HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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50歳以下の必読書〜人生戦略、立てていますか?〜『ライフシフト 100年時代の人生戦略』

新年になり、今年の計画を立てた方は多いかと思いますが、人生の計画は立ててますか?本書は『ワークシフト』で有名なリンダ・グラットンの2017年を代表する名著である。

今までは教育・仕事・引退の3ステージが一般的だが、これからはマルチステージとなっていく。その例としてリスクをあまり取りたくない人向けの3ステージの人生にちょっとした変化(0.5ステージ)を加えた3.5シナリオから、新しいスキルの習得期間を入れた4.0、5.0シナリオまで提示されている。
そしてシナリオに対して、以下の資産をどう形成していくかが重要である。人生の資産には有形資産と無形資産があり、特に無形資産を意識する必要がある。無形資産は①スキルと知識といった生産性資産、②健康・幸福感といった活力資産、③変化と新しいステージへの移行を成功させる意思と能力、すなわち変身資産である。
人生で多くの移行を経験し、多くのステージを生きる時代には新しい役割に合わせて自分のアイデンティティを変えるための投資、新しいライフスタイルを築くための投資、新しいスキルを身につけるための投資が必要となってくる。

あなたは何にどれくらいの時間とお金を投資して生きていくか考えたことはあるだろうか。そのような人生戦略を考える機会を与えてくれるのが本書である。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

商売道具を粗末にするな!『夢をかなえるゾウ』

本書は架空の生物「ガネーシャ」が歴史的な世界の名だたる有名人を例題にして、世の中の渡り方を教えてくれるフィクション小説である。

まずは自分の「靴を磨け」とガネーシャは言う。靴というのは自分が会社へ行く時も、営業で外回りする時も、カラオケ行ってバカ騒ぎしてる時も、靴はずっと気張って支えてくれている。そういう自分を支えてくれているものを大切にできない人は成功しない。

イチロー選手を例にすると、イチローは他の選手が帰っても、ずっと残ってグラブ磨きをしていた。本人は「神聖な商売道具を粗末に扱うことは考えられない」と言っている。そういう仕事に対するまっすぐな姿勢があるから、メジャーでずっとトップを取れている。ならば、自分が毎日使っている靴も商売道具の1つではないだろうか。

また、歴史的発明者エジソンは、どんだけ実験に失敗しても、もう何千回失敗しても「成功だ」と言っている。「この実験が失敗だとわかったから、また1つ成功に近づいた。だから成功なんだ」と、こういうスタンスこそが、世界の発明を起こすのだ。

本書を通してガネーシャから仕事のこと、お金のこと、そして自分自身のことを少しずつ理解できるようになていく。お金は人を喜ばすことでもらえるもの。でも、誰でもそうだけど、やりたくないことや嫌なことではなく、好きなことや楽しいことしかできない。だとしたら、人を喜ばせることが何より楽しいと思えるように自分自身を変化させていく。

そして、自分が好きなこと、楽しいと思えることで人を喜ばせていけばそれが成功したり、有名になったり、お金持ちになるための、回り道のように見えるけど1番の近道なんだと、僕はガネーシャの伝えを通して感じたのである。

夢をかなえるゾウ文庫版

夢をかなえるゾウ文庫版

明るく爽やかにひとりの時間を持とう『SOLO TIME ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』

「群れ」の中で生活することで知らず知らずのうちにストレスをためてしまう現代人に、精神科医の著者は「ひとりの時間を持つ」つまり「ソロタイム」を持つことをおすすめしている。

「ひとり」というと、どうしても「lonely」という言葉が意味するような「寂しい」ニュアンスを感じてしまう人もいるかもしれない。しかし、本来「alone」という言葉がただ「ひとりである」という状態を表すように、「ひとり」イコール孤独、寂しいではない。
むしろ、明るく、爽やかに自分自身と向き合うひとりの時間は、健やかに生きるために欠かせないものだとこの本で著者は語っている。
ひとりの時間の過ごし方やそのメリットをたくさん紹介しているが、「朝公園を散歩して樹に抱きつき、そのときの爽やかな身体感覚を覚えておく」という提案はユニークだった。ついネガティブになってしまいがちは人は、「元気でさわやかな状態」の自分を、身体感覚としてまず知り、その状態を自分の基準にすることが大切だそうだ。このように、心理学の観点から、自分の心とからだを健やかに保つ方法がたくさん提案されている。
人の悩みの原因の9割が人間関係ともいわれるが、悩んでいる人や疲れがたまっている人は、ストレスの原因から少し距離を置こうと決意できるだろう。すがすがしい気持ちで生きることを応援してくれる1冊。


SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である

SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である

エモーショナルなビジネス書『オプションB』

本書はfacebookのCOOシェリル・サンドバーグが最愛の夫を休暇先で突然亡くした経験から生まれた。タイトルの「オプションB」とは、「次善の選択肢」という意味である。

シェリルの夫が突然亡くなったように、人生は思いがけないことの連続だ。そんな逆境を乗り越えるためのレジリエンス(回復する力)が必要とされる。
著者自身の体験だけでなく薬物中毒で子どもを亡くした母親や、性的搾取の被害にあった女性、遺伝的な視覚障害者の画家など、様々な立場で困難を経験してきた人々のエピソードも語られている。他の体験者から学びながら、自身のレジリエンスを鍛えてきたシェリルの生の声には説得力がある。
レジリエンスは、持って生まれた能力ではなく、誰でも今から鍛えることができる。自分の思いを書き出すジャーナリングをする、最悪の出来事に意味を見出す、良いところに目を向ける練習をする、など自分の考え方や習慣を変えることで身につけることができ、そのヒントがこの本には溢れている。
誰だって、思いもよらないショックな出来事に見舞われることがあるだろう。そんなときでも、自分の人生を自分でコントロールできると再び信じてオプションBを選び、逆境をバネに成長する人間の可能性を感じた。
そして何よりシェリルの夫への愛情の深さと、自分の弱さに向き合っていく勇気に、読み物としても心を動かされる一冊だ。ビジネス書をあまり読まない人が、ノンフィクションとして読んでも楽しめるだろう。

飛躍するための思考法『メタ思考トレーニング』

地頭力を鍛える』で有名なビジネスコンサルタント細谷氏の著書である。思考法は究極のところ、ロジカルシンキングと今回取り上げるメタ思考・アナロジーと言える。

メタ思考とはもう1人の自分の視点で自分を客観視して1つ上のレベルから考えることである。その重要性は3つあり、1つ目は成長するための気づきが得られること、2つ目は思い込みや思考の癖から脱却できること、そして3つ目は上記2つで得られた気づきや発想の広がりを基にした創造的な発想ができることである。

そしてメタ思考のトレーニングには2つあり、1つはwhy型思考である。直接問われていることではなく、なぜかと上位目的を考えることで土俵を変えてしまうのだ。相手の発言の真意を考えることで、解決手段がより本質的なものになる。
もう1つはアナロジー思考である。これは抽象度の高いレベルでのパクリのことである。具体と抽象を繰り返すことで他業界での常識が自分の業界にも生かせてくる。

本書はメタ思考の重要性がわかりやすく書かれているだけでなく、練習問題でトレーニングすることで、わかった気になるだけにとどまらず、実践できるところまで飛躍できる。「メタ思考」を初めて聞いた方は、これを機に自身の思考を見直してみるといいと思う。

今さら人には聞けない『男の作法』

日常の様々な場面においての作法。

抽象的なことは知っていても、具体的なことについては理解していない人も多いだろう。しかし「知ったかぶり」というのは、もちろん避けたいものだ。

本書では、
・鮨屋へ行ったとき
・そばを食べるとき
・てんぷら屋に行くとき
・刺身を食べるとき

食べものの話からはじまる。

最も興味深いのは鮨屋での作法だ。 最近では回転ずしやファミリー向けなど誰でも気軽に入れるタイプの店も多くあるが、昔ながらの鮨屋といえば、敷居が高いと思っている人も多いだろう。なぜなら、カウンターには、常連と思われる人が座り、値段もわからない。慣れない店ではなかなかルールもわかりづらい。

さらに、鮨屋内で交わされる言葉遣いもまた難しい。例えばお茶はアガリ、ご飯はシャリ、お箸はオテモト、醤油はムラサキ。知ってはいても、なんだか気恥ずかしく使えない。しかし著者、池波正太郎氏によれば、それは鮨屋仲間の隠語であってお客が使うことはない。ちゃんとした鮨屋だったら「通」ぶる客を軽蔑する。普通に「お茶」「ご飯」と言えばいいと言う。次回からは、気恥ずかしがることなく「お茶をください」と言うつもりだ。

また、日常においての作法。

・自分を引き締める身だしなみ
・男の顔をいい顔に変える
・時間の貴重さ
・女の見分け方
・気分転換の方法

本書には、数多くの自分をみがく方法があるが、これらはかつて「男の常識」とされていたことばかりだと著者は言う。 しかし、それは当時の常識であり、時代も社会も変わった現代の男たちには、おそらく実行不可能だと言うが、昭和59年の発行以来、昨年で97刷りと本書は、多くの人々に愛されている。それは、現代でも作法を重んじ、自分をみがきたいという人が多いということだろう。

男の作法 (新潮文庫)

男の作法 (新潮文庫)

2017年12月の売り上げランキング

1位 一流の人のさりげない気づかい

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1位 29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた。 (オープンブックス)

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1位 お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

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4位 専業主婦は2億円損をする

 

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5位 DRAGON BALL外伝 転生したらヤムチャだった件 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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5位 中くらいの幸せはお金で買える (単行本)

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5位 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい

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5位 なぜ中国人は財布を持たないのか (日経プレミアシリーズ)

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HIU書評メンバーの2017年の一冊

人は病気になったことによって、生きることを深く考えるようになる『人生でほんとうに大切なこと』

 今、注目されている「精神腫瘍医」という、がん患者とその家族の心のケアを専門的に行っている医者の存在だ。その「精神腫瘍医」が7名のがん患者とその患者を支える家族との物語を綴られた書籍だ。がんは、身体だけでなく心をも蝕み、しかも自分が精神的に混乱していることにも気づかない。とても厄介なものであり、残された時間を無駄なく使いたいと思えば思うほど、何をしたらよいか分からず、すくみあがってしまう。そんな患者の心を解きほどいてくという書籍である。 

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 中身は後からついてくる。『間取りと妄想』

小説家は作品を作る上で何から手をつけるのだろうか。本書は13の物語が収録されており、いずれの物語もはじめに“間取りが決められている”という制約を持つのが特徴だ。“制約があるからこそ良いものを生み出すことができる”という言葉を聞いたことがある。だとすれば、間取りは最適な制約の一つではないだろうか。普段意識をしていないだけで私たちの日々のライフイベントも、思った以上に間取りによって制限されているのかもしれない、そう思わせてくれる一冊だ。 

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子どもがいても、いなくても。『私、子どもほしいかもしれない。』

「自分のことがかわいい人間に子育てなんて無理なんじゃないか?」著者のそんな思いから、本当に子どもを産みたいか考えるために様々な生き方の女性に取材をした結果と、自身の妊娠体験記がまとめられた本。著者と世代の近い私にとってこの疑問は深く共感できる。この本には「これが幸せ」という結論はないが、「どんな生き方を選んだってそこには自分のしたいことが詰まっている」という著者の言葉は、読者が自分の生き方を選ぶときの励ましになるだろう。 

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めっちゃ上品!知性溢れるエロス!いや、ほんまに。『官能植物』

本書は見た目がエロい植物を集めた図鑑ではなく、知的好奇心を大いに刺激する孤高な書物である。植物の官能的な「形態」「生態」「匂い」「利用」に着目しそれらの官能性について、人類の歴史を遡り非常に孤高な考察がなされている。その参考文献はなんと『新約聖書』『ギリシャ神話』『万葉集』。そして、ダーウィンプラトンアリストテレスレオナルド・ダ・ヴィンチなどなど総数320冊からなる。今年最も知的好奇心を刺激された一冊だ。 

 

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 人生が再び動きだした瞬間『好きなことだけで生きていく』

AI化が急速に進み、多くの仕事がなくなる日が目前に迫っているが、安定を求め、我慢しながら好きでもない仕事をしている人は多い。しかし、自分の人生を振り返り、本当に後悔はないのだろうか。著者は断言している。「人は好きなことだけして生きていける」誰でも。本書は「好きなこと」で生きていくための考え方や方法、行動することの大切さについて書かれている。後悔のない人生を過ごしたい人は、ぜひ本書を読み、実践してほしい。なぜなら本書と出会った瞬間から、自分にとっての楽しい人生が再び動きだしたことを日々実感しているからだ。