HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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井川意高氏の自伝「熔ける」は、ギャンブルに深く没頭し、その結果として特別背任で起訴され実刑を受けた経験を赤裸々に描いています。しかし、この本は単なる告白にとどまらず、彼の幼少期からの厳しい育ちや、ビジネスマンとしての数々の成功、さらには銀座や六本木、西麻布での華やかな交友録まで、多岐にわたる内容を網羅しています。

「熔ける」は、井川氏のギャンブル依存症の視点から語られ、その底なしの誘惑と破壊力を生々しく描写しています。彼がどのようにして106億円という巨額の不正融資に至ったのか、その過程が詳細に述べられており、ギャンブルの恐ろしさを改めて認識させられます。この部分を読んで、私は自身の競馬への関わり方を見直す必要があると感じました。

ビジネスマンとしての成功

井川氏はギャンブル依存症という一面だけでなく、ビジネスマンとしても非常に優秀であったことがわかります。厳しい父親のもとで育ち、東京大学に現役で合格。その後、大王製紙の赤字子会社を立て直し、大人用紙おむつアテントの取得や紙おむつ「グーン」のブランディングを成功させたエピソードは、彼のビジネススキルの高さを物語っています。これらの成功体験は、困難な状況でも前向きに取り組む姿勢や、創造力と実行力の重要性を教えてくれます。

また、銀座や六本木、西麻布での豪華な社交生活についても詳しく書かれており、有名人との交友録は非常に興味深いものでした。彼の社交性や人脈の広さが垣間見えるエピソードは、ビジネスにおけるネットワーキングの重要性を再認識させられます。

「熔ける」は、井川意高氏の多面的な人生を深く掘り下げた一冊です。ギャンブル依存という暗い側面と、ビジネスマンとしての輝かしい成功、そして華やかな社交生活が交錯する内容(第一印象が良くなかったホリエモンと仲良くなっていくエピソードもあります)は、一読の価値があります。特に文庫版は書き下ろしとして収監後のエピソードも載っているのでおすすめです。