HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】たかが走りと侮るなかれ。やっぱり始めは肝心。『走らないランニングトレーニング』

 

 走るなんて日常。当たり前。たとえレースに出るとしても、道具もいらず簡単。それはいつかホノルルマラソンに出ようと決めランニングを始めた私自身の気持ちであった。無知な私のふくらはぎは、ランニングをするごとに、どんどんどんどん硬くなっていく。その硬ささえも、骨にひびを負ってギプスをした頃の柔らかさに比べ、ああ運動している、と勝手に満足していた。
 しかしとんでもない。この本はタイトル通り、走らない部分、つまり走る前と後の準備、ケアこそ走りに大切なことを全ページに渡り解説してある入門書であり、無知な私は走り始めて数ヶ月のこの時期この本にであって本当に良かったのだ。

 元トライアスロンナショナルチームコーチで自らも世界選手権日本代表だった著者の走らない部分の3Sメソッド、まず第一は「ストレッチ」だ。ストレッチ 種類の写真図解が載っている。これを、走る前10分や走ったあとに行い、身体をほぐし、伸ばすことが走りで硬くなる筋肉に取っては必要とのこと。

 次の「スイッチ」が逸脱。走るため、身体に主電源をいれる、正にスイッチ。特に体幹を鍛えること、腹筋が重要とのことで、チームアオヤマ(著者のランニングスクール)ではスイッチの腹筋10回ができるまでは走らせず、歩け、とまで言っているそうだ。ほかにも、肩甲骨周りを動かしたり足の拇指球に体重をキチンと乗せるスイッチ運動をすることで、次の段階の走りがスムーズになる。このスイッチにも走りの前に約10分かけるのだ。

 3S最後はようやくストレングス、ランニングなのだ。
 走る前のストレッチとスイッチに合計20分かけ、身体づくりをすることが、結果的に怪我なく無理なく身体を使った走りにつながる。評者は、この3Sに従いつつランニングシューズも買い替えることの相乗効果で、なんと一キロあたり約一分のタイムが縮まり、見事初レース人生初の12キロを無理なく完走し、女子でその部門の上位25%の順位に入ることまでできた。

 熱い思いが伝わっただろうか。マラソン初心者のあなたに特にお勧めしたい。