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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】自分の納得した人生を送るために『空気が支配する国』

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本書では、空気や同調圧力とは何なのか、また空気を生むその原因と向き合いかたについて書かれている。著者は学習塾を経営しているそうだが、コロナ渦や台風被害を経験し、「空気」や「同調圧力」を感じ、様々な制限を強いられたそうだ。

世界でも日本は同調圧力が強いのではと言われているが、アメリカの心理学者の研究によると、自己主張をするアメリカ人でも同調圧力に弱く、日本人と変わらないそうだ。実験結果から、日本人は個人にとって重要な他者には同調的であり、赤の他人には無関心で冷淡であり、また敵対的でもあるそうだ。

世の中を見ていると、確かに頷ける部分もある。普段は病気をすることもなく、風邪もあまりひかないので、病院に行くことはあまりないのだが、親が自粛し過ぎて病院にかかった際に感じたのが、医者の言うことはすべて正しいと言う圧力だ。

病院もビジネス、利益を得ないとやっていけないということはわかるが、患者の意志や症状に関わらず、治療期間が定められている国のルールは理解できない。

海外では、日本の国民健康保険のシステムは素晴らしく、とても羨ましがられるが、患者の意志が通らず、意見できない圧力の中では、意味のないものになる。医者といっても人それぞれ、患者の回復を第一に考える人もれば、利益優先の人もいる。特に利益にならず面倒な処置のある高齢者には、顕著にあらわれる。

良くなるのも悪くなるのも、病院や医者を選択をする段階で決定するといっても過言ではない。医療や介護の面では、早いうちから手立てを見つけないと、お金を払って命を操られてしまいかねないのが日本の現状だ。

健康だったら気づかない、医療や介護の現実を嫌というほど見せつけられてしまった。医療、介護、仕事といくつもの解決の糸口が見つけられない課題が山積し、正直自分のことどころではなくなってしまったが、その反面、世の中の現状に直面できたことは、自分にとっても大きな学びとなった。

 

空気が支配する国(新潮新書)

空気が支配する国(新潮新書)