皆さんは、子供の頃、いやというほどこのセリフを聞いたのではないだろうか?「早寝早起きは三文の徳。体にいいんだからそうしなさい」というセリフを。しかし、これをお読みの皆さんの中には、このように思う方もいるのではないだろうか?「いや、そんなこと言われてもさ、朝はどうしても眠いし起きられないしさ。夜のほうが元気になっちゃうんだよね」と。つまり、「早寝早起きは大切なのは頭ではわかってるよ。それができないから困ってるんでしょうが」という思いである。実際、僕もそうだ。朝は、からっきしだめだ。執筆ならできるけど、朝から集中力が必要な仕事なんてやっても、頭がぼーっとして仕事どころではない。しかし、そんな人を助けるような本が出たのだ。それが、マイケル・ブレウス博士が書いた「体内時計」の本である。今回はそれを紹介しよう。
まず、この本ではまず体内時計の歴史について紹介している。今まで続いてきた体内時計をぶっ壊した人物について紹介し、その後、自分の体内時計のタイプを診断するページがあるのだ。そう。実は「朝弱いのか強いのかを含む、いつ生産性が上がるのかは遺伝によって決まっている」のだ。博士は、この本で4つのタイプを紹介している。詳しくは本書に譲るが、4つのタイプに分け、それぞれに動物の名前がついている。ちょっとかわいらしい。そのように、みんなになじみ深い形にし、解説しているのだ。そして、何とこの体内時計(概日リズム、またはクロノタイプと呼ぶ)は、性格とも関係しているのだ。この本では、こういうクロノタイプはこのような性格が多いということを説明している。なので、自分の性格と体内時計がセットで知れる、お得な本でもある。
そして、何より、この本では、各クロノタイプごとの生活の組み方を事細かに解説している。つまり、彼の言い分というのは、「世の中は筋トレでどんなメニューをこなすのか、何を食べるのかは論じられているけど、いつやるのかはあまり論じられていない。なので、いつやるかも見極めよう」というのである。実際、僕もこの本を参考に生活を組んでいる。だから、塾の講師をやっているし、午前中に書評の執筆をするのだ。僕は、分析的な作業は夜のほうが圧倒的にパフォーマンスが高い。それもこれも、この本があったからだ。なので、この本は、生活の基盤になるのである。
そんな本を書いたマイケル・ブレウスは、アメリカ睡眠医学会の認定医である。数々の論文を読み漁り、彼なりのクロノタイプ理論を構築した。メンタリストDaiGoさんのDラボでもたびたび紹介されている。また、テレビ番組でクロノタイプを紹介し、メルマガを定期的に配信している。睡眠に関しては一家言ある人なのである。
この本は、辞書のように使うことができる。自分のタイプと診断したら、その通りに生活を組んでみるのだ。そのくらい、役に立つ本である。拾い読みするのもおすすめだ。まずは、店頭やAmazonでこの本を買い、タイプを診断し、自分を理解してみてはいかがだろうか?
参考文献
マイケル・ブレウス(2020)『最良の効果を得るタイミング―4つの睡眠タイプから最高の自分になれる瞬間を知る』長谷川圭(訳) パンローリング