『JOKER』といえば『バットマン』に登場するスーパーヴィランとして有名だが、本作では世界に笑顔を届けるためにコメディアンを目指す主人公が、いかにして『JOKER』へと変貌していくのか『JOKER』の誕生秘話が綴られたストーリーである。
主人公は、脳疾患の影響により突然笑いだし、その笑いが止まらなくなる「笑い病」を抱えながら、スタンドアップコメディアンやピエロに扮した仕事をしていた。
しかし、その奇妙さから突然不良に襲われたり、酔っぱらいに絡まれたりすることは日常茶飯事であり、苦難と悲劇の毎日を過ごしていた。そのような状況から孤独に苛まれていたが、人との繋がりや愛を求め、喜びや幸せを感じる温かい人物でもあった。
しかし、日々の度重なる苦悩や隠された衝撃の真実を知ることにより、悪の姿『JOKER』へと変貌する。本作は、映画の世界で2019年10月4日に日米同時公開されたのだが、3ヶ月で約24kgもダイエットして演技に臨んだホアキン・フェニックス氏のその姿からは『JOKER』の正体不明の不気味さがより感じられる。
また、史上最高の演技とも言われ、奇妙に笑いながら小躍りする『JOKER』のその姿は、まさに狂気そのものであり、圧巻の演技力である。さらに、ホアキン・フェニックス氏が演じる『JOKER』の眼差しや演技は時折、実の兄であるリバー・フェニックス氏を彷彿とさせるものでもあった。
本作品は、ヴェネツィア国際映画祭において金獅子賞に輝いた。アメリカン・コミックスを原作とした作品が最高賞を受賞したのは、史上初のことである『JOKER』を通して現代社会の闇が描かれた衝撃の作品である。
- 作者: ブライアン・アザレロ,リー・ベルメホ,高木亮
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2018/12/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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