ストーリーの主人公「スクルージ」は、お金の欲にとりつかれ、クリスマスはくだらないと言い、誰にも心を許さないケチで冷酷な人だと人々から思われていた。
そしてクリスマスイヴの夜、この世を去ったはずの共同経営者マーレーが、鎖をまとい幽霊となって現れ、スクルージに大きな影響を与えるような不思議な出来事がおこった。
クリスマスと幽霊という取りあわせは、違和感があるかもしれないが、地域によりクリスマスの時期には、お盆のように祖先の霊を迎える行事もあるそうだ。また、動物が話し、人形たちが動き出す。クリスマスイヴは不思議なことが起こってもおかしくない、特別な時間なのだと言われている。
また著者は、肖像画がイギリスの紙幣に用いられたこともあるほどの国民的作家であり、クリスマス復興の功労者とも言われている。なぜなら、本書が書かれた産業革命の時代は、失業者の増加や児童労働といった社会問題が多発し、またクリスマスを祝う習慣もかなり廃れていたそうだ。
そんな時、著者は社会派の作家として、貧しい庶民の苦しみや怒りなどの訴え、そして人々を助ける心を本書にメッセージとして込めたのだ。
世の中にはお金に変えられないことがたくさんあり、クリスマスはみんなが親切になる。お互いに許しあい、心を自由に開くことができる一年で一番素晴らしいとき。クリスマスは、心を豊かにしてくれる日だと人々はストーリーに共感し、クリスマスは復活した。
また本書の表紙は、真っ白な雪を思わせるようなデザインに、タイトルを囲んだゴールドのヒイラギ。そして、クリスマスの雰囲気を感じさせるボックスに入っているため、クリスマスプレゼントにピッタリな仕様だ。また、本作は世界一美しい心の贈り物と言われている。
さらに『クリスマス・キャロル』はミュージカル化もされている。そのため、最も素敵なクリスマスプレゼントは、本書を読み、ストーリーを把握した上で、ミュージカルを鑑賞し、ストーリーの世界観を体感することだ。これは、間違いなく心暖まるクリスマスプレゼントになるだろう。
ミュージカル『クリスマスキャロル』
https://christmascarol2019.jp/