社会を変えようとする人は、ねらっていなくても炎上してしまう。
空気を読む文化の日本にとって少しでも逸脱したり、同調性を乱したりするような発言は炎上する。ときには自殺にまで追い込んでしまうような言葉を使って非難する人もいる。しかし、そもそもなぜ人は、何のメリットもない他人のことに首を突っ込みたがるのだろうか。
結論からいうと、他人を批判するとドーパミンがドバドバと出るらしい。ドーパミンとは、神経伝達物質で依存症の原因にもなる物質だ。それが、他人を批判すると放出され、快感を得てしまうのである。つまり“誰かを叩けば叩くほど気持ちよくなり、その行為をやめられなくなっている”のである。1人が何人もの人に批判コメントをしている事実にもうなずける。私は今、こうして書評を書きながら、自分の快楽のために他人を傷つけるなんて許せない!と思ってしまった。これもまさに、正義中毒と呼べるものだろう。気を付けなければ……。
日本人の気質上、ある程度同調を求めてしまうことは仕方ないと思う。しかし、そうした、ある意味本能に近い脳の特性を知り、「正義中毒に陥っているな。」と気付けるようになれば、他人に縛られる生き方から脱出できるのではないかと考える。