読者の皆さんは、「¥マネーの虎」という番組をご存知でしょうか?
吉田栄作さんが司会を務め、起業家が事業計画をプレゼンテーションし、投資家らが出資の可否を決定するという番組です。
その中で、志願者に説教はするが出資をせず、しびれを切らした吉田栄作さんに「なぜいつもお金を出さないのですか?」と質問されたのが著者の堀之内九一郎氏です。
本書は堀之内九一郎氏が事業を起こしては倒産を繰り返したあげくホームレスとなり、その後、リサイクルショップ「生活倉庫」を開店し、年商102億円までのぼりつめた著者の物語です。
著者は「今日の私があるのは、紛れもなく、“どん底”の時代に体得したことがあったからです。“どん底”に落ちたことで気づいたこと、“どん底”だからこそわいた知恵によって私はここに立っているのです。」と伝えます。
ゴミを拾い集めながら著者が見つけた世の中の道理、道行く人に蔑みのまなざしを向けられながら学んだこと。そしてそこから這い上がるために心にとどめていた信念。
それが、本書には記されています。
いくつかありますが、ここで紹介させて頂きたいのは、「小さくもいびつな一歩をひとまず踏み出してしまうこと。」という言葉です。
「25mプールの水を栓を抜く以外の方法で空っぽにしてほしい。」
目の前には小さなおちょこしかありません。
そう言われたとき、「もっと良い方法を」、「これじゃあ、無理だ」ではなく、そう言っている人の隣でおちょこを使って水を汲みだすのです。
そうすると不思議なことに、おちょこを使っていた人間はプラスチックのコップを見つけ、次にバケツを見つけることができます。
目標に向かって、どんなに効率が悪くても、まず一歩踏み出せる人間は、結果として恐ろしいほど効率の良い方法で目標を達成することができます。
著者を”どん底”から這い上がらせてくれたのは、「用意周到」ではなく、ともかくスタートしてしまう精神でした。
ぜひ、”どん底”から這い上がる著者の「いびつな一歩」の軌跡を、本書で確かめてください。
逆境に立った時、きっと読者の皆さんにも役に立ちます。
- 作者: 堀之内九一郎
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2004/02/17
- メディア: 単行本
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