HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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ハッタリ力を身につけよう『理系のための人生設計ガイド』

研究者としてどう生きて、どう人生を攻めるかについて書いた本。これからは理系こそマネジメント力そしてハッタリ力が必要だという。

まず開いて初めに出てくるのは文系と理系の長所。

文系
コミュ力が高い。
バランス感覚が良い。
営業、経営力に長けている。
流行に敏感である。
人やお金を扱うのがうまい。

理系
理系知識がある。
論理的に物事を考える。
数字に強い。
仮説を立てて真理へ。
知的冒険ができる。

この本は大学院卒業後の研究者に向けての本であるが、 これからの理系には理系の知識はもちろんのこと、文系知識が必要であることを強く主張している。
まず、「コミュ力」言うまでもなく必要、研究者は多くの人と関わる仕事だからだ。「バランス感覚が良い」これは時間の使い方等が上手く、バランスが取れると言うことである。そして、「経営の力」研究室をもてば経営をしなければならないため経営力は必要。「流行」は最近の研究の流行がいち早く分れば、人に見てもらいやすい研究ができる。これは人やお金、研究室の生徒を育てたり、研究費用を稼ぐのに必要である。

そして、その後メインとなる人生設計方法については「バリュー」、「ミッション」、「ストラテジー」が必要。

自分が価値を感じることを考え(バリュー)、価値を感じることリストの中に共通するものが自分がこの世に生まれてきた使命(ミッション)である。そして使命をこなすための戦略(ストラテジーが必要だという。

この本で評者が学んだ一番のことは、自分の能力を1.5倍に見せる能力、つまりハッタリ力をつけようということである。
そうすれば気分良く生きることができるだろう。

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

頭で理解することより、体験に価値を置いているんだ。『スティーブ・ジョブズ 夢と命のメッセージ』

本書は全体として220p、141のメッセージが載っており、非常に読みやすくなっています。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ氏は「名言集および格言集は、社会人にとって最大の宝である。もし前者を適時会話に盛り込み、後者を適切に呼び起こすならば。」と説いています。今の自分が抱えている問題や状況によって響く言葉が異なると思いますので、読者の心に届くメッセージと出会えることを祈ります。

ジョブズ氏の哲学に基づいたメッセージが沢山ありますが、私が好きな名言は
「頭で理解するより、体験に価値を置いているんだ。深く考える人は沢山見てきたけど、いろいろなところにたどり着けている印象はあまりないんだよね。頭で抽象的に理解することより重要なものに気づいた人に、すごく興味があった。」

例えば、「○○のための45のルール」、「○○のための25の法則」など、沢山の本がありますが、どうやったらそんな数を覚えれるんでしょうか。どうやって全部を習慣化するんでしょうか。全部記憶しなければならないんでしょうか。一体、この世のルールや法則は合計何個あるんですか。シンプルとか集中が大事なんじゃないんですか。私はたまにそう思います。
多すぎて複雑になったルールと法則の中でどれが今の自分に必要なんでしょうか。

やはり、一度やってみて、自分に足りないものを理解しなければいけないのではと思えるのです。同じ仕事を異なる二人がやっても、各々が躓く問題は必ず異なります。それは、各々の能力や条件が違うからです。自分が躓いた問題を隣の人は軽く飛び越えるかも知れませんし、隣の人が困っていることに自分が困るとは限りません。
まずは体験して、「自分にとっての問題点」といった、「一時情報」を得ることが大事なのではと思います。

頭でっかちではどこにもたどりつけないというジョブズ氏のメッセージに胸を撃たれました。読者の皆さん、多すぎるルールと法則から頭を解き放ち、行動しましょう。

自転車よりも自転車屋選び『ロードを極めるなら業界一の自転車バカに訊け!』

昨今、自転車と一括りにするとママチャリから本格的な競技志向のロードバイクまで幅広く、自転車はラインナップされている。

本書は、そのロードバイクの買い方、選び方、楽しみ方を現代の流行と共に解説された書籍である。実際に購入を検討されている方など参考になるだろう。

まず重要になって来るのは、自転車よりも長く付き合っていくであろう自転車屋選びである。自転車屋によってはメーカー出荷からそのまま販売する店もあるが、専門ショップになって来ると、最適に乗りこなせるよう、部分的にバラして調整して組み直す。となれば、作業も伴うし、その工賃を反映させれば値引きだってできなくなる。

だがネット通販が一般的になった今日、定価販売するのもなかなか勇気がいる。客筋がいいお店であれば、それなりの説明をすれば、キチンと整備した上で相応の価格で販売できる。仕事の中身を判断できず、コスパコスパと叫ぶアホどもはそもそもロードバイクを乗る必要がない。

このようにロードバイク1つとっても価格は5万円代から200万円代まである。価格相応に高価な高性能な部品が取り付けられており、乗り手のレベルによってもそれを使いこなせるかどうかが問われる。であるならば、親密に相談できる自転車屋選びこそが今後の自転車ライフを楽しんで行けるかどうか、なのではないだろうか。

ロード極めるなら業界一の自転車バカに訊け!: ROADBIKE BESTBUY BOOK

ロード極めるなら業界一の自転車バカに訊け!: ROADBIKE BESTBUY BOOK

モノを売るのではなく、ワクワクを提供!『「買いたい!」のスイッチを押す方法』

本書では、消費者の心の中に「買いたい」が起こる法則を考え、売る側が消費者の「買いたい」を計画的に引き起こす術についてお話しする。

繁栄店では日夜、顧客がどんな人生観、どんな人付き合い、どんなことに喜びを見出し、どんなことで悩んでいるか、あるいはどんなことにワクワクしているか。それを1人ひとりから聞き取り、内容を記録している。

そうやって顧客と接していると次に何を買う必要があるかがわかってくるという。ということは、とりもなおさず、次に何を仕入れるべきがわかるということだ。

だからそれを仕入れて「あなたは、次これ」と勧める。それでビジネスが成り立っていく。だから売上を作るのは苦労ではないと語っている。

昨今のマーケットの流れは低価格志向だが、本来の消費者の求めているのはモノやサービスを買いたいのではなく、「未来のワクワクすること」を買いたがっている。であるならば、売り手も作り手も、それに応じて提供していけばおのずと「買いたい」スイッチが押されることでしょう。

人生を楽しむ方法の1つ 『マーケット感覚を身につけよう』

本書は有名ブロガーである、ちきりんさんが自分が身につけてよかったと思うスキルの1つである「マーケット感覚」について書いた本です。

本書を読むと、副題にあるように「これから何が売れるかのか」がわかるようになります。

ちきりんさんは、マーケット感覚を身につける方法として以下の5点を挙げています。
1.プライシング能力も身につけること
2.インセンティブシステムへの理解すること
3.市場から評価される方法を学ぶこと
4.失敗と成功の関係を理解すること
5.市場性の高い環境に身におくこと

どれも重要ですが特に5つ目が重要であり難しいと感じます。
5つ目を行うには、自分にはどのようなスキルがあるかを客観的に考え、市場にどのようなスキルが必要とされているか考える必要があるからです。

しかし、一度この「マーケット感覚」を身につけると市場を読むことができ、未来を読むことができるのでビジネスが楽しくなります。

是非本書を読んで、「マーケット感覚」を身につけてはいかがでしょうか。

【2018年3月】今月読まれた書評ランキング

 1位 

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

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 2位

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

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 3位

林檎の樹の下で(上)禁断の果実上陸編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

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林檎の樹の下で(下)日本への帰化編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

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 4位

一瞬で恐怖を消す技術 ~恐怖を力に変える7つのステップ~

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 5位

どん底からの成功法則

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 6位

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 7位


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 8位

多動力 (NewsPicks Book)

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 9位

「行動できない」自分からの脱出法!──あなたを縛る「暗示」にサヨナラ

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 10位

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

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「怖いもの見たさ」の心をくすぐる未知の世界『パラレルワールドお売りします』

現実にも起こりうる奇妙な短編10作品からなる物語である。VRやAIなどは、すでに世の中に広まりつつあるものだが、近い将来にはさらなる活躍が期待されるている反面、また新たな未知の世界が始まる恐怖感もある。

何らかの理由で自分自身が、記録されているデータとの照合ができずに、国民として扱われなくなる。恐ろしくもある物語。どんなに地位や名誉があろうとも、一切関係ない。そのようなデータに支配される世の中が、いつか現実になるかもしれない。多くのテクノロジーの進化により便利な世の中になる反面、使い方によっては、危険とも隣り合わせである。そのように注意を呼び掛けられているようにも感じる。

本書はそれぞれの物語が、全くもってフィクションであるとも言いきれない、その不安定感に魅力がある。「本当なのかもしれない」「そういう現実が来てもおかしくはない」と思わせる、まさに「怖いもの見たさ」がここにある。

さらに、このような奇妙な世の中に順応できず、試行錯誤する人々の人間模様が垣間見られる。これらが現実になった際に、自分は一体どちらの立場にいるのだろうか。「テクノロジーを操り、快適な生活を送る自分」または「主人公のような順応できない自分」そのように、自分の人生をも考えさせられるような深い内容でもある。また、主人公を献身的に支える家族の愛情溢れる様子が、心暖まる物語へと導いていく。様々な感情が入り交じった不思議な世界観に浸れるパラレルワールドへ足を踏み入れてみては、いかがだろうか。

【2018年2月】当ブログ書籍売上ランキング

 1位 

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

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1位

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3位

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

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 4位 

林檎の樹の下で(上)禁断の果実上陸編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

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林檎の樹の下で(下)日本への帰化編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

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 4位

 

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4位

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 7位

知的生活の方法 (講談社現代新書)

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7位

営業マンは「お願い」するな!

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 7位

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

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現代の百物語。『パラレルワールド お売りします』

近年ではVRやAR、生体認証やAIなど目新しい技術が数多く生み出されている。本作品は技術が行き着く可能性の延長線上の一つに位置する、そのような座標の物語で構成された短編小説集だ。

包丁は使う人によって調理器具にも凶器にもなりうるが、本作品はそのような話に近い。道具そのものに善悪はなく、それは技術も同様だ。今生まれているあらゆる技術は、どうやって人の役に立つのかということを前提に応用研究がされている。本作品の中ではその逆の思想、もしくは人の役に立つという定義がどこかズレたまま技術とその使い方を進化させていった。

読み進めていく中で不意に頭をよぎったものは百物語だ。あるはずないものがありえるという怪談の類は、現実と空想の境界線がぼやけ、独特の気持ち悪さと恐怖が残る。多くの怪談は過去の過ちとの因果関係によって成り立ち、呪いなどの事象として現れる。本作品は近未来を描いているにも関わらず、受ける印象は怪談のそれと同じだ。

過去の呪いと未来の技術、どちらにも僅かながらの恐怖が存在する。これから先に生み出される人の技術には、怪談のような未知の要素が多分に含まれていることを本書は気づかせてくれる。

 

パラレルワールド お売りします

パラレルワールド お売りします