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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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幸せに生きるための教科書『 中くらいの幸せはお金で買える 』

「幸せはお金で買えるか」というと論争が起きそうなテーマだが、本書では、お金の使い方により、継続する幸福感を得るための18の方法を教えている。

「あなたは今、幸せですか」

世界43ヵ国の国民に対し、幸福度についての調査を行った。その結果、日本人の幸福度は先進国の中で最下位にランクしている。 おそらく、これは誰でもどこかで聞いたことがあり、自分の人生を考えてみても、納得している人も多いだろう。

日本は他国と比べて豊かであり、便利であり、食事情も優れている。安くてもおいしいものや、いいもの、いいサービスを受けられる。多くの人はそれほどの高収入を得ていなくても、身の回りのもの、欲しいものも購入でき、他国と比べゆとりのある暮らしをしている。さらに第一に安全な国である。ではいったいなぜ、このような国で暮らす日本人は、幸せではないと感じている人が多いのか。

著者によると、まず「幸せ」には、3種類ある。自分の夢を実現した時に得られるような「大きな幸せ」、席を譲り感謝された時に感じるような「小さな幸せ」、そしてうまくお金を使うことにより幸福感が増幅できるのが、「中くらいの幸せ」である。日本人が幸福を感じられないのは、お金のありなしではなく、お金の使い方にあるようだ。

日本人の多くは、有名人の真似をして同じものを購入したり、次々と新製品を手に入れたり、人気のブランド物を買ったり、話題のスポットに並んだり、流行りに乗ることで、幸せを得られると思っている。自分のほしいものを買う、行きたいところに行くのではなく、人と同じものを買い、人と同じことをすることにより、安心感を得ようとしているようだ。

さらに、日本の問題点は、モノにしか価値を認めていないことである。家の中にモノが増えていくことが、幸せや満足に繋がると思っている人が多い。 確かにどんなに欲しいモノでも、手に入れた瞬間や、その後の短期間は大きな喜びがあるが、その時の気持ちはやがて薄らぎ、また別の新たなモノへと気持ちが移り、それが繰り返されていく。そこには、いくらたくさんのモノに囲まれたとしても、幸せにはなれないという事実がある。人々の幸福度が低い理由は、まさにここにある。

では、著者が教える「中くらいの幸せ」を得るためのお金の使い方とは?それは、「人との絆を結ぶ物語にだけお金を使う」=人間関係にお金を使うことだ。

ブランド物を買うことも、一見、物語を買うように思えるが、これは自分の物語ではなく、ブランド会社の物語を買っているにすぎない。

「物語を買う」という例を本書より一つあげると、多くの英国紳士は、スリーピースのスーツを作り、さんざん自分が着た後に、息子のジャケットに仕立て直し、さらにベストに直して孫にプレゼントするそうだ。きちんと愛情を注ぐことにより、「モノ」は物語を紡ぐメディアとなり、他社とのコミュニケーションに多大な影響を与える。このようなお金の使い方が、幸せを感じさせる。

お金の使い方は、学校でも家庭でも習うことはなく、どう使ったらいいのかと考える機会もなかった人が多いだろう。
本書の18の方法の中から、自分にあったお金の使い方を学ぶことにより、自分の人生をより幸せへと導くことができるだろう。

 

 

中くらいの幸せはお金で買える (単行本)

中くらいの幸せはお金で買える (単行本)