著者はタイトルの通りの保険屋さん。しかし、ただの保険屋ではない、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルでなければ入会できないMDRT会員。
なぜ、著者は日本に7千人しかいない高収入を得られるMDRT会員になることができたのか?それは、「契約者の利益になる行動を取る保険屋だったからである」。
日本人の9割が加入している保険。営業マンが加入を勧める目的は「契約者がお金に困らない人生を送ってもらうため」。もちろん、報酬を得るためでもあるが、報酬を得ることが目的の営業マンは提案する商品が適切でなかったり、契約後のアフタフォローをしないため顧客からの信用を失うことになる。つまり、別の契約や紹介が発生しないため9割の営業マンが2年以内に離職することになるのである。
著者は、この要因は保険会社が実施している新入社員教育や顧客へのアプローチの仕方にあると指摘している。
目先の契約を得るために自分が理解していない商品を販売、2年以内に後任者に引継いでいなくなる。契約者からしたら迷惑な話であり、こうした積み重ねが業界全体のイメージを悪くしているのである。
反面、正しい商品知識をつけ顧客のために適切なプランを提案できる営業は、顧客から感謝され、信頼関係を築くことができるため契約金額が大きくなり労力に対する収入が高くなるという。
保険をかけていたからこそ難病と闘える。残された遺族が困窮することなく生活できるなど、適切な保険は人助けとなる社会のインフラである。
業界関係者は、「利用者目線に立って業界の在り方、指針を見直す必要がある」。そのような問題定義を投げかける一冊である。
『保険屋さんになりませんか?と誘われたら読む本』
作 者:新榮 進悟
発売日:2022年11月15日
メディア:1万年堂出版