HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】PRに関わるすべての方の基本ガイドブック。『サニーサイドアップの手とり足とりPR』

本来のPR(パブリックリレーションズ)の意味とは、「企業や団体が社会との良好な関係性を構築すること」であるが、得てして、PR=パビリシティの獲得。つまり、メディアに取り上げられてもらうことばかりを目的とする場合が非常に多いのが実際であろう。
しかし、世の中に向けて発信される情報量が爆発的に増えている昨今に於いて、個々の情報を生活者が目にする確率は相対的に減っているのだから、これからの時代では、情報の質を高めて生活者に届く確率を上げることが必須だと著者は言う。

本書は、有名なPR会社である株式会社サニーサイドアップのA4サイズで300枚近くとなる社内マニュアルを書籍化した物である。
PRに関する概観に続き、「手法としてのPR」、「プランニング」、「メディアプロモート」、「リアルプロモーション」、「デジタルマーケティング」等の各々について、解説、メディア毎の戦略、具体的な戦術、スケジュールやステップを掲げた進行例などを詳細に記述している。
例えば、記者発表会はどう開く?
プレスリリースとは? ニュースリリースとは?
新聞やテレビ、ラジオ、Webにはどう対処すれば良いか、SNSを活用するに適したやり方、などなど。
まさに手とり足とりである。

個人的に言えば、記述されている中には、私の様な小規模なD2C事業者にとってはなかなか手を出せない様な施策も多々あるのだが、それでもプレスリリースやらインターネットでの露出の仕方など、それなりに得るものは少なくない。
ましてや、世にある数多の会社の広告担当者にとっては、基本を紐解ける頼りになる一冊となるであろうと思う。

著者が望む様に、本書で得た知識やノウハウで「たのしいさわぎ」をどんすこと起こして欲しいと望むところだ。


サニーサイドアップの手とり足とりPR
作者:吉田誠,亀山一樹,サニーサイドアップ社内マニュアル編集チーム
発売日:2021年5月11日
メディア:単行本

 

 

【書評】自分のめがねをかけかえれば、望む幸せは訪れる『一瞬で幸せが訪れる天国めがねの法則』

 

著者は小中高校生の間、友達が一人もいなく、かなり辛い学生時代を送り、書道家として活躍したのちも誹謗中傷やクレームの荒らしが数年間にわたり続いたという。しかし、そんな著者は特別ではなく、著者の周りの成功者はみんな一様に、そのような苦しい経験をしてきたそうだ。

なぜならば、勝ち負けの世界にいる限りそのような状況を変えることはできず、みんなが憧れる成功者の心はボロボロで、幸せとは程遠いところにいるそうだ。世界的スーパースターの映画や本等のドキュメンタリー作品により、何となくその状況は想像がついていたが、それは当然経験した当人にしかわからず、その辛さから依存症になる人もいるほどだ。

著者によると、成功、勝ち負け、数字を争う世界に存在することにより、勝ったとしても一瞬の喜びは虚しさに変わる。何を手にしたとしても満たされることはなく、人との衝突を続けている限り、物との衝突も起き、また自分と戦い成功を手にしても、そこには負けた自分が取り残され、争いを続けている限り幸せは訪れないのだという。

それに気づいた著者は幸せを得るために、書とアートの世界に打ち込み、常に所作を丁寧にし、自称感謝オタクとして、世の中の全てのことに感謝することにより、嫌なこと、嫌な人に出会わなくなり、毎日思いもよらないような楽しいことで満ち溢れているそうだ。

評者も海外へ度々出かけていた時に、常にThank youを上手く使う人たちを目の当たりにし、こんなシチュエーションで言うのだなと学び、心がけるようにしてきた。すると著者の言うようにどうでもいいような揉め事が無くなり、次々と面白いことが増えてきたように思う。今後も新たな楽しいことが訪れたら、どんどん挑戦していけばより楽しい人生になるだろう。

 

一瞬で幸せが訪れる 天国めがねの法則

一瞬で幸せが訪れる 天国めがねの法則

 

 

【書評】さあ、副業を始めよう!『日本一カンタンな「副業」と「お金」の教科書』

 


 新型コロナウィルス感染拡大は、私たちの健康に対する意識だけではなく働き方を考えるきっかけとなったと言っても過言ではないだろう。飲食店が閉店し、残業が減り給与が下がり、在宅ワークが進んだ。今まで無我夢中で働いてきた人にとっては自分の生活を見直すきっかけになったかもしれないし、給与が減ったことによって自分の将来設計を考え直したかもしれない。今までと同じ給与を支払えない会社は就業規則を見直し副業を許可し、在宅ワークによって自由な時間が増えた人は副業に興味を持ち始める。この状況は至極自然な流れなのかもしれない。ただどこから手を出したらいいかわからない人も多いだろう。この本はそんな初心者向けの本である。

 副業と言うとどんなイメージを持つだろうか?本業の隙間時間に行うもの?もうすでにこの考え方が間違えている。副業とは確かに本業ではない、だからこそきちんと副業を行う事が大事なのである。自分が好きなこと、自分と相性がいいこと、それを基準にして、自分のオリジナルにアレンジし、それを全うすること。つまり、副業だからと手を抜かずにきちんとやり遂げられる副業を見つけることがまずスタートなのだ。お金は本業である程度手に入れ、副業で自分の興味のあることを続けながら収入を得る、副業はそんなポジションなのである。
 こう書くと簡単に思えるだろうが、著書の中には手厳しい助言もちゃんと書かれている。副業をうまく継続し安定した収入を得るためのプロセスである。副業者などの体験談からきちんと情報収集し、経験を積み、実践し、効率化していく。こう書かれると心配になるが、副業だから何度でもチャレンジできると言って背中を押してくれるのである。なんと優しい。
 
 その副業について分類しているのもおもしろい。本業のスキルを他に提供する、趣味を活かす、単調作業の代行、株式投資、企業と客との仲介、商売の副業の6つである。このどれにも当てはまらない人はいないだろう。ITが苦手でも趣味はあるだろうし、ITが得意なら趣味をITを使って広めていくこともできるだろう。自分の持っているスキルを活かすもよし、趣味を活かすもよし、自分の時間をどう使うかは自分で決めて良いのである。

 著者は10年以上経営コンサルタントをしている。今の仕事内容や収入で満足しているなら副業は考えなくてもいいだろう。今のままの生活でいいのか?と思ったら、まずこの本を読んでみるといい。副業は収入を増やす、収入を安定させるというより、人生をより豊かにさせるものなのかもしれない。副業したくなった。

 

日本一カンタンな「投資」と「お金」の本

日本一カンタンな「投資」と「お金」の本

 

 

【書評】「ころも」を着ればみんな一緒『からあげビーチ』

 

からあげファミリーが訪れたビーチで「ころも」を脱ぎ楽しんでいると、周りには自分たちとは違った見た目のからあげたちが大勢いた。同じからあげでも中身は鶏肉、たこ、さといもがいたりと一見みんな違うように思える。しかし、ころもを着てしまえばみんな一緒。何の違いもないのだ。

本書は例えば人見知り、海外にルーツがある、左利きなどレアな全ての個性を応援するシリーズ絵本だ。著者は両親の仕事の都合により6カ国の学校に通い、誰もがユニークで普通は存在しないと気づいたという。

評者も最近、本書のからあげたちのような「ころも」体験をした。それは、Club houseで大人気の「自由バナナ党」だ。そのコンセプトは本書と同じく人はみんな同じ。誰もが得意なことや優れたことを持っていて、何もない人はいない。上も下もなく、有名、無名、フォロワー数も関係ない。自分のアイコン写真にバナナの着ぐるみを着せちゃえばみんな一緒でしょ。という考えのもとに作られたそうだ。たった数日の開催で300人以上のメンバーが一気に集まり、現在では500人以上になっているようだ。

メンバーには党員ナンバーが付与され、スピーカーに上がり自己紹介することにより、そこからその人の個性にあった大臣名を任命してもらえるという面白い取り組みだ。

そこでは、誰もが自分の時間を使い、完全にそれぞれが利他の精神で行っている。メンバーになったところで何があるわけではないのだが、一人一人がどんな個性であっても面白がり認めてもらえることが、自分にとっても、人のことであっても何とも嬉しいとメンバーは感じるようだ。そんなところが人気の理由でもあるのだろう。本書を読みそれを思い出した。

 

からあげビーチ (レアキッズのための絵本)

からあげビーチ (レアキッズのための絵本)

 

 

【書評】ライスワークをライフワークに簡単に変える『GAFA部長が教える 自分の強みを引き出す 4分割ノート術』

 

 現役GAFA部長が書く仕事の楽しみ方を見つける方法。この本のすばらしいところはGAFAに入る方法ではなく、どこの会社にいても自分らしく働けるように変えていく方法について書かれているところだろう。つまり、生活のために働いている環境を自己実現するための環境に変えていく方法について書かれているもである。これだけ聞くときっと興味を強く持つだろう。そしてそれは裏切らない。

 4分割ノートとはなにか?の前に、まず自分とは何者だと自分が自覚することから始まる。そう、自己覚知である。自分にはどういう強みがあるのかを知ることにより、向いている「最高の仕事領域」での仕事を行うことができ、自分自身の成長、強いては会社の成長にもつながっていくのである。
 著者は自分の中の好き嫌い、苦手得意を分け、好き得意の分野である最高の仕事領域をスイートスポットと表現しているのもおもしろい。このスイートスポットという単語はこの著書の中でキーワードなのだが、とても伝わりやすい表現だと思われる。苦手嫌い領域を全力で避け、スイートスポットをとにかく伸ばしていく、それに尽きるのである。これからの時代はオールラウンダーになる必要がないと言い切っているのもおもしろい。自分の資質に合った得意分野を成長させるのは困難ではないはずだ。

 スイートスポットのパフォーマンスをより発揮するための論理的思考についても書かれている。自分は論理的ではないと論理的に考えることをやめた人はいないだろうか?実はこの本によると、水平思考と垂直思考を使い経験を積んでいく方法を使うと人に伝わりやすい論理的な説明ができるのだ。単語から連想し物事を導き出していくのが水平思考であり、水平思考で出た項目を深掘りしていくのが垂直思考である。つまり頭の中にある思考を経験から導き出し構築していくプロセスに慣れる必要がある。確かにここにはセンスが必要かもしれないが、経験を積むことで論理的思考が身につくと言われると希望が湧いてくる。知識は経験を持って初めて知恵となるのである。

 本書は、誰でも持つスイートスポットをどう活かすかについて述べている。今までライスワークだと思っていたものは自分自身の力で実はライフワークへ変えられるのである。変化を恐れていたらもったいないのだ。おもしろいのが最後の方にコミュニケーションについても書かれていることかもしれない。変化を恐れずに、新しいコミュニティにもつながる。人との出会いは自分の思考だけではなく自分の人生も豊かにするのである。人と人との出会いはいつもケミストリーを起こす。

 

 


 
 
 

 

【書評】タフでなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない。『プレイバック』

 

前作『長いお別れ』から4年半を経て、1959年に刊行された本作は、レイモンド・チャンドラーの七作目にして、最後の長編である。

私立探偵のフィリップ・マーロウが、朝っぱらからかかってきた電話で叩き起こされるところから物語は始まる。
電話の主は非道く高飛車な弁護士であった。その用件はワシントンから到着する特急電車に乗っている女を尾行し、落ち着き先を報告することだった。
理由について一切の説明は無く、一方的ではあったが、依頼を引き受けたマーロウは女を尾けて特急電車に乗り込み、サン・ディエゴのエスメラルダに辿り着く。そしてマーロウは、敢えて自分から女に接触をしていく。

『長いお別れ』がかなりのページ数だったのに対し、本作は最もページ数が少ない作品となっている。そして、その内容はこれまでの作品と大きく異なるところが多々有り、面食らってしまったというのが正直な感想だ。
まずは舞台。チャンドラーの作品は、これまで一貫してハリウッドやロサンゼルスであった。しかし、本作では殆どがサン・ディエゴで展開されている。
これは、チャンドラー自身がロスの変わりように嫌気が差し、1946年にサン・ディエゴ近くのカリフォルニア州ラ・ホヤに引越していたからだ。チャンドラーにとって、ロサンゼルスはもうマーロウが活躍するにはふさわしい場所ではなくなっていたのだ。
そして現地の警察について取材を行なった際に、紳士的な警官の態度に感銘を受けたチャンドラーは、サン・ディエゴの警官たちを非常に立派な者たちのように描写している。ロスやベイシティの警官たちに対するものとは大違いだ。

また、何故このようなことを書いたのかと、頭を捻らざるを得ないような奇妙なエピソードが非常に多い。
例えばそれは、突然登場した老人がマーロウに神の存在や人生について長々と話して聞かせるところだったり、別な老人から昔聞いたことのあるエスメラルダに関する見解を不意に差し込んでみせたりなどである。
そして、一番の違和感を覚えたのは、登場する女たちとマーロウが続けざまにベッドを共にし、しかも、これにしても物語には殆ど関わりはないのである。
さらには、エンディングではマーロウが結婚でもするのではないかと匂わせたところで、プッツリと幕が引かれるのであった。

このような作品になった背景としては、1954年に18歳年上の妻を亡くし、落ち込み、酒におぼれ体調を崩したことが挙げられるのかもしれない。
翌1959年に『プードル・スプリングス物語』を執筆し始めたチャンドラーは、本作に於いて本当にマーロウを結婚させてしまった。
しかし、第4章まで書いたところでチャンドラーは亡くなってしまい、その後をロバート・B・パーカーが引き継ぎ完成させている。
だが、私は読む気になれず未読のままである。


プレイバック
作者:レイモンド・チャンドラー
発売日:1977年8月15日
メディア:文庫本

 

 

【書評】なぜ、あんなに仲の良かった夫婦がすれ違うのだろう。『人間関係でストレスを感じたら読む本』

 

人間関係について、誰しもが悩みやストレスを抱えている。この問題に対し、コミュニケーションスキルの向上や自分の性格を変えるといった一般的な方法を否定し、全く新しい方向からの解決方法を探っていく、一風変わったビジネス書である。

まず第一に、相手の性格は変えられない。だからといって相手に自分の性格を合わせようとするなんて、それこそストレスだ。まずは、人はみな一人ひとり違っているということを再認識するところから始めてみよう。

人の行動特性には、モチベーション特性とストレス特性がある。相手はどんな時にモチベーションが上がり、どんな時にストレスを感じるのか。自分とはもちろん違うだろう。でも自分と相手の差を理解し、適した行動をとることがいい人間関係につながるのだ。だから、自分の性格まで変える必要は全くない。

では、適した行動とはなにか。それは、ちゃんと言葉にして伝えること、だ。長年連れ添う夫婦において、言わなくても理解してほしいと思うことがあるかもしれない。でも、相手のことを考えていたとしても、それが相手に伝わっていなければ、考えていないのと一緒。相手に不安を生んでしまう。そういうところからすれ違いが生まれてくるのかもしれない。改めて気持ちを言葉にして伝えることが、大切なんだなと学んだ。

この本を読んで、言葉の力を改めて感じた。もし自分にも彼女ができたら、そしていつの日か奥さんができたら、愛は言葉にして伝えていこうと思う。まあ、いつになることやら。

 

 

【書評】偶然かつ必然な出会いというものがある。『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』

 

2013年1月のある夜。夫との関係がうまくいかない著者が、家出をして宿無し生活をしているところから本書は始まる。

「もっと知らない世界を知りたい。広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい。」
人生に疲れ切っていた著者がそう思ってとった行動が、出会い系サイトに登録してみることだった。なんでやねん!と思わず突っ込みを入れたくなる。だが同時に、自分の直感に従ってこんな行動をとれる著者の勇気に尊敬の念が湧く。

そこで自分にできることを考え、とった行動が、”出会った人にぴったりな本を1冊選んでおすすめする”というものだった。

その活動をすることで、著者は新しい人と偶発的に出会うことの面白さを発見し、人に本をお勧めすることの楽しさ、また、本を介することで見えてくるその人の魅力や本質、そうしたものにどっぷりとはまっていく。元来が引っ込み思案で個人主義が強い著者にとって、それはまさに武者修行と言えるものであった。

そしてまた、著者はそこで現れる自分の新しい一面に驚く。そこで出会った人たちと話をしていると、今の状況に囚われない、明るくて楽しげな自分が久しぶりに立ち現れていた。夫といる時の歯切れの悪い自分より、疲れた顔をして仕事をしている自分より、その活動をしているときの無謀に未知に立ち向かっていく自分の方が好きだ。そんな風に感じるようになる。

評者も、新しい人と会う機会が最近はちょくちょくあるのだが、新しい人と会って話をするのって、刺激的だけどけっこう疲れる。ふわっとした会話だけだと全然おもしろくないし、かと言って深く探り合うと傷ついたり傷つけてしまったりする。人間って難しい。

しかし著者の場合、ただ人に会うだけではなく、「本をおすすめする」という目的があった。だからそこには相手のことをよく理解しようという真剣な動機が生まれていた。

そしてそんな場面で必要とされたのは、否定も肯定もせず、一旦受け入れてみるという行為だった。考えてみると、これって読書と似ているのかもしれない。と考えると、本好きって孤独な人に思われがちだけど、実は人好きなのかもしれない。なんて、本書を読み終えて思ってしまったけど、どうなんだろう。

 

 

【書評】チームの成長を促すリーダーは4タイプある『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話』

 

本書は組織開発ファシリテーター、すなわちチームづくりのプロによるチームの作り方、リーダーのあり方に関する本である。

さて、タイトルにも書いたが本書によるとリーダーは4タイプあるらしい。
ファシリテーター
②マエストロ型
ティーチャー型
コンサルタント
それぞれ、成果を大切にするのか、プロセスを大切にするのか。それとも、背中を押すタイプなのか、引っ張っていくタイプなのかによって場合分けしている。

もちろんどれが正解かという話でなく、タイプを見極めた上で自分を理解することが大切だ。また状況によってリーダーを変えるのもいいだろう。
とにかく成果が重要な案件ではコンサルタント型が引っ張って、成果を出した方が良いし。急ぎの案件では、背中を押してやり、成果より成長を大事にしても良いかもしれない。

また、チームの発達段階についても書かれている。タックマンモデルが紹介されているが、
①形成期
②試行錯誤期
③規範期
④達成期
でチームは熟成していくという。

本書ではそれぞれの時期に、リーダーのタイプ別に何を行えば良いかが述べられている点が非常にいい。

さて、評者は本書を読んで自分のことを考えたところ、全く正反対なファシリテータータイプと、コンサルタントタイプをもっているような気がした。進める時は計画的に進めて最短で成果を出すことが重要と考える一方で、長期的にはチーム全体の総力と考えているので、成長が最も重要だと考えている。

さてさて、長々と書いたが、他人と働くすべての人間に本書はおすすめできる。是非一読を。

 

宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話
 

 

【書評】自分の気持ちに素直に『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』

 

 誰かの書評を見て面白そうだったので読んだ。一般的には「ヤバいクソエロジジイ」と呼びたがるが、読んでみるとめっちゃ良い人感が出ているし、学べることがたくさんあった。

【自分の気持ちにとても素直な人】
 「美女とのエッチだけが目標」という素直な気持ちをストレートに出していて、見ていてとてもスカッとする。経営している社員にもそれを伝えているし、ドン・ファン自身もいつもそれを話している。

 面白いのは、マルサのガサ入れがあったシーン。捜査員が会社を隅々まで家宅捜査しても証拠が無い(そもそも悪いことをしていない)。怪しい金庫があり、そこに証拠となるブツがあるかと思いきや、開けると外国人のポルノ雑誌が出てくる。「僕はただ美女とエッチがしたいだけです」。捜査員みんなが爆笑するという。

 ドン・ファンと言っても本人は小柄、痩せ型、腰が低く、大人しい人間。弱い人間という自覚があり、謙虚にやってきたという。

ドン・ファンの生き方からたくさん学べる】
 戦後誰もがやっていた鉄屑拾いで稼げず、ある日コンドームの訪問販売を思いつく。メンター的な先輩のアドバイスもあり、それが成功の始まりとなる。このシーンはビジネス的にとても学べる部分。誰もがやっていない穴を見つけて実際にやってみる。試行錯誤しながら売り上げを伸ばしていく。

 当時、規制により薬局はとても少なくて、コンドームも店内の奥の奥にあった。とても買いにくい時代。買いにくいからこちらから売りに行こうというアイデア。最初は上手く行かなかったが、工夫しながら売り上げを伸ばしていく。そして、稼げていることを隠し続けた。パクられるから。

 東京進出して、公的機関付近でポケットティッシュ配りをするシーンも学べる部分。貸金業を東京でやる際に、公的機関付近にターゲットを絞る。それが意外に需要があった。ポケットティッシュ営業は基本を教えてくれる。可愛い女子大生に配らせてもらいやすくしつつ、ドン・ファン自身も配る。雨の日も天候が悪い日も地道に配る。むしろ、天候が悪い方がもらってくれるらしい。最初はこういう地道なところから始めてさらに稼いでいく。

【自分の気持ちに正直だと常識を無視できる】
 この人はすごく素直で自分の気持ちに正直に生きている。だから、周りの言うことに流されないし、常識とか気にせず、やりたいことをやってる。目標が強すぎていろんな行動を起こす。自分の気持ちを大事しようととても思った。

【まとめ 素直な気持ち大事】
 周りに流されないで自分のやりたいようにやっていこうと思わせる本だった。また、本人の書籍を読んで改めてわかったが、メディアの記事はほんとに煽りが多いと思った。