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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】僕はここにいてもいいんだ! 『マンガで分かる心療内科 アドラー心理学編』

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本書は、アドラー心理学を漫画で楽しく笑いながら会得しようというものである。真面目にアドラー心理学を学びたい人は、『嫌われる勇気』などの類書を読めばいいだろう。本書はちょっとコミカルだが、読み終えるころにはアドラー心理学の何たるかを感じ取れるはずである。

物事は原因論ではなく目的論。人は過去の失敗から行動を制限してしまう。本人の中では過去に何らかの失敗をした。そのため、二度とあんな失敗をしたくないと考えて、同じような場面を避ける。一見、理にかなっているようにも思えるが、アドラー心理学ではそれを明確に否定する。失敗のトラウマに引きずられて行動できないのではない、本人が失敗したくないという明確な目的意識を持っているというように解釈するのだ。

嫌われてもいい。人からどう思われるかなんて気にするな。君がやりたいことや、良かれと思って何かをした結果、嫌われても気にするな。君の行動に対する他人の反応など千差万別。それこそ他人が思っていることなんて分かりようがないし、他人の反応を気にしての行動ほどむなしいものはない。何よりそれは君の人生ではなく、他人の人生を生きていることになってしまう。他人の反応なんて気にせずに、思いっきり行動しよう。

本書は、マンガで分かる心療内科シリーズの一冊である。原作者は精神科医のゆうきゆう氏、他にも多くの巻数を出している。裏表紙からその巻の内容が把握できることが多いので、裏表紙を見ながら興味のありそうなテーマの巻を読んでもらいたい。

「僕はここにいてもいいんだ!」書評のタイトルにも書いたが、私には新世紀エヴァンゲリオンのテレビアニメ版の最終回のこの言葉ならびに世界観が、アドラー心理学と妙にマッチするように感じている。私自身も昔は、他人の目を気にする行動をとっていた時期もあった。しかしそれは、ひどく窮屈で鬱々としていた。他人のための人生じゃない。自分のための人生を生きよう!