NewsPicks初代編集長、佐々木紀彦さんの本。最近見城徹さんや箕輪厚介さんの本を読んだので、編集者繋がりで読んでみた。とはいえ編集者向けの本というわけではなく、どんな職種であろうと活かせるのが編集力だという話。
では編集力とは何かというと、「選ぶ」「つなぐ」「届ける」「深める」の4ステップから成る。素材を選び、発展的なものと繋げ、適切な時間軸で思想・真実を伝え、お客さんとの関係を深める。具体的な事例をNewsPicks、Netflix、ディズニー、WeWork(出版当時はまだ騒動になっていなかった)から紹介するという構成だ。
強く共感したのは、編集思考を鍛える方法である。編集思考の源は、教養、人脈、パワー(権力や権威)だという。それらを磨くため、古典を読み込むこと、歴史を血肉とすることが推奨されているのだ。以前どなたかのVoicyでも同じような話をされていた。新聞やニュースは読むな、フロー情報に流されるな。それより時代の洗礼を受けた古典を読め、と。古典というと岩波新書のお堅いイメージがあるが、光文社のシリーズは読みやすくリニューアルされているとのこと。
個人的にオススメしたいのは、佐々木紀彦さんがどんな人か気になっている人だ。よくHorie OneやNewsPicks企画のコンテンツに登壇される、メガネのオシャレな方である。物腰柔らかに見えるが、本書を読むと結構毒を持った方なのだと知った。まだまだ人間観察力が足りないなと反省する。
令和に生きるビジネスマンはもちろんのこと、佐々木さんが気になる人はぜひ読んでほしい。