あなたは今どのような状況に置かれているだろうか、あの日描いた幸せはどれだけ手に入れることができただろうか。本書は手に入れたい未来がある人に向けた、これから先の社会の歩き方の教科書だ。
著者はお笑い芸人としてスターを目指した。有名にはなれたのかもしれないが、結果スターになることは叶わなかった。機会がなかったわけでも努力を怠ったわけでもない、テレビに出演し自身に任せられた役割を全うした。全力で手を伸ばしたがスターにはなれなかったのだ。自身のできる限りのパフォーマンスを発揮したにも関わらず尚認められなかった辛さは、お笑いを職にしない方でも自身の経験と重ねることができるのではないだろうか。
とても辛いが諦めることは簡単だ、ただそれでも前へ踏み出すことで欲しいものを手にすることはできる。失敗は諦めた瞬間に現れる、諦めない限り失敗なんて一つもない。ただ、同じことをすればきっと結果も同じだろう。著者はスターになるために、まずは環境を変えた。芸人やタレントが表現をするのに最も便利であろうテレビを削ぎ落とし、絵本という市場に踏み込んだのだ。当たり前だったことがなくなれば人は代替を探し始める、自身に不利な場に飛び込めばどうしたら戦えるのかを考える。環境を変えたいなら、まずは環境を変えてしまうのだ。著者がその後どうなったかは本書を含めた他の著書、ブログ、いっそのこと直接会いに行って確かめてほしい、ネットで検索すれば公演やライブの予定がいくらでも見つかるだろう。
多様な価値観が力を持ち始めてきた昨今、幸せの形は一つではない。100人居れば100通りの幸せがあり、結局のところ自分自身で掴み取るしかないのだ。著者はブログでも“あなたが行動を起こさないのは、勇気を持ち合わせていないからではなくて、情報を持ち合わせていないからだ”と記している。その点本書は一歩を踏み出すための情報が凝縮されている一冊だ。漠然とした不安から足を止めてしまっているのであれば、まずは本書を手に取り情報を手に入れることからお勧めしたい。