HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】Happyな毎日を過ごすための『働くオトナ女子のためのゆるっと習慣 毎日のモヤモヤ プチストレスが すーっと消える』

 

働くオトナ女子が仕事場で抱えるモヤモヤ感や我慢、そしてその先にある「現実とはこんなもの」と夢や希望を持ていな諦めの境地。。。そんなダークサイドの感情に蓋をせずに働く上で生じる問題を”賢くゆるっと”かわしながら、ありのままの自分で、力を抜いてストレスフリーな毎日を手に入れるための”ゆるっと習慣”をまとめている本です。

メモ魔は今すぐ卒業!昔からなぜ人はメモを取ることで仕事をしている、仕事ができる、聞いている、理解できてると思うのか不思議でならなかった、無駄な作業なのにと心の中でつぶやいていた。。。メモを書いているうちに相手の話しを聞き逃してしまったり、話し手の本当に言いたいことを理解する機会を失ってしまったり、本質を見極めることができないのにと。忘れてしまうなら録音すればOK!ホワイトボードなどは写真を撮ればOK!本書ではそれをズバリ書いてある点が非常に面白かった。

100人に1人のスキルを目指さなくてもOK!
自分の好きなこと仕事にしてみたいのですが、好きだけど仕事としてやって行くには不十分かなと思っていたのですが、最初からプロ並みのスキルが必要ではなく、教えられる方も「有名なプロ」より「身近にいる、ちょっと得意な人」くらいの方が気軽で教わりやすかったり、現代では教え方も多様になりブログ、SNS、動画、オンラインサロンなど発信方法はいくらでもある、だから好きで稼ぐはそんなに難しくないと気づかせてくれた点が面白かったです。

毎日、なんだか楽しくないな〜と思っている働くオトナ女子におすすめ本書、著者は毎日2時間働くだけで十分な収入を得ているが、そんな著者もかつては普通に働くオトナ女子の会社員、だからこそ”働くオトナ女子”に響く言葉が満載です。装丁も”働くオトナ女子”の心掴む可愛いです。

私も会社員をすっぱり辞め、好きな時に、好きな人と、好きな場所で働いて、大好きな旅に自由に出れる。
著者のような生き方をしようと改めて決意しました!!

 

 

【書評】みんなの違いを活かすというアプローチを。『人間関係でストレスを感じたら読む本-自分と相手の「行動特性」を科学的に知れば、人付き合いはぐっとラクになる』

 

人はみんな一人ひとり違っている。
そんなの当たり前と分かっていても、いざ人間関係やコミュニケーションに直面すると、つい忘れてしまう。そして問題が生じる。ストレスを生む。
お互いがコミュニケーションを見直すことはせずに、「なんであの人は分からないんだ」と悩み、怒る。
その根本原因は、人間には、自分が見たいように自分の周りの世界を見てしまう。自分が良いと思う価値観で相手を評価してしまうという特性があるためだと言う。
どうすればコミュニケーションが問題なく出来るようになるのか。それは、冒頭にも述べた、人は一人ひとり違っているということを再認識すること。つまり、同じ言葉、同じ事象であっても人によって受け取り方は全く異なる。どんなことに喜ぶか、怒るか、ストレスを感じるか、モチベーションが上がるか下がるか、それらは誰一人として同じではないと知ることであると著者は言う。
そのためのポイントは「人間関係の客観視」。それこそが人間関係やコミュニケーションの正解をなんでも教えてくれる「魔法の鏡」なのだそうだ。
本書では、人間関係の客観視が出来るようになる秘密道具を紹介する。
その秘密道具である『ビノレポ』とは?
どうやら単なるタイプ別診断や、評価ツールではないらしいが、無論、一言で言い表せるものでもない。
後は、是非本書を手にしてお確かめください。

私にも、こいつはなんでこんな考えをするのだろう? そこをそんな反応? と、まったくソリの合わない対人関係を味わったことはある。
理解は出来なくとも、否定はすることはない。まぁ、そういう捉え方もありますわねぇと思うしかない。
翻って、違いを感じることで己の人間性も浮き彫りとなってくる。
コミュニケーションのいろはのいは、自分自身を知ることから始まる。
どんな人間関係も無駄とはならないのだ。

 

 

 

【書評】相手の未来の姿を思い浮かべて高額商品を売るのは50年以上前から存在していた『禁断の説得術応酬話法ノーと言わせないテクニック』

 

著者でありAV監督でもあり1セット100万円もしていた英語の百科事典を売っていた村西とおる
彼が、どんな話し方で名女優からAV撮影に臨ませたり高級英語百科事典セットを売っていたかが、赤裸々と綴っております。
また、相手が質問に答えた時に相手を気持ちよくさせる簡単な魔法の言葉《さしすせそ》も記載されております。

▼応酬話法とは?
1セット100万円もする高級英語百科事典それも保証人付きの。
そんな高額商品を買えと言われたらほとんどの方々(当然僕自身も含まれます)は、以下のように答えて買わない反応を見せます。
・『高い』から買わない
・『必要ない』から買わない
・『今すぐ決められない』から買わない
・『同じ物を持っている』から買わない
・『お金がない』から買わない
と、大体この5項目に分けられます。
いずれの反応も、決して最初から否定はせず
『その通りです』
『おっしゃる通りです』
『間違いありません』
と、相手の言い分を真正面から受け止めるように肯定します。
それからやんわりと否定しながら、1セット100万円もする高級英語百科事典を手にした相手の未来の姿を話します。

『世界と張り合える程の英語力を身に付けれると考えたら、どれほどあなたがこれから先素晴らしい人生を歩まれるだろうかと想像するだけで興奮します。
一年後、英語を自由に話す力を身につけたあなたは、まだその時も、私に向かって《必要ない》などと言うのでしょうか?』

と一部抜粋しただけですが、真っ先に反論してしまうと、やはり相手の方は不機嫌になりがちになります。
別にこういうセールスマンを相手じゃなくても、日常会話においても相手の言い分を真っ先の否定してしまうと、お互い良い気分話すしません。
この書評を書いてる日も、僕は早速近所にいるコロナでビビってるおばちゃん相手に練習してきました。

▼相手を気持ちよくさせる魔法の言葉《さしすせそ》
・さすがですね
・しんじられない程素晴らしい
・すごいですね
・世界一ですね
・そんな事があるんですか
これらの枕詞を連ねる事で、相手は自分の事をわかってくれている肯定してくれたと感じ、自分に好意を持ってくれます。
まぁ、誰だって褒められて嫌な気起こす人は、なかなか居ないでしょう。
特に事業起こしている方なら尚更。

 

 

【書評】まわりに期待せず、自分が変わることから始める。『逆境起業~非エリートたちの“反撃"大作戦』

 

必ずしも起業を促すものではなく、起業とは手段である。
と言いつつ、実の本音は、起業こそが人生逆転の最高手段ではあるのですが・・・と言う著者は、きっと正直者に違いない。
まぁ、逆境なんて、どんな人にも起こるもの。なので、決して起業を志す人でなければ面白くない、役には立たないという様な本ではない。

23歳の誕生日に起業した著者。
社長でありながらアルバイトで資金繰りを回す。
若くして、「余計なプライドはいらない」と言えるのはなかなかやるもんだなぁ。
そして、全体を通して、まずやってみよう精神に溢れていて、やる気にさせられそう。
「人生の主役は、自分しかいない」
「超一歩から習慣づける行動が大切な一方、ゴールの夢は大きく描いていきましょう」
「僕たちは非エリートなんですから。どんどん大言壮語していきましょう」
「自分を第三者目線で見てみる」
「自分自身のサバイバル力をつける」
「未来を読む目を持つ」
「一日がひとつの人生」
各コンテンツは短めのあっさりめ、そして各話にまとめ文というより「追い込み文」とでも言うべき解説が付してある。読み易く、パパッと読了できるだけ、著者の考えもストレートに読者に届くのではないかと思う。

著者は、非エリートがどうあるべきかを書いている訳だが、世に出回っているビジネス書の中で広く読まれているのは、やはり松下幸之助であったり、本書の中でも取り上げられている稲盛和夫などの成功者と言われる大経営者の著書であると思う。
しかし、成功者達の言うことは案外基本的で至極まっとう、当たり前っちゃ当たり前な事柄が多く、なるほど納得はできるのだが、同じ様にやってみて上手くいくかと言うと、決してそうとは限らないと思える。
確かに、各々の創意工夫があっての上でのことではあろうが、運やタイミングというものが必要とされるのだ。
例えば、松下電器産業が、水道哲学に基づいた安価で良質な家電を大量に製造販売出来たのは、戦後の復興から高度成長期という時代の流れがあったからだ。
また、格安海外旅行で旅行業界に風穴を開けたエイチ・アイ・エスも、個人の海外旅行ニーズの高まりのタイミングに上手くビジネスをマッチさせたと言える。

では、運やタイミングを呼び寄せるコツとは何か?
「強く思うこと、願うこと、諦めないこと」
大経営者でも非エリートでも、これが共通項なのではないのだろうか。

 

 

逆境起業~非エリートたちの“反撃"大作戦

逆境起業~非エリートたちの“反撃"大作戦

  • 作者:由 まもる
  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】こんな日があるものだ。出っくわす人間がみんな一人前ではない。鏡で自分の顔を見直したくなる。『かわいい女』

 

レイモンド・チャンドラーの長編五作目である本書は、前作『湖中の女』から6年を経た1949年に世に出たものだ。
その間、著者はハリウッド映画に携わっていたという。
そこで得た経験を活かしたかったのか、それとも映画界のきらびやかな表面に隠された虚飾に満ちた内実を知り、嫌気が差したのだろうか。物語は、中盤からハリウッド映画界に関わっていくのだが、それまでの作品ではあまり見かけることのなかった性的な表現、描写が結構な割合で書かれている。

物語は、田舎町から出て来た垢抜けないオファメイ・クエストという娘が私立探偵フィリップ・マーロウを訪ね、一年前にベイ・シティに出た兄の行方が分からなくなったので探して欲しいと依頼するところから始まる。
最初からオファメイに不実なものを感じていながらも、依頼を受け、彼女の兄オリンの捜索を始めたマーロウは、様々な登場人物と出会う。
その中にはアル中もいれば、恐喝者もいれば、ハリウッド女優や医師、ギャングもいれば、お馴染みの警察も、そして勿論死人もいる。
これらの登場人物たちが絡み合い、意外にも複雑に物語は進行し、それだけ死体の数も増えていくのだった。

前作『湖中の女』が、第二次世界大戦中に書かれたものだった為か、ちょっと暗い雰囲気の作風だったのが、本作ではだいぶ派手さやワイルドさが目立ち、いかにもパルプ・マガジン的だ。ひょっとして、当時の流行りにでも関係しているのだろうか。
主人公のフィリップ・マーロウも、タフガイさを取り戻し、警官にも検事にもギャングにも屈せず、依頼人に不利になるならば法律までも無視するという、自分のルールに則り行動をしている。

また、タイトルに載せた様な軽妙な記述も数多い。
大体が、『かわいい女』という題名である。原題は『The Little Sister』、訳すれば『妹ちゃん』とでも言うところか。
しかし、勿論のこと、彼女は『かわいい女』ではあり得ない。

 

かわいい女 (創元推理文庫 131-2)

かわいい女 (創元推理文庫 131-2)

 

 

【書評】リアルなイスラム世界中東3か国を日独伊三国同盟が駆け抜ける『珍夜特急2 ―パキスタン•イラン•トルコ―』

 

ユーラシア大陸最西端を目指す筆者クロサワコウタロウが描くほぼノンフィクションの二巻目はなかなか身近に感じられない普段着のイスラム世界が覗ける。

国道以外はパキスタンの法律が及ばないテロ組織や反政府武装勢力が潜むトライバルエリアを恐れながらも大胆に走り抜いた著者は、アフガニスタンの国境と並行するバロチスタン砂漠を抜けてイラン、そしてトルコへと向かう。

筆者が旅をしていた1999年頃は、ちょうど私が海外旅行の楽しさに目覚めた年。その年に護衛のための銃も普通にバザールで売られているアフガニスタン国境近くのパキスタン州都クエッタや隣国でのビザ取得が困難な閉ざされた国イランを、途中で出会ったイタリア人ノッチとドイツ人シルビアで日独伊三国同盟を結成し、道中を野宿しながらバイクで駆け抜けていたなんて、無鉄砲ながらも果敢な姿に尊敬の念さえも覚えた。

素人目線での少し言葉足らずな文章が、自分がバイクにまたがって旅をしているような、イスラムの文化・習慣や食生活が何となく理解できたような気分にさせるのが不思議。
国境を越える旅ができない今だからこそオススメしたい。

 

 

【書評】どう死ぬかを選ぶ時代に来ている―『納得できる最期のために「在宅死」という選択』

 

家でも死ねる。誰もが死ぬという現実の中で、独居、いわゆるおひとりさま、であっても、家族がいても、死に場所は自分で選ぶことができるという強いメッセージに満ち溢れている。

千葉県八千代市にて在宅診療支援診療所を開業し年間100名以上の方の最期を看取っている在宅医療専門医の初めての著書。著者が大学時代に在宅診療に触れたときに、その経験が著者の医師としての人生を大きく変えたそう。医療は病院でしか行われないのではなく、生活の場にも溶け込むことができるということ。この目から鱗の経験から現在に至るまで著者は在宅医療の現場に立ちながら「逝き方=生き方」の啓蒙活動を行い続けている。

一体どれだけの人が、どう死にたいか?と考えたことがあるだろうか。
ひと昔前までは8割の人が自宅で亡くなっていたが、今は病院で亡くなることが当たり前になっている今日この頃。医師に意見を言ってはならないと思っている人が多いのではないだろうか。著者はたとえ医師であっても最期を他人に任せるべきではないと話している。健康な時から死に方を考え、身近な人とその気持ちを共有する、この過程こそが未来・現在・過去へと自分の生き様を考えることにつながっていく。著書の中では実際に在宅死を選んだ方々の生の声が収録されている。葛藤されながらも選んだ在宅死、もしくはその結果選んだ在宅以外における死についても、本人も残された身近な方々からも後悔は感じられない。

また、おひとりさまの在宅死について書かれていることも興味深い。家族や介護者がいないと病気を抱えながら自宅での生活は困難と思いがちだが、訪問診療医や訪問看護介護保険を利用してチームを作ることによっておひとりさまの在宅死が可能になるのである。この20年で在宅における医療は劇的な進化を遂げている。自分で選んだおひとりさまの在宅死は孤独死では決してない。

生き方を選ぶことができるのであれば、同様に死に方も選択できる。
死から逃れることはできない。だからこそ死に方を選ぶ過程がその方の人生そのものを表現し、死後その人生をより輝かせるのかもしれない。死を迎える恐怖心が和らぐ本である。

 

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

  • 作者:中村 明澄
  • 発売日: 2021/03/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】東京ディズニー誕生と昭和エンタメとおもてなし『「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た日』

 

「万博のスタッフは全員読め!」

 こんなセリフが出た動画があった。なぜそう言われたかというと、その本がおもてなしの心が書かれた本だからである。おれは、温泉旅館の様なおもてなしが大好きなので、読んでみたら面白くて一気読みしてしまった。

 内容は、日本にディズニーを呼ぶための史上最大のプレゼン、そのプレゼンをした堀貞一郎、その師匠の小谷正一、ウォルト・ディズニーの話。

【史上最大のプレゼン-ディズニー招致対決-】
 ディズニーを日本に呼ぶときに、三菱と三井でプレゼンバトルがあったのを初めて知った。そしてディズニーを作る場所も、三菱は、富士山麓、御殿場近くの富士スピードウェイ周辺、三井は、浦安だった。

 三井側のプレゼンがすごかった。簡単に言うと「やれることはすべてやる」ということ。

【プレゼンの最初に心を掴む】
 プレゼン最初は、アメリカから来た日本語のわからないディズニー首脳陣に対して、あえて日本語で大きな抑揚、身振り手振りで話す。「日本語がわからないのになんで言ってることがわかるんだ!!」と首脳陣の心を掴んだ。プレゼンをした堀貞一郎のとっさのアイデアだった。

【おもてなし祭り】
 ディズニー首脳陣が、東京、帝国ホテルから浦安までの移動する際は、豪華バス、振袖姿のコンパニオン、首脳陣が注文する飲み物が全て出てくる小さな冷蔵庫(マジックボックス)、日本食に飽きたころに「時を忘れるステーキランチ」でおもてなし。浦安までの時間を楽しく短く感じさせる。

 浦安市役所前では、市長、職員が横断幕で出迎えて、アメリカ国旗を持った子どもたちがバスを囲んで歓迎する。これは、ディズニーがアメリカ国内でリゾート計画を進める際、地元の反対で中止になったことがあり、そのような心配をさせないためのはからい。

 ディズニー建設予定地に着くと、3台のヘリコプターに乗ってもらい、東京駅へ。さらに東京-浦安間の距離を短く感じさせる。そして、新宿にある、当時日本一の高さの三井ビルも見てもらい、「このビルを作った三井が日本にディズニーを作ります!」と話す。

 浦安案の弱点は、海の汚さ。プレゼンの数日前から海岸のゴミ拾いも行った。

 この結果、ディズニー側は何の質問も無く、三井に決めたという。

【やれることはすべてやる】
 心配事に対してやれることを全てやり、強みをいろんな形でアピールし、喜んでもらえることをすべてやり尽くした。そのための事前調査も徹底的。自分たちの強み弱みだけでなく、聞く側がどんな人たちでどんなことが好きでどんなことが心配なのかも、綿密に調査し尽くしている。素晴らしいおもてなし精神。

【テレビが始まる時代からのエンタメを作った人々】
 プレゼンの話の次は、プレゼンをした堀貞一郎、その師匠 小谷正一の物語が続く。彼らは、テレビ誕生の時代からいろんなエンタメを手がけてきた。百貨店の絵画展の草分けだったり、大阪万博を手掛けたり、球団を作ったり、いろんなエピソードが手でくる。日本のエンタメ誕生の話がたくさん出てきてとても面白い。

 特に、小谷正一は、「人の心を掴む天才」「インテリヤクザ」と呼ばれていた。いつも人を褒めて、時には「ハッタリかましたれや!」と怒鳴って、人をその気にさせた。人をしっかり喜ばせつつ、日本を元気にするためにいろんな事業の実現に情熱を燃やした。

新しいものへの興味、アイデア、夢を実現させる情熱。昔の話と言っても、本質は今と変わらない。

アメリカのディズニーを見た人全員が夢を見る
 後半は、元祖ディズニーの誕生、三菱三井プレゼン後の東京ディズニー建設までの奮闘が描かれる。

 ウォルトがディズニーランドは作るキッカケは、いくつかあり、その一つはディズニー映画上映のため、デンマーク コペンハーゲンにあるチボリ公園を訪れたとき、行き届いたサービスと清潔さに感激。アメリカの遊園地を訪れたとき、その落差に落胆したときでもあるという。

 この章でも語られているが、結局エンタメは尊敬を前提としたパクリの繰り返し、と言っている。だから、テーマパーク最高峰のディズニーも、何かをもとに出来ているということだ。なので、いろんな情報を取り入れて、体験していくことはとても大事なこと。

 そんなディズニーがまだ日本に無い頃、アメリカのディズニーランドを訪れた日本人たちは、「日本にディズニーができたら夢のよう」と思っていた。プレゼン後も、本契約までの間、反対派と推進派の攻防が続いたが、夢を実現させる情熱を持った人々の奮闘で建設へ向かう。ディズニーオープンのシーンでは、奮闘した偉人たちが泣いていて、すごく感動的だった。

【まとめ 歴史を学ぶことの大切さ】
 昭和のエンタメを生んできた人々の生き様は、今の時代にとってのとても学びがある。新しいエンタメを広めるためにはどうしたらいいか。ゼロからではなく、歴史や体験、情報がそれを助けてくれる。

 そして、何かを実現するために、人を動かすために、全力のおもてなしをする。その精神はいつの時代も変わらない。とても良い本に出会った。読み応えあった!紹介してくれたノザピに感謝!

 

 

 

【書評】下には下が居ると思えば何でも出来る『人生、死んでしまいたいときには下を見ろ、俺がいるー村西とおる魂の言葉』

 

著者の村西とおるは、AV監督として有名。
本書は、その村西とおるの生い立ちや経歴と共にどん底に落ちて這い上がった人間の力強い生きる名言を集めている。
ビニール本や裏本やAVで富を築いたが、猥褻図画販売容疑で指名手配そして逮捕。
釈放後、ハワイでAV撮影中、旅券法違反としてFBIに監視そしてピストルをこめかみに突きつけられて逮捕、懲役370年。
弁護士などを経て総額1億円かけて釈放。
それから国内でAV撮影して再び一躍。
しかし、衛星放送事業に手を出してしまい失敗し、倒産そして借金50億円を抱える。
月々8000万円の返済の為に、知り合いの目の前で眼から血を流す程頭を下げまくったりして、自己破産せずに返済。
しかし、心臓に穴が空いてしまい、医者から余命1週間と宣言されてしまう。
手術を否応なしに受けたものの、失敗。
とは言え、激しい運動をしなければ生きる事が出来ると、知り合いの医療従事者から救いの言葉を受けて今に至る。

まず、日本人にとって友人間でも家族間でもお金子貸し借りをするなと昔から叩き込まれている。
だが、その正体は、プライドなのかもしれない。
友達や家族にお金を貸してくれとお願いする事自体、辛かったり恥ずかしい気持ちが前面に出てしまう。
僕が前働いていた会社の同僚から、よくお金貸してと頼まれていました。
毎回返してくれるだけでなく、僕のSNSの投稿には真っ先にいいねを押してくれてます。
それは今も続いてるのですが、別にいいねを押せとは頼んではないのですが、やはりいいねを知り合いの方から押してもらえるとお金以上の嬉しさがあります。
尚、村西とおるは前科7犯でも有名です。
FBIに連行とかでは無いのですが、歩いていたら警察官5人にガシッと手を掴まれて交番に連行された事はあります。
罪状は、迷惑防止条例違反で、口の中のヨダレを採取されブラックリスト入りされてるんでしょうね。
まぁ花火大会の時に浴衣の女子の肩を触った程度ですが。
身元引き取り人として、僕のお父さんが交番へ頭を下げて僕を連れ帰った事もハッキリ覚えています。
村西とおると比較すると、僕の前科なんて蚊に刺されたどころか蚊を見つけた程度のしょうもない罪状なんでしょう笑
そんなしょうもない罪状を受けた僕が街をぷらぷら歩いていても、そこら辺を歩いている人は何も興味を示しません。
前科7犯の村西とおるが歩くと背中に指さされて『借金借金笑』と煽られる始末。
そんな村西とおると比べると、前科1犯だろうと2犯だろうと大した事じゃないでしょう。
余命1週間を宣告された村西とおるは、睡眠薬を飲まないと眠れない程悩んでいました。
余命云々は言われた事ないですが、一生薬漬けになるかもしれんから覚悟しろと去年の夏かかりつけの先生に言われた事が僕にはあります。
新型コロナウイルスが可愛く見える程厄介なB型肝炎ウイルスにかかってました。
まぁフィリピンでコンドーム無しで一発だけ生ハメしたのがマズかったんでしょうね。
病状をググってみると、深刻な状況に陥ると前述の通り国から補助金貰いながらになるけど、治るのがかなり難しくなる厄介な肝臓の病気です。
それを知った僕も寝付けない夜が続いてました。
まぁ医療技術も進歩しており、毎日点滴をプスプス刺して安静にしておいたら、B型肝炎ウイルスへの抗体が出来ており肝臓の数値なども正常になりました。
また、100円玉1枚出すのすら苦悩する人ですら信用する人が居る。
恥というプライドを叩き捨て自分がやりたい事に情熱を注ぎ込んで行動する人は、やはり人を惹きつける何かがあるのも間違いないです。

 

 

【書評】値引きの連鎖から始まった全員経営『孤高の挑戦者たち』

 

製造業から商社へ、さらに再び製造業への転換を果たした数少ない企業である鍋清。創業明治10年で140年以上の歴史がある会社ですから、戦争やバブル崩壊などの急激な外部環境の変化や、技術のコモディティ化による経営の圧迫が次々とやってきます。度重なる危機を乗り越えてきた理念と経営戦略がばっちりと書かれています。

タイトルが孤高となっているので、社長のワンマンパワーでなんとかしてきたような印象を受けますが、実際の軌跡はそれとは真逆。言うなれば全員経営を実現させて、1人1人が自分の頭で考えて経営に参画していることがとてもよく伝わってきます。時代の変化を捉え、決して翻弄されることなく決めたことをやり続ける・やり抜く姿は、今の時代でも決して忘れてはいけない経営姿勢だと教えてくれたと思います。

一番興味の惹かれた点は"商社のものづくり"はうまくいかないというジンクス。会社には根底に根付いたマインドがあり、商社には商社の、サービス業にはサービス業の、製造業には製造業の理念が奥底にはあるのでしょう。その軸を少しでも外れた事業は失敗していく。儲かるからと手を広げていった末には、一時的な需要を刈り取ったら後が続かないという焼き畑経営が待っています。興っては立ち消えていく会社では誰も幸せにできません。ビジネスの本質を掴み取っている企業が生き残る、体験を基にした解説がとても分かりやすい。

持続可能な事業と継続的な社会貢献。そして何より、自分たちで決めた市場選択が及ぼす社員のモチベーション。人間は他人に決められたことはやりたくないが、自分で決めたことはやり抜きたいと思うもの。それが徐々に成果が出てきたら楽しくて止まらない。経営理念としては珍しい全員経営が浸透したら、こんなにも素敵な会社になるんだなと再確認させてくれた一冊です。

 

孤高の挑戦者たち 明治10年創業、ベアリング商社が大切にする経営の流儀

孤高の挑戦者たち 明治10年創業、ベアリング商社が大切にする経営の流儀

  • 作者:加藤 清春
  • 発売日: 2020/12/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)