールのテクニックなのだそうで、ちょっとやってみようかなと思わされた。
その効果のほどをお知りになりたい方は、どうぞご一読をと言うことで。

小林教授の肩の力を抜くとすべてよくなる
作者:小林弘幸
発売日:2022年1月1日
メディア:単行本