本書は架空の生物「ガネーシャ」が歴史的な世界の名だたる有名人を例題にして、世の中の渡り方を教えてくれるフィクション小説である。
まずは自分の「靴を磨け」とガネーシャは言う。靴というのは自分が会社へ行く時も、営業で外回りする時も、カラオケ行ってバカ騒ぎしてる時も、靴はずっと気張って支えてくれている。そういう自分を支えてくれているものを大切にできない人は成功しない。
イチロー選手を例にすると、イチローは他の選手が帰っても、ずっと残ってグラブ磨きをしていた。本人は「神聖な商売道具を粗末に扱うことは考えられない」と言っている。そういう仕事に対するまっすぐな姿勢があるから、メジャーでずっとトップを取れている。ならば、自分が毎日使っている靴も商売道具の1つではないだろうか。
また、歴史的発明者エジソンは、どんだけ実験に失敗しても、もう何千回失敗しても「成功だ」と言っている。「この実験が失敗だとわかったから、また1つ成功に近づいた。だから成功なんだ」と、こういうスタンスこそが、世界の発明を起こすのだ。
本書を通してガネーシャから仕事のこと、お金のこと、そして自分自身のことを少しずつ理解できるようになていく。お金は人を喜ばすことでもらえるもの。でも、誰でもそうだけど、やりたくないことや嫌なことではなく、好きなことや楽しいことしかできない。だとしたら、人を喜ばせることが何より楽しいと思えるように自分自身を変化させていく。
そして、自分が好きなこと、楽しいと思えることで人を喜ばせていけばそれが成功したり、有名になったり、お金持ちになるための、回り道のように見えるけど1番の近道なんだと、僕はガネーシャの伝えを通して感じたのである。
- 作者: 水野敬也
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2011/05/20
- メディア: 文庫
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