本書は、変わりたい、成功したいと思っても、上手くいかない主人公と関西弁のゾウの姿をした神様「ガネーシャ」による「夢をかなえるため」のドタバタ小説になります。
ガネーシャが提示する課題をどんどんクリアしていく主人公ですが、その最中で「何かに期待をしている限り、現実を変えることはできないんやで。」と言われてしまいます。
それは、今までガネーシャから提示してきたことは主人公の本棚にある分厚い成功書の中に書いてあることだったのです。
まだ何にも苦労していないのに、本から“成功するかもしれない”という『高揚感』を前借りして気持ちよくなって、そんな簡単にはできないという現実にぶつかって感情の返済を迫られて凹む。それを主人公は繰り返しているだけだと。
そしてガネーシャは主人公に
「もし自分が変われるとしたら、行動して、経験したときだけや。そん時だけやで。」と言い、主人公は「はい。分かりました。」と答えます。
「じゃあ、今、この話を聞いてる瞬間、自分は何しとる?」と主人公に聞き、「自分はただ『座っとる』だけや」と言い放ちます。
「確かに自分はこうやってワシの話を聞いとる。でもな、今、自分は何かを学んで知識を吸収して成長しとると思てるかもしらんけど、本当はな、成長した気になっとるだけなんや。ええか?知識を頭に入れるだけでは人間は絶対に変わらへん。人間が変われるのは『立って、何かした時だけ』や」
「課題をこれからの人生において実行し続けること。可能な限り毎日、自分の一部まで続けること。」
世の中の成功書があふれても、成功者がいないのは何もせず、実行に移さず、経験に向かわないからだと、主人公、そして読者である我々に伝えます。
「ガネーシャの教え」にあなたを変える力はありませんが、あなたの決断と行動にはあなたを変える力があります。
もし、あなたが、何かを実行に移すのなら、昨日までとは違う何かを今日行うのなら、仮にその方法が間違っていたとしても、それは偉大な一歩です。
これが、何もしない人へのガネーシャの願いです。
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