「おっさんの地位向上!」のために僕はおっさんレンタルを始めた。
きっかけは電車内で聞こえた女子高生のありふれた会話だった。「おっさんてすぐ説教するし、嫌なんだけど。見た目もイケてないし。」よくよく聞くと話しているのは学校の先生のことのようだが、ここで一つ思いあたることが。。。
僕ってもう「おっさん」じゃ無いのか?イヤイヤおっさんだってみんなの役に立てる!。それなら僕がおっさんのいいところ見せたろ!。そう奮起して始めたのはおっさんレンタル!?。
レンタルされる日々で「おっさんの地位向上」という目標は達成できたのか?。はたまた、自己満足だけで終わっているのだろうか?悩みもがき試行錯誤しながら前に進むおっさんの人生日記。
おっさんレンタルとは?
①レンタルしたい人がホームページから注文
②メールなどで会う日時などをやり取りする
③実際に依頼人にあって「レンタル内容」をこなす
④1時間が過ぎた段階で終了(延長も可) ※1時間:1000円
依頼内容は服選び、職場や友人関係の悩み、恋愛相談など多種多様。中でもダントツで多いのは「話をきいてほしい」というもの。身近な人には相談しにくいことでも、赤の他人になら気にせず話せることもあります。何でも屋をうたっていても肉体労働の依頼は来ないみたいです笑。
作者が受けた依頼内容の中で私のココロに一番刺さった話を紹介します。
「医者を目指すIさんの夢」
Iさんは両親が医者であるため、自分もなんとなく医学部に進学したが、人生が全然面白くないことに悩んでいた。若い人に夢を与えたいと考えた作者の西本さんは懸命に励ますが、彼女の心には響いていない様子。Iさんのネガティブ発言が医者という存在を馬鹿にしているように思えて西本さんはついには激怒した。しかし、それこそが彼女が求めていたことだったのである。両親にも怒られたことがないIさんは、弱気になった自分を誰かにしかってほしかったのです。
自分のことでもわからないことはたくさんあります。誰かに相談することで自分これまで
見つからなかった答えが見つかるかもしれません。
おっさん日本代表を自称する作者の西本貴信さん。実はすごい人なんです!
22歳で渡米 映画やドラマのスタイリストとして活動開始。帰国後はファッションプロデューサーとしてブランドディレクション等に関わる。現在は百貨店スタイリスト、大手スタイリスト事務所等のエグゼクティブプロデューサーを歴任。普通のおっさんちゃうやん!思わずツッコミたくなるくらいハイスペックなおっさんでした笑。
お金をもらう意味が変わった瞬間、依頼の対価は1時間1000円。儲かりもしないレンタル活動。それでも続けるのは依頼人を応援することで自分も元気をもらえるから。レンタル代金とともに時折、「ありがとうございます」などのメッセージや手紙を頂く。それは不思議な感覚でそれまでの「仕事の対価=お金」であった価値観が変わった。
「人のために生きる」こんな自己表現ができる西本さんはやはりかっこいいおっさんだ。
- 作者: 西本貴信
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2014/12/19
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