HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】数学って本当は面白い『北欧式 眠くならない数学の本』

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「数学嫌い」「難しい」「自分の生活には関係ない」と子どもから文句を言われる親御さんも多いのではないでしょうか。公式を使って問題を解くことだけが数学ではありません。手と体を動かして数学の面白さを実感してみましょう。


序章では私たちは誰だって数学者であると書かれています。身のまわりの植物、動物、建物、芸術、目に映るすべての場所に数学はあります。お子さんの数学の見方を変えてくれるかもしれません。


この本では多くのワークが紹介されています。どれも簡単に出来るものです。数学を使って遊べます。


北欧を代表する絵本作家によるイラストがふんだんに使われています。本編113ページ中、文字のみのページはたった5ページ(今数えました)。小学校高学年ぐらいから読める平易な文章でありながらオイラーの多面体定理・フィボナッチ数列・4色問題なども扱っています。これを読んで数学の点数が上がることはありませんが、面白さを伝えてくれる本です。


今学問と呼ばれている領域だって、言ってしまえば「誰かの没頭体験」のアーカイブであると誰かは言いました。本来は数学も面白いものです。没頭体験の入り口になるかもしれません。

北欧式 眠くならない数学の本

北欧式 眠くならない数学の本

【書評】純粋で心優しい一人の人間が、どのようにして変貌していくのか『JOKER』

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『JOKER』といえば『バットマン』に登場するスーパーヴィランとして有名だが、本作では世界に笑顔を届けるためにコメディアンを目指す主人公が、いかにして『JOKER』へと変貌していくのか『JOKER』の誕生秘話が綴られたストーリーである。


主人公は、脳疾患の影響により突然笑いだし、その笑いが止まらなくなる「笑い病」を抱えながら、スタンドアップコメディアンやピエロに扮した仕事をしていた。


しかし、その奇妙さから突然不良に襲われたり、酔っぱらいに絡まれたりすることは日常茶飯事であり、苦難と悲劇の毎日を過ごしていた。そのような状況から孤独に苛まれていたが、人との繋がりや愛を求め、喜びや幸せを感じる温かい人物でもあった。


しかし、日々の度重なる苦悩や隠された衝撃の真実を知ることにより、悪の姿『JOKER』へと変貌する。本作は、映画の世界で2019年10月4日に日米同時公開されたのだが、3ヶ月で約24kgもダイエットして演技に臨んだホアキン・フェニックス氏のその姿からは『JOKER』の正体不明の不気味さがより感じられる。


また、史上最高の演技とも言われ、奇妙に笑いながら小躍りする『JOKER』のその姿は、まさに狂気そのものであり、圧巻の演技力である。さらに、ホアキン・フェニックス氏が演じる『JOKER』の眼差しや演技は時折、実の兄であるリバー・フェニックス氏を彷彿とさせるものでもあった。


本作品は、ヴェネツィア国際映画祭において金獅子賞に輝いた。アメリカン・コミックスを原作とした作品が最高賞を受賞したのは、史上初のことである『JOKER』を通して現代社会の闇が描かれた衝撃の作品である。

ジョーカー[新装版] (ShoPro Books)

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【書評】書籍は長めのブログで、事典はツイッターのようなもの『教養は事典で磨け~ネットではできない「知の技法」~』

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本書は、著者が薦める良い辞書、辞典、事典、図鑑とその面白さ、さらに活用法についてまとめられている。これらは一般的に何かを調べたりする際に利用されるものだが、著者は読むと面白い本だと伝えている。なぜなら、インターネットが普及した現在でも、検索するのにはキーワードが必要だが、そもそも思い浮かばないことには、調べようがない。


しかし、事典はたまたま開いたことにより「未知を既知」にかえ、関連することまで教えてくれる。そのため、最初に調べていたものから違う分野に移り、どんどん寄り道していくことが可能なことが素晴らしいところだと言う。


また著者は、一般の書籍は長めのブログで、事典はツイッターのようなものだと面白い例えをしている。本が好きでも、疲れたとき、忙しいときなどは、一つの項目の短い事典は、少し読んだだけでも意味がわかり、眺めているだけでも、頭に入ってくる。そして、本を読むためのウォーミングアップにもなり、その繰り返しが教養になると言う。


このように広く浅く知識を入れることで、「物事を俯瞰してとらえることができるようになり、それが視野を広げ、楽しみの幅も広げる」と言う。そのため著者は、気分転換に辞典を広げるそうだ。


さらに、図鑑は大人にとって欠かせない教養書の一つであると言うが、面白い使い方として、美しい絵や写真はページを切り取り額装し、インテリアにもできるそうだ。普段から写真や絵を見る習慣があると「偽物を見抜く力が養われ、それが生き抜くためのトレーニングにもなる」と言う。


まずは読んで、それから切り取り飾りにする。教養が身につき、また活用もできるとても便利なものだ。本書により、事典や図鑑などについて自分が持っていた概念を覆すことが学べる内容である。

【書評】りんごかもしれないの人からもらう人生のヒント『おもわず考えちゃう』

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ヨシタケシンスケ氏といえば、幼児向けの大人気絵本作家だ。
代表作は『りんごかもしれない』『もうぬげない』など、大人も子供時代を思い出してクスッと笑ってしまう名作揃い。
本書は、そんな楽しいヨシタケシンスケ氏の普段の発想や着想が分かるエッセイだ。

幻冬舎の箕輪氏も、永遠の3歳児であることが素晴らしいと語っているが、ヨシタケ氏こそ、それを体現している人だと思う。

日常の何気ない風景から、そうそう、それだよね、という物語を切り取る才能。簡単に真似はできないけれど、頭の中身を垣間見しただけで、ちょっとお得でラッキーな気持ちになれる。

気分転換や、アイデア発想をしたい時に推奨したい本です!

【書評】粋な江戸っ子の物語『夜鳴きめし屋』

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日の出とともに起き、日の入りとともに就寝する、江戸の庶民の生活。
そんな時代にやっている、小さな食堂のお話。

主人公は、親の代から受け継いだ金物屋を、食堂に変えることを思いつく。
この時代に、夜まで営業している食べ物屋は少なく、特別な職業の人たちがお客でやって来る。
それぞれのお客が繰り広げるストーリーがとても面白い。

中でも、夜の仕事をしている人たちが、様々な悩み、事情を抱えてこのお店にやってくる。さながら、現代のバーのようで、主人公はバーテンダーだ。

そういえば、江戸時代は1日2食だったんだよなぁと、気付いた。
江戸の文化と人情に触れられる1冊。
宵越しの金は持たない江戸っ子。
ちょっと疲れたときに、読んでみるのもいいかもしれない。

【ランキング】今週読まれた書評【2019/9/29-10/5】

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1位

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神速Excel

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2位

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なるほど、そうか! 儲かる経営の方程式 MQ会計×TOCで会社が劇的に変わる
 

 

3位 

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サードドア: 精神的資産のふやし方

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 4位

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5位

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9位

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10位

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【書評】ブスに話かけるメリットはない。だから私は芸を身に付けた『ブスのマーケティング戦略』

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こんなすごい本、見たこともねぇ。


これが私の正直な感想だ。


多くの女性が可愛くありたいと思うであろう。


男もそうだ。


しかし、生まれつきのブスだった筆者の発想は想像を超える。


徹底的に自己分析を行った結果


ブスのゴールは


「かわいさ」→「お手入れされた清潔感」


「センスのいい人」→「違和感なくまとまっている人」


そう、男とヤルために徹底したマーケティングを高校生の時からおこなっていたのだ。


しかも、自己分析にかける時間が半端ではなく、自分に容赦がない。


・立っても座ってもブス

・ブスには話しかけるメリットはない

・存在に気が付いてもらえることがない


どうだろう?私なら泣いている自身がある。


この結果、彼女は「男とヤル」、「自立する」、「結婚する」など自分に課した課題を次々にクリアーしていく。


この本が教えてくれるのは、自己分析に基づいた適応能力だ。


道に迷った時にはぜひ読んでみて欲しい。


どなた様も楽しめること請け合いだ。

ブスのマーケティング戦略

ブスのマーケティング戦略

【書評】チーム作りに悩んでいる方必見!漫画『宇宙兄弟』から学ぶ理想のチームの作り方『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話』

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この本は、組織開発ファシリテーターである著者が、4つのスタイルに分類したリーダーの役割と、チームの発達段階毎に求められる各リーダーの働きを、漫画『宇宙兄弟』の登場キャラを用いて解説した本である。


チームの発達段階のフレームワークには4つのステージがある。

そのステージ毎に、特徴や次段階へ進むためのポイントをわかりやすく解説している本書。

その最初のステージであるフォーミングの特徴を読みながら、正に

僕の職場はここで停滞していると実感した。その解決に必要なプロセスも記載されているので、今後のチーム作りにおいて非常に参考になった。


また本書は各ステージで、リーダータイプ毎の役割と注意を丁寧に書いている為、チーム全員が本書を読み、各々がどのタイプかを把握することで無類の効果を発揮することだろう。


著者は組織開発ファシリテーターとして、これまで3000回を超えるチームビルディングを実施しており、まさにチーム作りのプロフェッショナルだ。


言われたことだけをやれば良いという時代はとうの昔に通り過ぎた。

これから新しい道を切り開かんとする方々にぜひとも読んでほしい一冊である。  

宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話

宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話

【書評】MBAは役に立つのか?『セルフアウェアネス』

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セルフアウェアネスとは、自己認識=正しく自分を捉える力のことである。


自分について明確に認識している人は、より自信があり、より創造的である。より適切な判断を下し、より強い人間関係を築き、コミュニケーション能力も高い。


MBAで戦略論やファイナンスを習うことはあっても、リーダーの自己認識力の大切さを説かれることは少ない。しかし、セルフアウェアネスこそが、リーダーシップの原点であると本書にはある。


自分の思考や感情、そして価値観を、その時々で認識するスキルは、徹底的な自己との対話である。

そして、自己との対話ができる人は、経験学習をして自律的に行動していく。


今流行りの、ティール組織にも繫がる、行動原理、リーダーシップ原理であると感じた。


企業で勤める、40代以降の方が、自身の今後のキャリアを考える上でも、読んでみて損はない。人生100年時代、自己認知の旅はずっと続くのだから。

セルフ・アウェアネス (ハーバード・ビジネス・レビュー [EIシリーズ])

セルフ・アウェアネス (ハーバード・ビジネス・レビュー [EIシリーズ])

【書評】デジタルトランスフォーメーションのおさらい『日本再興戦略』

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元々、内閣府が提唱した日本再興戦略2016というペーパーに、このような記述がある。


イノベーションと人材の強化)

第4次産業革命を実現する鍵は、オープンイノベーションと人材である。

技術の予見が難しい中、もはや「自前主義」に限界があることは明白である。既存の産学官の枠やシステムを超え、世界からトップレベルの人材、技術、資本を引き付ける魅力ある国となれるのか、が勝敗を分けるポイントである。


ふと気づけば、シェアリングエコノミーやサブスクリプションモデルが日常用語になり、当たり前のように情報やモノを共有するようになった。


評者はリカレント教育を普及する立場にあるが、本書には大企業の人材活用にも言及があり、大変興味深い。


企業でイノベーションを起こすには、新事業を起こすシリアルアントレプレナーも必要だが、それをサポートするシリアルフォロワー(守りの人材)も必要。ホワイトカラーおじさんの活用をスタートアップやベンチャー斡旋の形で考えようというもの。


スタートアップ5社に兼業すれば、1社10万だとして50万。

そんな時代がすぐそこに来ている。


社会や産業構造の変化について、デジタルトランスフォーメーションの視点から総復習できる本だと思う。 

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)