HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】無謀な夢に挑戦することじたいに価値がある『ハッタリの流儀~ソーシャル時代の新貨幣である「影響力」と「信用」を集める方法~』

発売前より本書を非常に楽しみにしていた。なんといっても本書の表紙になっている著者のお面は、とてもリアルでインパクトがある。このお面を見たときに、映画『トータルリコール』を思い出した。

映画の中では、主人公の顔が突然剥ぎ取られ、そこに悪役の顔が登場する。当時はそのシーンが非常にリアルで印象的だったが、今思えばそれは単にCGにより作られたのだろう。しかし、この著者のお面を初めて目にしたときは、映画の中の世界がついに現実の世界にあらわれたと心底思い、驚きを隠せなかった。

本書では、主にハッタリを使った成功術が書かれているが、その一つに手に負えないことでも「できる」と言える人だけがチャンスをつかむとある。そして「できる」といったあとに裏で強引に辻褄を合わせるのだという。それは「努力する」ということだ。

著者のハッタリの経験は、大学を中退し、起業する前のアルバイトの時から始まっていたそうだ。すべてはできるかどうかよりも「やりたい」という直感に従うのだという。人から何を言われたとしてもそれを現在まで継続している著者は凄いと思う。

さらに、これからの時代は、実力よりもハッタリを使い「こうあるべき」という世間一般の常識を捨てて、「無謀な夢に挑戦することじたいに価値がある」そうだ。そういった挑戦を続けることにより、それがまた新たなチャンスへと繋がっていく。

また、ハッタリ人間の共通点は「やったことはないけれど、きっと自分だったらできるはず」という根拠のない自信を持つことだそうだ。それは自分にたいしてのハッタリだという。物事はすべて自分の捉え方次第。物事が上手くいかず、失敗したと思うことでも、それは失敗ではなく、次への一歩を進められたと捉えればいいのだ。

著者は仕事でも遊びでも、やると決めたら、そこに打ち込む姿勢や情熱は人一倍強く、熱いものを持ち合わせていると思う。例えそれが不得意なことであったとしても、物事に一生懸命に挑戦する著者の姿は、とても好感が持てる。

また、一見物事がうまくいかないような状況になったとしても、そして、どんな苦労があっても諦めずに、方法を変えて挑戦し継続していくことは、非常に凄いことだ。

このようなことができる人は、なかなかいない。世間を気にする日本人では皆無だろう。著者の仕事や遊びを通しての生き様は、日本人ではなかなかいない面白い人だと感じる。そして自分に正直に生きることを何よりも大事にしているのだと思う。

そこは、評者も見習うべきところだ。本書を読み、ハッタリを使い、自信満々に新たなことに挑戦してみると、そこには、面白いことが待ち受けているだろう。

【書評】読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人をを確かにする 『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』

本書は死期を悟った父が子供のために書いた手紙である。学生生活、結婚、起業、経営人生の考えられうる悩みに対するノウハウをまとめた手紙。それが本書である。

父はやり手のビジネスマンであり、人生で色んな問題にぶち当たり、乗り越えてきた。それは人類が昔から乗り越えてきた悩み。財産や事業を残すのではなくて、子供にその悩みを乗り越えるためのノウハウを残したいと考えた。

例えばお金の使い方。お金の使い方は二種類。未来への投資か、楽しむため。やってはいけない使い方は、人に好印象を与えるための使い方。

勉強も仕事も勤勉であることが重要。それは坂道の車だという。常に登り続けないと上にはいけない、気を緩めると下に落ちてしまうし、気を緩めるならば緩め方を考えなくてはならない。

他にも、結婚相手の選び方、友情の手入れの仕方、成功した時、失敗した時の振る舞いなど人生でのノウハウが詰まっている。そして、父によると人生とは挑戦するためにある。

本書はすべての人にオススメの本だ。そして、読み捨てするようなものではなく、時折、振り返り読み返すための本だ。本書はすべての人の人生の助けになるだろう。

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

【書評】ジャズは感情の音楽。うれしくても悲しくても、どんな気持ちも音に込められる『BLUE GIANT(1)』

バスケットボールに夢中になっていた学生時代。そんなとき初めて聞いたジャズに心を打たれ、自己流でサックスを始めた主人公。ジャズに魅せられ、毎日毎日、たとえ雨の日であってもサックスを練習する。

しかし、高校卒業を目前に、自分の将来を考え、楽器店のオーナーへ突如として質問し驚かせた。「ジャズプレーヤーには、どうしたらなれるのか?」なぜなら主人公は楽譜さえ読むことができなかったのだ。

自分の気持ちにまっすぐな主人公に、人々は共感し、初ライブが決まった。しかし、そこでは満足のいく結果をだせるものではなかった。仙台に住む高校生が、世界一のジャズプレーヤーを目指す物語。

評者は、音楽との関わりはまったくといっていいほどなく、演奏できる楽器は何一つない。正直言って、小中学校で習った音楽のレベルでしかない。そのため、何かしらの楽器を演奏できる人を見ると、単純に「凄い」と感じる。

本書の内容は、未知の世界を垣間見たような面白い内容であった。本書は10巻まで続く物語であるが、その続編『BLUE GIANT SUPREME』では、主人公が単身ドイツへと渡る。主人公がどのようにして、ジャズプレーヤーになっていくのか、今後も見逃せない内容である。

【書評】夢や願望だけでは応援はされない『共感SNS』

「私は、ダサい界のトップになる」

SNSで共感されたり、つながりたくない人はいないのではないだろうか?

多くの人は、大義名分や社会性の旗をふるとついてきてもらえると思ってしまうが、それは大きな間違いだ。

ファンは自分の投稿の理由や想いに共感して初めて応援してくれるが、自分が思っているよりはるかにそれは伝わらない。

ゆうこすの凄さは、トライ&エラーを繰り返す鋼のメンタルとその分析力だ。

「スピードのずれを意識する」、「いいねとリツイーとの差」、「ググるよりタグる」、「トラブルは好きが増すチャンス」、「人脈は死ぬ気で作る」など、細部に至るまで細かく分析されている。

例えば、人に会う時にその人の著作は読んでいくでしょう?

ところが、ゆうこすは堀江さんと初めて会う時には生配信をした。
理由は、その方が堀江さんが面白がると思ったから。

本当に考えないと思いつくことはないアイディアがこの本には満載されている。

どなたにも楽しめること請け合いだ。

共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る

共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る

【書評】やらなかった後悔で満たされないために 『自分のことだけ考える。無駄なものにふりまわされないメンタル術』

自分のことだけ考えて生きていますか。他人の顔色を窺ってストレスを溜め込んでいませんか。本書は他人を気にした人生を送ることの無意味さを説き、一人でも多くの人が幸せに過ごせるように語りかけている。

重要なことは自分が何をするのか、それによって何が変わるのかだ。自分の為すべきことに信念があるのであば、他人の悪口は気にしなくていい。その信念が客観的に正しいのか間違っているのかどうかも重要ではない。大事なのは、まずは自分中心に考えることだ。

理解されたいなんて思わない。周囲との軋轢を避けたところで誰かが褒めてくれるわけではないし、精神衛生上も悪い。私も他人の顔色を窺って行動することが少なからずある。そしてその時間が終わった時に物凄いストレスを感じている自分に気づく。そんな気持ちになるぐらいだったら仲良しごっこなんてやめて、さあ炎上しようか。

著者の堀江貴文氏はこれまでも『本音で生きる』、『好きなことだけで生きていく』など他人を気にせずに行動することの大切さを伝える本を多く書いている。本書はその中でもメンタルを変えることに特化した内容だ。

私自身、メンタルが強い方ではないためこの本の言葉が身に染みて時々読み返す。無駄な気遣いなどせず、自分のことだけ考えて生きていこう。他人の期待を満たすために生きているうちは、自分の人生を謳歌することができない。

【書評】部下と一緒に飲み屋で愚痴っていいのは係長まで『はじめての課長の教科書』

本書は世界初の中間管理職の入門書だ。世界中で従業員のための本、経営者のための本の良書はよくあるが、日本の組織では中間管理職が非常に重要となる。

課長はなぜ最も大変で、重要となるか?。まず1つ目は優秀でない部下の世話をする唯一のポジションだからである。部長になると部下は課長であり優秀な人が集まる。一方で、課長の部下は新入社員から、年配まで、優秀な人から優秀でない人まで、一人一人マネジメントの仕方が異なる。

また、課長というのは情報が最も多いポジションでもある。部下からの情報、上司からの情報がともによく集まる。そのため、上下にその多い情報をどう翻訳して伝えるかがポイントとなり、非常に大変だ。

本書ではそんな大変な課長のための泥臭いノウハウをまとめたものである。部下の悪いことは報告せず部下を守る。予算は最悪のシナリオを描いて作成する。などの話から部下が病んだらどうするか、部下が会社を辞めたいと行ってきたらどうするか、外国人の部下は、、などという、リアルな悩みへの解答もある。

本書は『はじめての課長の教科書』というタイトルではあるが、若手社員にこそオススメだ。課長にはどういうスキルが必要か、日本の会社はどういう仕組みで動いているかがわかるだろう。米国のビジネス書ばかり注目されがちだが、日本のビジネス書ゆこそ日本の組織で役に立つことが書いてある。

新版 はじめての課長の教科書

新版 はじめての課長の教科書

【書評】株って簡単だし、楽しいじゃん! 『めざせ「億り人」! マンガでわかる最強の株入門』

仕事をクビになった女の子が株に興味を持ち、億を稼ぐトレーダーになることを目指して頑張る物語。マンガの合間に株取引の説明が入り図解も多く、理解しやすい構成となっている。著者の安垣理氏は自身の20年以上の株式投資の経験から本書以外にも入門書を多く執筆している。

まず衝撃だったのは株の売買金額は必ずしも決まっていないということ。それまで私は、株価はその時点においては一定の金額だと思っていた。例えば午前中には1000円で買えた株が、株価変動により午後には1050円でしか買えないというようなものだと捉えていた。しかし、指値注文という自分で売買金額を指定できる方法があることが分かり、自分で売買金額を決められるなんて面白いなと興味が加速していった。

ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析、板情報、決算短信、PER、PBR、ROE・・・。前言撤回!理解できないじゃないか。分析方法がたくさん載っているが株取引をしたことがないと実感できない。私はここで本を閉じ、株取引を始めてみることにした。実際に取引を行う中で損も得も経験したが、それまでと比べて経済ニュースがより鮮明に頭に入ってくるようになった。

私は株取引を始めてはや一年になる。今でも分析方法について全て理解できているわけではない。それでも、他の入門書に比べればマンガが萌えテイストなこともあり、読みやすい。株に興味を持っているけど踏み出せない人、本書を読んで株の世界へ踏み出そう。やってみて分かる世界がそこにある。

マンガでわかる最強の株入門

マンガでわかる最強の株入門

【書評】あなたも頼ってみる?『「おっさんレンタル」日記 』 

「おっさんの地位向上!」のために僕はおっさんレンタルを始めた。
きっかけは電車内で聞こえた女子高生のありふれた会話だった。「おっさんてすぐ説教するし、嫌なんだけど。見た目もイケてないし。」よくよく聞くと話しているのは学校の先生のことのようだが、ここで一つ思いあたることが。。。

僕ってもう「おっさん」じゃ無いのか?イヤイヤおっさんだってみんなの役に立てる!。それなら僕がおっさんのいいところ見せたろ!。そう奮起して始めたのはおっさんレンタル!?。

レンタルされる日々で「おっさんの地位向上」という目標は達成できたのか?。はたまた、自己満足だけで終わっているのだろうか?悩みもがき試行錯誤しながら前に進むおっさんの人生日記。

おっさんレンタルとは?
①レンタルしたい人がホームページから注文
②メールなどで会う日時などをやり取りする
③実際に依頼人にあって「レンタル内容」をこなす
④1時間が過ぎた段階で終了(延長も可) ※1時間:1000円

依頼内容は服選び、職場や友人関係の悩み、恋愛相談など多種多様。中でもダントツで多いのは「話をきいてほしい」というもの。身近な人には相談しにくいことでも、赤の他人になら気にせず話せることもあります。何でも屋をうたっていても肉体労働の依頼は来ないみたいです笑。

作者が受けた依頼内容の中で私のココロに一番刺さった話を紹介します。
「医者を目指すIさんの夢」
Iさんは両親が医者であるため、自分もなんとなく医学部に進学したが、人生が全然面白くないことに悩んでいた。若い人に夢を与えたいと考えた作者の西本さんは懸命に励ますが、彼女の心には響いていない様子。Iさんのネガティブ発言が医者という存在を馬鹿にしているように思えて西本さんはついには激怒した。しかし、それこそが彼女が求めていたことだったのである。両親にも怒られたことがないIさんは、弱気になった自分を誰かにしかってほしかったのです。
自分のことでもわからないことはたくさんあります。誰かに相談することで自分これまで
見つからなかった答えが見つかるかもしれません。

おっさん日本代表を自称する作者の西本貴信さん。実はすごい人なんです!
22歳で渡米 映画やドラマのスタイリストとして活動開始。帰国後はファッションプロデューサーとしてブランドディレクション等に関わる。現在は百貨店スタイリスト、大手スタイリスト事務所等のエグゼクティブプロデューサーを歴任。普通のおっさんちゃうやん!思わずツッコミたくなるくらいハイスペックなおっさんでした笑。

お金をもらう意味が変わった瞬間、依頼の対価は1時間1000円。儲かりもしないレンタル活動。それでも続けるのは依頼人を応援することで自分も元気をもらえるから。レンタル代金とともに時折、「ありがとうございます」などのメッセージや手紙を頂く。それは不思議な感覚でそれまでの「仕事の対価=お金」であった価値観が変わった。

「人のために生きる」こんな自己表現ができる西本さんはやはりかっこいいおっさんだ。

「おっさんレンタル」日記

「おっさんレンタル」日記