この本は、帯にもある通り、「健康本」である。と、言いたいところだが、実は、そこら辺にあるような単純な「健康本」ではない。勿論、健康に欠かせない「食事、運動」などの生活習慣について書かれている。しかし、それ以上のことにも触れている。それは、「難病治療や介護、救急医療のための新技術」である。一見SFと言われるようなことを部分的に研究し、実用化している例も載せてある、言わば「最新テクノロジー本」でもあるのだ。研究段階にあることをここまで載せている本は、他に見た事がない。「今世界はこういう所を目指しているのか」を知ることができる本だ。
僕が、最も「面白いな!」と思ったのが、「人工冬眠」の話である。この本で興味深いのは、人工冬眠のテーマをNetflixの映画を紹介する形で始まり、そこから人工冬眠の研究について書いている点だ。そして、その中で僕の驚いた点は、「冬眠は神経細胞群であるQニューロンが大きく関わっている」「3週間飲まず食わず、心肺停止の状態で見つかったにもかかわらず生還した男性の話」だ。これを、冬眠状態と結びつけている点が、実に興味深い。僕も、これを読んでいて、様々な疑問が湧いてきた。と同時に、とてもワクワクを感じた。
他にも、世界初である装着型サイボーグ「HAL」の記述に興味を惹かれた。そもそも、僕自身「装着型サイボーグ」を初めて聞いた。この話では、最初に研究している教授について紹介し、その後、「HAL」を使ってどのように貢献したいのか、を書いている。そして、その後、難病の治療へのHALの活用論や、高齢者への装着、介護への実用化例へと話を進めている。難病や介護など、24歳の僕にしては、まだピンとは来ないが、もし母親が、筋力が衰えて要介護に近い状態になったら、と考えると、やはり他人事ではない。そのような点から、このHALの話は、非常に面白い。これから必要なテクノロジーになってくるだろう。
著者である堀江貴文さんは、かなり幅広い活動をしている。著書は多数で、HIUやゼロ高を主宰し、菅元首相や高橋洋一さんなどを始めとしたインタビューをしている。本書の他に『有り金は全部使え』『全ての教育は洗脳である』などを書いた。
この本は、特に若い人に読んで欲しい。僕も24歳だが、今寝たきりになっている人を見ると、「自分はいつまでも元気に動きたい」と思う。そのために、毎日の運動や瞑想、食事管理、睡眠など、体作り&メンテナンスをしている。他にもこの本には、テストステロンや生活習慣病についての記述もあるので、タバコやお酒を飲んでいる人は、是非教科書として読んでいただきたい。
参考文献
堀江貴文・予防医療普及協会(2022)『不老不死の研究』幻冬舎