本書の最後は、終章として新しい東京を作るために、人々が声をあげることの重要性について書かれている。
この四年間、現東京都知事による公約は実現されなかった。これからの未来、日本はこのままでいいのだろうか。そう疑問に思う多くの人々が東京都知事選挙へ立候補した。
本書に書かれているような提言が実現すれば、間違いなく明るい未来はやってくる。しかし、今の日本の政治をみてみれば、実現するのは簡単なことではないだろう。
日本の未来は、首相はもちろんだが、東京都知事にもかかっている。東京都民ではないから関係ないという人がいるが、それは間違いだ。東京都知事の判断は、都道府県すべてに影響を及ぼすほどの力を持っている。
評者が勤めるビジネススクールは、国の受託事業を行っているため、今回の騒動では自粛要請とは言うものの、ほぼ強制であった。
また、自粛や期間延長に伴い、売上には一切繋がらないクレーム処理や度重なる無駄な仕事が激増し、交代勤務や時差出勤はあったものの、いつもとは違った忙しさに追われた。
しかし、このような騒動は、今回限りではない。人類がこの地球上で生きている限り終わりはないだろう。再びこのような状況が繰り返された時、また自粛をするつもりなのだろうか。
いつまでも怖がり、周りの反応に流されていては何もできない。日本のことを真に考え、どんな中傷をも恐れず、きちんと行動で示してくれる人が東京都知事になれば、間違いなく日本に変化をもたらすことができるだろう。
東京都民はどんな判断を下すのか、また東京都を実際に改造することはできるのか、目が離せない状況がついに始まった。