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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】こうして、僕は運動で人生を改善しました。『スタンフォード式人生を変える運動の科学』

 これをお読みのあなたは、運動についてどう考えてきたのだろうか?僕は、運動が大好きだ。週2回はテニスをプレイし、朝は散歩し、その後ノルウェー式HIIT(ノルウェーで研究されたインターバルトレーニングの1つで、4分全力運動3分軽い運動を繰り返す)、そして、昼頃に2時間ほど散歩している。更に、読書や勉強をしているときは、エクサー社のオリンピック強化選手用のステッパーを踏んでいる。無論、書評を書いている今この時点でも、そのステッパーを踏んでいる。一日中動きっぱなしだ。しかし、中には、このような人もいるだろう。「運動なんてめんどくさいし、したとしても続かないじゃん。きついし。体力不足だし。」と思っている人である。しかし、そんな人こそ、ぜひ読んでほしい本がある。それが、この本書である。運動をするとどんないいことがあるのか、科学的に解説している本だ。しかも、そこまで難解な言葉がなく、具体例も載っているので、非常に読みやすい本だ。

 では、その中でも、僕に取って役に立ったことは何だろうか?それは、「運動すると、幸福度が高まる」である。つまり、幸せを感じやすいのだ。これは、一種のハイにも近い概念だ。著者であるケリー・マクゴニガル氏は、「運動し続けると、エンドルフィンやアドレナリンのほかに、内因性カンナビノイドも血液中に放出される。つまり、ハイになって、いつまでもできるような、それこそ誰かを抱きしめたくなるような気持ちになる」と解説している。実際その通りで、僕もノルウェー式HIITでこのような状態になる。実際、この本では、そのような状態になった人のことも取り上げられている。なので、実に説得力のある本だ。

 他にも、運動することで社会的なつながりが生まれることも指摘している。これは、先ほど挙げた運動によるハイになる現象とも関わっている。運動すると、気分がよくなることは、この本だけに限らず、いろんな書籍で紹介されているが、本書によると、気分がよくなることで、誰かとつながりを持ちたくなるのだそう。実際、僕もそのようなときがある。顕著なのが、散歩しているときで、美女と運動しながら話すことを、空想している(笑)。他にも、エリック・バーカー氏の『残酷すぎる人間法則』でも人間関係が人生を変えるという研究を紹介しているし、メンタリストDaiGoさんもそのように論文を解説している。つまり、運動して誰かとつながりを持つことで、人間関係から得られるメリットまで得られるのだ。実際に、僕も去年からテニスを始めたことで、年上の人とのつながりが増えた。もちろん、僕はもともと非社交的な人間ではあるが、運動で多少外向的になった。

 この本は、運動嫌いの人にはぜひ読んでもらいたい本だ。著者のケリー・マクゴニガル氏は、他にも『スタンフォード式ストレスを力に変える教科書』という本を出している。彼女の本は、考え方を根本から変えさせる。例えば、前出の本で言えば、ストレスは人間にとって悪いものではなく、人間を成長させるものであることが科学的に紹介されている。実際に、このように思うだけでも、効果があるらしい。

 本書も、運動に対する考え方を変える本だ。健康効果はもちろん、人間関係を作る。そのような意味でも、運動は人生を変えてくれるのだ。このような学びを提供してくれた本であった。

参考文献
ケリー・マクゴニガル(2020)『スタンフォード式 人生を変える運動の科学』神崎朗子(訳) 大和書房