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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】勇気ある行動の先には、幸せが待っている『どん底作家の人生に幸あれ!』

 

本作はイギリスの文豪チャールズ・ディゲンズ氏による自伝的小説『デイヴィッド・コパフィールド』を映画化したものである。チャールズ・ディゲンズ氏の作品は『クリスマス・キャロル』『オリバー・ツイスト』等、いずれも世界的に人気の作品であるが、作者は本作が最も気に入っており、すでに6回も映画化されている。

本作のストーリーは、裕福に育った幼少時代から、親の再婚によりその生活は一変し、義父からの激しい体罰、しまいには子供たちに労働をさせる工場に売り飛ばされ、子供ながらにどん底人生を味わうことになってしまった。しかし、そこで諦めずに努力し続け、また裕福な生活へと逆戻りすることができたのだが、まだまだそこでは終わらない。

そんな辛い人生の中でも唯一の幸せを感じられたのが個性あふれる女性に恋してからだ。すると人生は突如、彼女でいっぱいになった。空に浮かぶ雲も、街ゆく人々もすべてが彼女に見えてしまう。こんなにも思われたらさぞかし幸せだろう。また不器用ながらもそれほど一途に彼女に夢中になれることはなかなか誰でも真似できることではなく凄いことだ。

お互い好きなのに、どちらも恥ずかしがりなかなかスムーズにいかない。また勇気を出して彼女に告白しようとすると何故か邪魔が入る。しかし、その勇気ある主人公の行動により、突然上手く進みだす。そんなユーモラスな一面も描かれている。

本作では、作者が幼少期から法律事務所の事務員を経て作家になるまでのストーリーが描かれているが、その後の人生については映画『Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男』により伝えられ、また、大ヒット作『クリスマス・キャロル』の誕生秘話が明かされた。これらの作品により、作者がクリスマスや家族に込めた思いがより理解できた。また、粘り強く逆境に耐える精神が恋愛はもちろん、世界的作家への扉を開くこととなったのだろう。

クリスマス・キャロル
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