本書では、生き方、時間の使い方、習慣、お金の使い方、学び方などの五つの分野について、常識や世間体を気にせず自分の人生を取り戻すための、一見非常識と思われるような方法が書かれている。
さらに、過去にも複数の著作で著者が主宰するオンラインサロン堀江貴文イノベーション大学校(HIU)について紹介されているが、本書ではHIUのより真髄に迫る非常識に生きている二人のメンバーの実態が明らかになる。
本書で紹介されている二人のメンバーは、サラリーマンから自分が夢中になれる日本酒や漫画を描くことを極め、実際に仕事として成り立たせている。好きなことを実現できる人は特別な人、一部の特殊な才能のある人の話で自分とは違う人ごとと考えてしまう人が多いが、二人は共に他の人と何も変わらない。ただ、好きなことに夢中になり、実行し続けた結果なのだ。
HIUには様々な分野の莫大な数のプロジェクトが存在し、二人のようにどんどん新たな道へ挑戦し続けるものもあれば、実現されずに止まってしまうものもある。それを外から見てみると、一見、企業など外部との交渉が上手くいかずに断念しているように感じられたが、実際のところは単純で、プロジェクトメンバー自身が何となく消滅させているように思う。
最初は誰もがプロジェクトに興味を持ち参加表明するものの、モチベーションが下がるのか、単に役割をこなせないのか、なんだかんだと役割を先延ばしにする。そしてその先延ばしは、結果としていずれかの段階でプロジェクトを止めることになる。
興味がなくなったのなら、単にそのプロジェクトから抜けて興味のあることをやればいい。しかしそれができないようだ。これはHIUの問題ではなく、そうやって自信がなくできない自分を肯定化する人が世の中には多い。
好きなことを実現していく人生を選択するかどうかは自分自身。本書を読み、自分の人生を大切に非常識に生きることは、結果として面白い人生になるだろう。