HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】工藤俊作、最後の事件。『新・探偵物語Ⅱ 国境のコヨーテ』

f:id:SyohyouBlog:20200620171426j:plain
前作から10ヶ月後、S・クドーはアリゾナに舞い戻る。それは相変わらずの法律事務所の臨時調査員としての仕事の為だ。しかし、胸中には以前の事件で淡いロマンスと生死の境を共にした日系アメリカ人の美女との再会への期待もあった。

物語の冒頭は、クドーがワイアット・アープを訪ねるところから始まる。とはいっても、これは現代のお話だ。西部の街の観光アトラクションで歴史に名を残した保安官を演じているのはビルという爺さま。今回の依頼のターゲットだ。
依頼主はビルの女房で、画廊サロンを経営しているガラ声の持ち主、ドロレスのオー・アニー・ゴー(大姐御)。依頼の内容は、いつまで経っても西部時代のお宝探しを止めることのない亭主を連れ戻すことだ。ビルは西部史の編纂者として名高い男だが、加えて糸の切れた凧の様な男なのだ。そしてビルは、西部時代の大ギャングが残したまま、杳として行方の判らない伝説のお宝の場所を記した手紙を手に入れたと言い出す。

そんな始まり方をした物語は、てっきり宝探しをキーにして紡がれると思いきや、偶然を重ね重ねてそんな予想からはまったく逸脱していく。
宝を狙った末に不幸な目に遭う不動産屋、粗暴なメキシコ人の山賊野郎コンビ、危険を顧みず環境保護を訴える夫婦の活動家、信条を貫く頼れる男であり、メキシコとアメリカの国境間の橋渡しをする愛すべき"運送屋"、産業廃棄物業の大企業、日本のバイオマス企業の副社長、FBIの捜査官など・・・、多くの登場人物を加えていきながら、物語は膨らみを増して展開していく。
だが、クドーの目的はシンプルだ。宝探し騒動の渦中で行方が判らなくなったビル爺さんを探し出すことだった。

前作の終わりに本来の性分を取り戻したクドーである。退廃したムードは鳴りを潜め、むしろ歳は重ねていても精力的ですらある。前作ではロードストーリーの同行者の様な印象であったが、本作では、目の前の障害を払い除けながら、謎に迫り続け紐解いていく。そして、またも幾度も死に目に遭いながらも本懐を遂げるまで諦めることはない。
クドーが何故どこまでも使命を果たそうとするのかについては、一旦受けた仕事は最後まで遂行するというハードボイルドの鉄則の所為ばかりではない。ビルやドロレスなど、結局は好意を寄せた人物たちの役に立ちたいという、極めてシンプルな欲求の為せる業だ。クドーのそんな行動を裏付ける、魅力的な登場人物たちの描写も見逃してはならない。
そして、我らがクドーは日系アメリカ人の美女と幸せな再会を果たせるのだろうか?

小鷹信光オリジナル小説もこれが最終章である。今後、工藤俊作の物語を読めることは二度と叶わない。何故ならば著者は2015年12月8日に膵臓癌によりこの世を去ってしまった。
工藤俊作を演じた俳優 松田優作同様にその生命を奪った癌という病の存在を私が憎んだとしても、恐らく非難されることはあるまい。

 

 

【書評】筋肉人Testosteroneのメンタルヘルス本『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

f:id:SyohyouBlog:20200625194648j:plain

 フォロワー100万人越えのTestosteroneさんが、精神科医の岡先生とタッグを組み、筋肉ではなく、メンタルヘルスについて書いた本。Testosteroneさんに寄せられる数々の精神的な相談が、本書のきっかけである。

 全体的に面白いのは、岡先生の科学的な説明に対して、Testosteroneさんが芸人のように筋肉トークで返すところ。本書内での立ち位置は、筋肉芸人。筋肉ネタありすぎです。

 具体的な内容としては、前半は予防のための生活習慣、後半は精神疾患の例と付き合い方を書いている。

 前半の予防については、食事・睡眠・運動の3代基礎の重要性を語っている。

 最も心に残っているのは、睡眠の章だ。「7時間睡眠を死守」「残りの17時間を1日と考える」という部分。

 私は睡眠の質や健康のために、毎日運動をしている。しかし、それをするために睡眠時間が短くなることがある。本書読了後、」睡眠時間7,8時間を死守し、時間があれば運動する」、という実験を始めた。この実験で調子が良くなるか。

 後半は、精神疾患の例が漫画とともに描かれている。異質な行動、空気が読めない、拒食などいろいろあるが、私も一つだけ見た光景がある。手洗いを頻繁にする方だ。

 ちょっとおかしな行動をする人には、たまに出会うが、偏見なく受け入れたいと思った。そのような行動を、したくてしているわけではないこともあるからだ。精神疾患の原因が過去のトラウマ、というパターンも多い。

 Testosteroneさんが、岡さんとの対談を通して伝えたいことは、「地球上の人はみんな幸せになる権利がある」ということだと強く感じた。多様性を受け入れて、人に優しく、そして、自分にも優しくしていきたい。

 

 

【書評】男性こそが知るべきこと『女性ホルモンは賢い』

f:id:SyohyouBlog:20200620171155j:plain

「生理だから、ごめんね」この言葉を日常生活で数回聞いたことがあると思います。例えばカップルで喧嘩して仲直りをするときに「ごめん、生理が近くてイライラしてたの」という状況です。男性からしてみると「生理って大変だな、お腹痛くなるんだ。」、「何か買ってこようか?」などと気を遣っては相手の機嫌を損ねるのが常です。

 そんな“アンタッチャブル”な問題に関して私たちはどのくらい理解しているでしょう。そして“女性ホルモン”は女性の行動や選択にどのくらい影響しているのでしょうか。女性ホルモンに対する正しい知識は人生のどの段階でも最良の決断ができることに繋がります。「女性は気分屋」と勘違いしている人がいるならば、本書はその人のために書かれたものです。

 女性はホルモン周期に導かれて生活しています。ホルモンからの指令の源と働きをよく理解すればするほど喜びの多い人生になることでしょう。見当違いのホルモンのステレオタイプに影響を受けてはいけません。そして女性は決して“めちゃくちゃな気分屋”では無いことを本書で理解してください。モテますよ。

 

 

【書評】予防isKING!やっぱり大事なのは生活習慣 『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

f:id:SyohyouBlog:20200624170157j:plain

 

表紙を開くと、ブックカバーに大きく書かれた文字が目に飛び込む。
ーーーーーーー
睡眠不足
栄養不足
運動不足

世の中の三大害悪ですから覚えておいてください。
ーーーーーーー

どれも私が疎かにしている生活習慣だ。
睡眠時間は日によって違うし、作業に没頭していると食欲を忘れご飯を食べないときがあるし、運動は子どもと公園で遊ぶくらい。

この生活習慣がメンタルに悪影響を及ぼすことは薄々わかってはいたが、改めて本書で指摘され襟を正す思いに至った。

本書は一つ一つの言葉の選び方にパワーがある。

「永遠に生きると思って食事を管理しろ」
「睡眠時間を死ぬ気で確保しろ」
「悪いことは言わないからとりあえず運動しろ」

さすが、Twitterのフォロワー110万人を超え、ひとつのつぶやきに数千〜万単位のいいねがつくTestosterone(テストステロン)氏だ。

もっともコストパフォマンスが高いのは、治療ではなく予防。
最高の予防は食事・睡眠・運動の生活習慣。

我が子には「何でも食べて、たくさん遊んで、ぐっすり眠ると元気に大きくなるよ」と常日頃伝えている。
私自身の生活習慣はさておき、子どもたちの精神的な安定を育む方法として間違ってはいないようだ。

信憑性の疑わしい「〇〇には☓☓が効く」といった情報が溢れる中、本書で紹介しているエビデンスは信頼度を数値化して提示しているのも素晴らしい。
スポンサー企業が欲しいエビデンスを作為的に作り出す研究もあるので、エビデンスは「ある」「なし」ではなく「強い」「弱い」の軸で評価するという考え方である。

第2部では適応障害うつ病など7種類のメンタルヘルスの問題を漫画を挿入し解説している。
登場人物の描写が具体的で、それぞれの症状が引き起こされる環境や状況がよくわかる。
心に不調をきたすと、自分自身を責めがちになる。しかし、正しい知識を備えることで早めに客観的な判断や対処の仕方を教わることができる。

心身ともに健康でいたい人に適した本である。

 

 

【書評】このままでは、この国も東京も終わる。『東京改造計画』

f:id:SyohyouBlog:20200624074945j:plain



現職都知事の女帝様はこの四年間なにをしていたのだろうかと、改めて思わずにはいられない。そんな出だしで始まるこの著書は、東京都への37項目の緊急提言を綴る。

全ての提言が、諸手を挙げての是であるとまでは言わないが、東京都というものが本来持ち合わせているパフォーマンスを、勿体なくも発揮出来ないでいることや、いかに省くべき「無駄」が数多く存在しているのかなどを教えてくれる。
そして、「満員電車は高くする」「切符も改札機もなくす」「現金使用禁止令」など、事なかれ主義の政治屋稼業の面々には、とても論ずることの出来ない提言は実に興味をそそる。
改革の要諦は、「一気に実行する事」なのだ。例外があってはならない。

また、個人的には「築地・豊洲市場改革案」「築地市場跡地のブランド化」「人生100年時代のコミュニティ」「都民限定の無料オンラインサロン」辺りに特に共感を感じる。
マスコミや世論におもねることなく、強いリーダーシップを発揮し続ける(続けることが肝心だ)ことの出来る真の長の出現と、提言実現へのチャレンジを望むところだ。

前回の選挙に於ける公約そっちのけ。いきなり築地から豊洲への移転にストップをかけ、何ヶ月もの間、市場関係者を混乱させ続け、多額の調査費用を掛けた挙句、結局は移転を実施という全くバカバカしい事態を招く。
そして、新型コロナウイルス問題では、専門委員会のいいなりの策の数々と、「ウィズコロナ」やら「東京アラート」などの訳の分からないキャッチフレーズを連発し、無能ぶりを撒き散らかした女帝様にはこの際退場願おう。
特に、食の流通関係者、飲食店、イベント関連、パチンコ屋さん、その他の根拠の薄い、若しくは理不尽な自粛被害を受けた皆さんなどは、この際大いに異を唱えるべきではないだろうか。

 

東京改造計画 (NewsPicks Book)

東京改造計画 (NewsPicks Book)

 

 

【書評】考えることも、行動することもできないブタは死ね『狼たちへの伝言』

f:id:SyohyouBlog:20200620170909j:plain

 今をときめく落合陽一のお父さんの人生論。ぶっ飛んでます。冒頭の言葉は作中から抜粋。

“就職に失敗して泣く泣く東大に行った兄を見て、日本に失望。アメリカ留学したいと大使館に直訴。ただし旅費はなく山下公園にテントを貼り外国船に営業。

 空手でアメリカ人とのケンカに勝利し、白人にモテまくる。
新卒で入社したゼロックスを2時間で退社。オイルビジネスに成功。ナイジェリアの油田候補地の視察時には高度を下げさせるため、パイロットに銃を突きつける(地上より対空砲火あり)”

 現代人はどうか?殺されるわけでもないのに失敗を恐れ、真実を言わない。ひょっとしたら生きることは空気を吸うことか何かと勘違いしているんじゃないのか。

 人間の幸福は力量の発揮であって、酔生夢死が安楽ではない。ホリエモンや箕輪厚介のように、3歳児レースを勝ち抜きバカになって飛べ!

 現状に満足していない熱い人におすすめです。

 

狼たちへの伝言

狼たちへの伝言

 

 

【書評】日本を変えることができるのは、誰なのか?『東京改造計画(終章)~今こそ、明るい未来のために、立ち上がろう~』

f:id:SyohyouBlog:20200623185120j:plain
本書の最後は、終章として新しい東京を作るために、人々が声をあげることの重要性について書かれている。

この四年間、現東京都知事による公約は実現されなかった。これからの未来、日本はこのままでいいのだろうか。そう疑問に思う多くの人々が東京都知事選挙へ立候補した。

本書に書かれているような提言が実現すれば、間違いなく明るい未来はやってくる。しかし、今の日本の政治をみてみれば、実現するのは簡単なことではないだろう。

日本の未来は、首相はもちろんだが、東京都知事にもかかっている。東京都民ではないから関係ないという人がいるが、それは間違いだ。東京都知事の判断は、都道府県すべてに影響を及ぼすほどの力を持っている。

評者が勤めるビジネススクールは、国の受託事業を行っているため、今回の騒動では自粛要請とは言うものの、ほぼ強制であった。

また、自粛や期間延長に伴い、売上には一切繋がらないクレーム処理や度重なる無駄な仕事が激増し、交代勤務や時差出勤はあったものの、いつもとは違った忙しさに追われた。

しかし、このような騒動は、今回限りではない。人類がこの地球上で生きている限り終わりはないだろう。再びこのような状況が繰り返された時、また自粛をするつもりなのだろうか。

いつまでも怖がり、周りの反応に流されていては何もできない。日本のことを真に考え、どんな中傷をも恐れず、きちんと行動で示してくれる人が東京都知事になれば、間違いなく日本に変化をもたらすことができるだろう。

東京都民はどんな判断を下すのか、また東京都を実際に改造することはできるのか、目が離せない状況がついに始まった。

 

東京改造計画 (NewsPicks Book)

東京改造計画 (NewsPicks Book)

 

 

【書評】日本を変えることができるのは、誰なのか?『東京改造計画(終章)~今こそ、明るい未来のために、立ち上がろう~』

f:id:SyohyouBlog:20200623185120j:plain
本書の最後は、終章として新しい東京を作るために、人々が声をあげることの重要性について書かれている。

この四年間、現東京都知事による公約は実現されなかった。これからの未来、日本はこのままでいいのだろうか。そう疑問に思う多くの人々が東京都知事選挙へ立候補した。

本書に書かれているような提言が実現すれば、間違いなく明るい未来はやってくる。しかし、今の日本の政治をみてみれば、実現するのは簡単なことではないだろう。

日本の未来は、首相はもちろんだが、東京都知事にもかかっている。東京都民ではないから関係ないという人がいるが、それは間違いだ。東京都知事の判断は、都道府県すべてに影響を及ぼすほどの力を持っている。

評者が勤めるビジネススクールは、国の受託事業を行っているため、今回の騒動では自粛要請とは言うものの、ほぼ強制であった。

また、自粛や期間延長に伴い、売上には一切繋がらないクレーム処理や度重なる無駄な仕事が激増し、交代勤務や時差出勤はあったものの、いつもとは違った忙しさに追われた。

しかし、このような騒動は、今回限りではない。人類がこの地球上で生きている限り終わりはないだろう。再びこのような状況が繰り返された時、また自粛をするつもりなのだろうか。

いつまでも怖がり、周りの反応に流されていては何もできない。日本のことを真に考え、どんな中傷をも恐れず、きちんと行動で示してくれる人が東京都知事になれば、間違いなく日本に変化をもたらすことができるだろう。

東京都民はどんな判断を下すのか、また東京都を実際に改造することはできるのか、目が離せない状況がついに始まった。

 

東京改造計画 (NewsPicks Book)

東京改造計画 (NewsPicks Book)

 

 

【書評】最低限知っておきたい、メンタルヘルスの予防医療 『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

f:id:SyohyouBlog:20200623184637j:plain

人生においてメンタルを安定させることは必要不可欠だ。全ての土台と言っても過言ではない。
この本は、そのメンタルをポジティブな状態に安定させ、かつ不調に陥らせない、近年話題の予防医療の側面が強い。

言うまでもなく予防は治療よりも圧倒的にパフォーマンスが高い。メンタルで悩むことは誰にでもある。
そのため、現在はメンタルに問題は無いが予防したい方、また最近なんだか調子が良くないなという方、もしくは身近にそういう方がいらっしゃる方に是非読んでいただきたい。

前半は食事、睡眠、そして運動の観点からエビデンスがしっかりしたものが紹介されている。また後半では、メンタルヘルスの基礎知識として、うつ病を始め不安症やアルコール依存症など陥りやすい7つの症状がわかりやすく紹介されている。

前半に紹介された予防のための行動を取りつつ、それでも体調が優れないときは、後半に紹介された症状に当てはまらないか確認するという使い方が良いだろう。
もし当てはまった場合は、精神科医がしっかりと受診の基準を示しているのでそれを目安とし、受診や専門書を手に取るなど次のステップへ進むことが出来る。
たとえ不調に陥ったとしても、比較的初期の段階で、いち早く芽をつめるようになるのだ。

巻末には精神科で処方される薬の代表例や、どうしても辛くなったときに頼れる機関のまとめられている。
不調に陥ってから慌てて頼れる機関を闇雲に調べ始めなくてよいのは本当に心強く、まさに手元においておきたい一冊だ。

メンタルヘルスを予防し、いざという時のために、一般常識として知っておきたい基礎知識の入門として、是非読んでおきたい。

実はこの本、特徴がもう一つある。
それは読んでいてなんだか元気が湧いてくるのだ。

著者のTestosterone氏はTwitterのフォロワーは優に100万人を超え、Tweetが話題になるなどご存じの方も多いだろう。その喋り口調が全面に出ており、読んでいて素直に楽しく前向きになれる。
一方、共著者である精神科医の岡琢哉先生はエビデンスに基づき平易な言葉で説明し、専門家とはこんなににも頼りになる存在かと改めて感じることであろう。精神科に漠然としたイメージしか持っていない方は、大きく敷居が下がるに違いない。

そして後半、事例紹介では様々な不調を抱えた人々が漫画で登場するのだが、そのイラストにも注目して欲しい。最後に見開きページの使い、登場した人々が適切なサポートを受けた結果、どうなったのか描かれている。一つ一つのイラストを見ていたらなんだかとても深く心を動かされてしまった。

適切なバックアップの後には、より豊かな人生が待っている。
まるで本全体がそう語りかけているようだった。
そして、あなたは決して一人ではない、とも。
そう感じられることこそ最も大切なことではないだろうか。

 

 

【書評】天才は、才能と不遇によって開花する。 『我が闘争』

f:id:SyohyouBlog:20200620170703j:plain

 熱と汗くささが伝わってくる『ゼロ』より濃いホリエモン自伝。
恐らく、ホリエモンは母親似だ。

 小学生時代より、頭脳の優秀さが際立っていたホリエモン
百科事典をむさぼり読んで知識欲を満たし、ゲームのプログラミングそのものに興味を持つ。並の子供ならせいぜいプレーに熱中するのが関の山。普通ではない。
 
 つまり、幼少期から、高い知的好奇心と強いシステム化志向を備えていた彼は、大人になった今もそれを発信し、具現化し続けている。
 
 この才能に、恵まれない環境という最強要素が加わった。
ホリエモン氏、前田裕二氏、杉本宏之氏、落合信彦氏、五箇公一氏、野口英世,ナポレオン etc・・・
 
 これらの偉人は幼少期に親を亡くしたり、イジメにあったり、大きな挫折をしている。

 どうやら若いうちの挫折とは、己の中に大量のマグマを発生させ、それが世の中を変える原動力となる。満たされた人間が世の中を変えようなどとは思うわけがない。

 本書は決して恵まれた環境にない野心家におすすめである。

 

我が闘争 (幻冬舎文庫)

我が闘争 (幻冬舎文庫)