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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】最低限知っておきたい、メンタルヘルスの予防医療 『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

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人生においてメンタルを安定させることは必要不可欠だ。全ての土台と言っても過言ではない。
この本は、そのメンタルをポジティブな状態に安定させ、かつ不調に陥らせない、近年話題の予防医療の側面が強い。

言うまでもなく予防は治療よりも圧倒的にパフォーマンスが高い。メンタルで悩むことは誰にでもある。
そのため、現在はメンタルに問題は無いが予防したい方、また最近なんだか調子が良くないなという方、もしくは身近にそういう方がいらっしゃる方に是非読んでいただきたい。

前半は食事、睡眠、そして運動の観点からエビデンスがしっかりしたものが紹介されている。また後半では、メンタルヘルスの基礎知識として、うつ病を始め不安症やアルコール依存症など陥りやすい7つの症状がわかりやすく紹介されている。

前半に紹介された予防のための行動を取りつつ、それでも体調が優れないときは、後半に紹介された症状に当てはまらないか確認するという使い方が良いだろう。
もし当てはまった場合は、精神科医がしっかりと受診の基準を示しているのでそれを目安とし、受診や専門書を手に取るなど次のステップへ進むことが出来る。
たとえ不調に陥ったとしても、比較的初期の段階で、いち早く芽をつめるようになるのだ。

巻末には精神科で処方される薬の代表例や、どうしても辛くなったときに頼れる機関のまとめられている。
不調に陥ってから慌てて頼れる機関を闇雲に調べ始めなくてよいのは本当に心強く、まさに手元においておきたい一冊だ。

メンタルヘルスを予防し、いざという時のために、一般常識として知っておきたい基礎知識の入門として、是非読んでおきたい。

実はこの本、特徴がもう一つある。
それは読んでいてなんだか元気が湧いてくるのだ。

著者のTestosterone氏はTwitterのフォロワーは優に100万人を超え、Tweetが話題になるなどご存じの方も多いだろう。その喋り口調が全面に出ており、読んでいて素直に楽しく前向きになれる。
一方、共著者である精神科医の岡琢哉先生はエビデンスに基づき平易な言葉で説明し、専門家とはこんなににも頼りになる存在かと改めて感じることであろう。精神科に漠然としたイメージしか持っていない方は、大きく敷居が下がるに違いない。

そして後半、事例紹介では様々な不調を抱えた人々が漫画で登場するのだが、そのイラストにも注目して欲しい。最後に見開きページの使い、登場した人々が適切なサポートを受けた結果、どうなったのか描かれている。一つ一つのイラストを見ていたらなんだかとても深く心を動かされてしまった。

適切なバックアップの後には、より豊かな人生が待っている。
まるで本全体がそう語りかけているようだった。
そして、あなたは決して一人ではない、とも。
そう感じられることこそ最も大切なことではないだろうか。