HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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HIU書評メンバーの2017年の一冊

人は病気になったことによって、生きることを深く考えるようになる『人生でほんとうに大切なこと』

 今、注目されている「精神腫瘍医」という、がん患者とその家族の心のケアを専門的に行っている医者の存在だ。その「精神腫瘍医」が7名のがん患者とその患者を支える家族との物語を綴られた書籍だ。がんは、身体だけでなく心をも蝕み、しかも自分が精神的に混乱していることにも気づかない。とても厄介なものであり、残された時間を無駄なく使いたいと思えば思うほど、何をしたらよいか分からず、すくみあがってしまう。そんな患者の心を解きほどいてくという書籍である。 

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 中身は後からついてくる。『間取りと妄想』

小説家は作品を作る上で何から手をつけるのだろうか。本書は13の物語が収録されており、いずれの物語もはじめに“間取りが決められている”という制約を持つのが特徴だ。“制約があるからこそ良いものを生み出すことができる”という言葉を聞いたことがある。だとすれば、間取りは最適な制約の一つではないだろうか。普段意識をしていないだけで私たちの日々のライフイベントも、思った以上に間取りによって制限されているのかもしれない、そう思わせてくれる一冊だ。 

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子どもがいても、いなくても。『私、子どもほしいかもしれない。』

「自分のことがかわいい人間に子育てなんて無理なんじゃないか?」著者のそんな思いから、本当に子どもを産みたいか考えるために様々な生き方の女性に取材をした結果と、自身の妊娠体験記がまとめられた本。著者と世代の近い私にとってこの疑問は深く共感できる。この本には「これが幸せ」という結論はないが、「どんな生き方を選んだってそこには自分のしたいことが詰まっている」という著者の言葉は、読者が自分の生き方を選ぶときの励ましになるだろう。 

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めっちゃ上品!知性溢れるエロス!いや、ほんまに。『官能植物』

本書は見た目がエロい植物を集めた図鑑ではなく、知的好奇心を大いに刺激する孤高な書物である。植物の官能的な「形態」「生態」「匂い」「利用」に着目しそれらの官能性について、人類の歴史を遡り非常に孤高な考察がなされている。その参考文献はなんと『新約聖書』『ギリシャ神話』『万葉集』。そして、ダーウィンプラトンアリストテレスレオナルド・ダ・ヴィンチなどなど総数320冊からなる。今年最も知的好奇心を刺激された一冊だ。 

 

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 人生が再び動きだした瞬間『好きなことだけで生きていく』

AI化が急速に進み、多くの仕事がなくなる日が目前に迫っているが、安定を求め、我慢しながら好きでもない仕事をしている人は多い。しかし、自分の人生を振り返り、本当に後悔はないのだろうか。著者は断言している。「人は好きなことだけして生きていける」誰でも。本書は「好きなこと」で生きていくための考え方や方法、行動することの大切さについて書かれている。後悔のない人生を過ごしたい人は、ぜひ本書を読み、実践してほしい。なぜなら本書と出会った瞬間から、自分にとっての楽しい人生が再び動きだしたことを日々実感しているからだ。