HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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キャバクラの商売の構造とは?『キャバ嬢の社会学』

本書は著者が修士論文を書くため、実際にキャバクラで働いて、どういった商売のシステムなのかを探ぐり、人間の心理、社会学を交えて記録されている。

客はキャバ嬢を「普通の女の子」として扱いたがる。そして、店の外で会おうとする。だから、長期的な関係を築くには、「私はキャバ嬢であり、あなたはキャバ嬢の客である」ということを認識してもらう必要がある。

しかし客は「水商売の女には騙されたくない」と考えており、慎重にキャバ嬢の態度を見極める。少しでも自分が「お金目当ての存在」だと分かれば一気に引いてしまうのだ。

キャバクラはあくまで、お金を介した疑似恋愛の空間。客は「騙されるのではないか」という不安を感じている。もちろんキャバ嬢は全てお金のためだが、それは慎重に隠しておくべき態度だ。

それを伝わらないように客は客として割り切り「素の自分」を出し、「普通の女の子らしさ」をアピールすることによって、「私は悪いキャバ嬢ではない」ということを何とか伝えようとしている。

そして、最終的には客を上手に「応援型、ファン」のようなかたちに持っていくこと。これができれば長期的な「客とキャバ嬢」という関係を前提に付き合いができる。

このご時世、雇用が不安定の中、高収入なキャバクラは、若い女性にとって魅力的な仕事なのは間違いない。だが、彼女たちにとっては「普通の女の子だけど、水商売の女」という矛盾に困惑しながら抑圧的に働いている場合もある。それに対処しようと、さまざまな工夫をこらしながらあくせく働くのも彼女たち自身の姿なのである。

 

キャバ嬢の社会学 (星海社新書)

キャバ嬢の社会学 (星海社新書)

 

 

仮想通貨を理解してない人はさすがに人生舐めすぎ『マンガでわかる ビットコインと仮想通貨』

仮想通貨元年と呼ばれた2017年は過ぎ去り、TV、電車、至る所で仮想通貨取引所の広告が見られるようになってきた。本書を読めば仮想通貨とビットコインについて、正しく簡単にマンガで理解することができる。

本書の内容は、ビットコインとは何かから始まり、投資としてのビットコイン、他の仮想通貨とはどう違うのか、そしてブロックチェーンの仕組み、その仕組みの通貨以外での利用、ICO、未来のお金というところだ。

マンガでわかるとはタイトルに書いてあるが、分かりやすさはありながらその内容はキッチリしている。2018年なった今、まだ仮想通貨のことがよく分かっていない人は、さすがに人生を舐めすぎなので本書をまず読もう。

 

マンガでわかるビットコインと仮想通貨

マンガでわかるビットコインと仮想通貨

 

 

新しい価値観と幸福感をみつける『超AI時代の生存戦略』

人は「ドキドキする」というのと、「報酬がある」を組み合わせると、「テンションが上がる」ということが重要なことである。要するに、「何かちょっとフラストレーションが溜まる」要素と、その結果によって、良いと喜ぶし、悪いとちょっと悲しいという感覚的報酬を、マネジメントしている。

それこそが、超AI時代には人の簡便かつ効率良く生きるすでであり、すべてのギャンブル的な娯楽に含まれている。例えばスマホのゲームやパチンコ、競馬などの公営ギャンブルもあてはまる。

そういったことから、今後の仕事では、自分でゲーム的なフレームワークを考えて「遊び」にしていくということが重要になってくる。仕事を遊びにして1日中労働しろというわけではなく、小さい遊びとして仕事を生活の中にたくさん詰め込んでいくと、豊かな人生になるのではないかということだ。

AI時代が進むと我々の人間性は滅んでいく。なぜなら、機械ではないことを基準にした人間の定義は、人間によく似た能力を持った機械が現れたとき、奪われていく。多くの場合その拠り所は感情面に向かうが、人間が持っている感情のメカニズムが明らかになっていき、それを機械が判別できるにつれて、そこも聖域ではなくなっていく。

私たちは今、機械と人間という対比の次のフェーズに進もうとしているのだ。ならば、新しい価値観や幸福感をみつけていかなければならないはずだ。

 

 

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

 
日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 
これからの世界をつくる仲間たちへ

これからの世界をつくる仲間たちへ

 
魔法の世紀

魔法の世紀

 

 

Francfranc創業者の仕事と遊びの考え『遊ばない社員はいらない』

著者はインテリアショップ「Francfranc」経営者、株式会社バルス創業者の高島郁夫氏であり、「よく遊ぶ人」と呼ばれている。

「よく遊ぶ人」である著者のビジネスに対する考えは、「人々の喜びからビジネスが始まる」ということである。

人々が喜び、その対価として金銭が生じ、ビジネスが成り立つ。

そこで重要なのが、“どうしたら人は喜ぶのか?”という問いであり、その答えは“自分たちが喜びを知らなければ想像しえない。”ということである。
寸暇を惜しんで遊び、その遊びから得られるものが、お客様に喜んでもらうことにつながる。
だが、仕事のために遊ぶのではなく、ただただ遊び、そこからアイデアが生まれる。

打算なく、あるがままに遊びつくす。
遊びが仕事になり、仕事が遊びになり、人生に厚みがもたらされる。

そんな本書の第2章には「仕事は考えること」とあり、著者は“仕事”は”イメージ”、“クリエイティブ”、“センス”、“アイデア”というワードが多く出てくる。
それらは遊びを通じた様々な体験をもとに浮かんでくる。
世の中のトレンドにしっかり着目すること、失敗を恐れず、様々な体験をしていくこと。
コツコツ真面目ということではなく、どんどん新しいものに着目し、遊びつくすこと、寄り道していくこと、それらを行っていくことで、自分の引き出しが増えていく。

真面目一辺倒では、アイデアは浮かばない。
真面目に遊ぶことで出会えるものがある。

本書を読むことで、著者の「遊び」と「仕事」に対する考えを学ぶことで、読者が抱いている「遊ぶこと」の意味が広がると思われる。
そして、「遊ぶこと」と共に、一人の人間、ビジネスマンとして大切にしていることも本書を通じて、理解することができる。

「いつまでも遊び人と呼ばれたい。」
これが著者の願いであり、真面目だけでは通用しない業界の人間の言葉である。

遊ばない社員はいらない

遊ばない社員はいらない

星野リゾートの事業展開の背後には常に「教科書」が存在している。『星野リゾートの教科書』

星野リゾートは旅館・ホテルの運営会社である。長野県軽井沢町で創業し、4代目の経営者である星野佳路社長は、顧客満足度アップと収益力向上の両立を掲げ、会社を成長させてきた。そして、この10年で軽井沢の老舗企業から、全国でリゾート施設を運営する企業へと変身を遂げている。

本書は、星野社長が実行した経営戦略の参考となった「教科書」についてピックアップし、星野社長流の「教科書の生かし方」を明らかにしている。

なぜ、教科書通りに行うのか。
それは、企業経営には、経営者個人の資質に基づく“アート”の部分と、論理に基づく“サイエンス”の部分があり、星野社長は自らを“アーティスティック”な経営判断を行う人間ではないと考えているからである。
もう一つは、経営判断を謝るリスクを最小にするためである。

では、どのような本が「教科書」となるのか。
多くは米国のビジネススクールで教える教授陣が書いたものであり、裏付けがしっかりしているものである。理由は教授らがコンサルタントを兼ねて学問と実践の間を行き来し、膨大な調査によって理論を実証している場合が多いからである。

どのように「教科書」生かしているのか。

ステップ① 「本を探す」
自社が抱える課題をもって、「解決に役立つ本」を探しに行く。
書棚に1冊しかない古典的な本ほど、役に立つ。

ステップ② 「読む」
1行ずつ理解し、分からない部分は残さず、何度でも読む。
これは「自社にどのように当てはめれば良いか」を考えながら読むこと。

ステップ③ 「実践する」
理論をかいつまんだりせずに、100%教科書通りにやってみる。

このステップを通して、星野社長は経営戦略を決定している。
本書には、“現場スタッフの判断の質を高めたい”、“大ヒット商品のかげり”、“人材がどうしても集まらない”など、星野社長が直面した課題がいくつも挙げられており、「抱えていた課題」「解決への取り組み」「他分野への応用」、「参考にした教科書」と項目を分け、詳細に解説されている。

著名な経営者の「人間力」などの“アート”な部分ではなく、”サイエンス”で勝負したい人にオススメの一冊です。

「教科書通りの経営は、自分の直感を信じれない時に、経営判断の根拠となり、ブレることなく、自信を持って頑張る勇気を与えてくれる。」

これが著者のメッセージです。

星野リゾートの教科書

星野リゾートの教科書

真のリーダーシップとは『小説 上杉鷹山』

1961年、第35代米国大統領に就任したジョン・F・ケネディは、日本人記者団からこんな質問を受けた。「あなたが、日本で最も尊敬する政治家はだれですか」ケネディはこう答えた。「上杉鷹山(ようざん)です」この上杉鷹山という人物、聞き覚えがない方も多いのではないでしょうか。では、この言葉は聞いたことがあるのではないだろうか。

「成せばなる、成さねばならぬ何事も 成らぬは人の、なさぬなりけり」

これは、米沢藩主上杉鷹山が家臣に示した和歌の一部である。鷹山は、財政が困窮していた米沢藩主として、実に17歳にして行政改革に着手し「人民の人民による人民のための政治」を行った人物である。そしてこの童門冬二氏による「小説 上杉鷹山」は、江戸時代の屈指の為政者として、困窮した米沢藩を見事立て直した上杉鷹山の活躍を、史実を元に小説に仕立てた作品だ。ここで一つ、心に残る場面を紹介したいと思う。財政改革の一貫として自ら率先し農地の開墾に訪れていた治憲(鷹山)の一行。とある酒の席で、一介の町娘である千代は勇気を振り絞り、治憲にこう問いかけた。


「せめて、お酌だけでも、私どもにさせていただきとうございます」
しかし、治憲は微笑を振っていった。
「せっかくだが、ならぬ」
落胆と多少の怒りで、千代が、(ああ、やっぱりあたしたちの身分が卑しいからだ)
と、思ったとき、治憲は千代を見てこういった。
「勘違いするな。そのほうたちが町人ゆえに酌をさせないのではないぞ。この酌は、誰もさせられぬのだ。つまり、私以外、酌をしてはならぬのだ」
そして治憲は、
「このような苦痛を味わせるのは、あげてこの治憲に藩主としての力がないためである。許してくれ」
そう話すと、ひとりひとりの侍たちに労いの言葉を掛けながら自ら酒を注ぎ始めたのであった・・・

 

正に自分に厳しく人に優しくといった精神の象徴のような人物だ。

自ら助ける、すなわち「自助」
近隣社会が互いに助け合う、「互助」
藩政府が手を伸ばす、「扶助」


鷹山は、この「三助」の方針で物質的にも精神的にも美しく豊かな共同体を作り出したのである。「徳」と「信頼」と「愛」をもって自ら率先し、根気強く改革していく鷹山の生涯を描いたこの作品。経営者の理想像、本当のリーダーシップとは何か、多くの学びを得ることができる珠玉の一冊だ。

 全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)

全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)

 

これから世の中に出ていく女の子へ。 『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』

女の子。

大好きな人と恋愛をして、結婚する。
そして、可愛い赤ちゃんを産んで、家族の皆が笑顔の絶えない家庭を持ちたい。

女の子たちのささやかな願いの一つだと思います。

そんな女の子たちに著者は質問をします。

結婚相手がぶっ壊れて、暴力を振るうようになったらどうする?
お酒を飲んで、暴れるようになったら?
ギャンブルで知らない間に借金をつくっていたら?
生活が苦しくて、自分の子供に手をあげるようになったら?

ちゃんと自分自身を守れますか?
ちゃんと自分の子供を守れますか?
ちゃんと逃げれますか?
ちゃんと子供を連れて安全な場所に避難させることができますか?

そんなことありえないかもしれません。
それでも、そんな現実をイヤというほど見てきた著者は伝えます。

追い込まれて、次の一手が打てなくなる前に、生き抜くための戦略を必ず立ててください、と。

20歳までは困っていたら誰かが助けてくれるかもしれません。
ですが、若さや美貌は、あっという間に資産価値が0になってしまいます。
若さや美貌が無くなる前に、仕事のスキルや人としてのやさしさ、正しい経済観念など、覚えなければならないことがたくさんあります。
結婚した相手が病気になること、リストラされることもあります。
そうなってから、「やだ、私は悪くないのに」では通りません。

だから、「王子様を待つよりも、社長の奥さんになるより、社長になろう」と伝えます。
自分の幸せを誰かに委ねないように、と。

著者の西原理恵子氏の人生は波乱万丈でした。
暴力と貧困の中で育ったこと、父親の自殺、アルコール依存症の元結婚相手からのDV、パニック症候群やうつ病など、様々なことが起こりました。

お金が無くて見ることになった不幸。お金があったことで見なくてすんだ不幸。

人生でどんなことが起きても、何度でも立ち上がって前に進んでほしい。
最低でどん底にいるなら、そこから抜け出すことをあきらめないでほしい。

生きていくのが大変な女の子だからこそ。
ついつい、自分の幸せを相手に委ねすぎて、取り返しがつかなくなってしまいがちな女の子だからこそ。

どんな時でも、次の一手は、自分で考えて、自分で選ぶこと。
幸せは自分で取りに行くこと。
そのために、自分で稼げるようになること。

人生で沢山失敗して、転んで、泣いて、傷ついて、その都度立ち上がってきた著者からの愛のあるメッセージが詰まった良書です。

ぜひ、一読してみてください。


『Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践』

このような本は出会ったことがない。

こんなに実践的で理論的で書かれておりvalueがある本を知らない。

本書は今をときめくAIの一種である機械学習の本だ。
Pythonというプログラミング言語を使って、機械学習を知ることができる。

この分野は様々な本が出ているが、こんなにも色々と書かれている本を知らないし、こんなにもvalueがある本を私は知らない。

本書の最後をそのまま引用しよう。

機械学習の刺激的な旅(中略)を楽しんでいただけただろうか。(中略)この分野の基本的なテーマは全て取り上げた。それらの手法を実際に手に取り、現実の問題を解決するための準備はもう十分に整っているはずだ。」

そうこの本に機械学習について全て書かれているのだ。

あとは実装すればいいだけ。
しかも、サンプルコードが全てネット上に上がっている。

すなわちこの本さえ読めば、AIエンジニアになれるわけである。
(世界で最もセクシーな仕事はデータサイエンティストであったそうだが、世界で最も稼げる仕事の1つは現在AIエンジニアだと思われる。)

Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

RAS成功への鍵『ブレインプログラミング』

本書は、2000年に日本でも刊行され大ヒットした『話を聞かない男、地図が読めない女』の著者による最新作である。当時、他に類を見ないとても興味深い内容だったと今でも記憶に残っている。しかしその大ヒットの裏には、莫大な借金、命にかかわる病気からの復活等、これらを乗り越えての大成功だったと本書により初めて語られた。そして、その大成功への鍵は脳の活動を支配する「RAS」Reticular Activating Systemのなせる技なのだ。

「RAS」の働きは、人が生きていくために必要な心臓の動き、呼吸、睡眠、食欲他多くのことに関わっている。また意識レベルでも、何かに関心を持った時にそれに関する情報が目に飛び込んでくるのは「RAS」のおかげである。

「RAS」は多くの情報の中から自分にとって必要な情報を仕分けることができるのだ。それは、例えるなら検索エンジンであり、さらにGPSの機能も備えている。そのため、自分の望む目的を明確にさえすれば、自動的に進む方向を「RAS」が示してくれるのだ。

『 思考は現実化する 』これはまさに 「RAS」の働きによるものであり、現代では、科学で証明された。「RAS」をプログラミングすることにより、自分の思考を思いどおりに現実化することができる。人には、そのような素晴らしい機能が備わっているのだ。しかし、その機能をどう使うかは、自分次第だ。なぜなら思考には、現実化を望む輝かしい思考も、恐れや不安から現実化を望まない思考も「RAS」にとっては、同じ思考にすぎないからだ。

本書では、「RAS」の驚異の力、プログラミング方法やその効果など、多くの事例を交えて解説されている。また、重要なポイントについては、繰り返し何度も何度も丁寧に語られているため、著者のように人生に変化をもたらしたい人には、試してみて損のない方法だ。また失敗を恐れ、なかなか行動できない人へも恐れを克服する方法が掲載されている。

著者は語る、人にどう言われようと、自分の心の声を信じ、RASをプログラミングすることが、成功するための近道だ。それは、まさに著者自身の実体験からの言葉なのだ。

自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング

自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング