HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】クリスマスはツリーを飾り付けてケーキを食べるだけじゃない。 大切なことに気付かされた『クリスマスキャロル』

f:id:SyohyouBlog:20210211212629j:plain

 家族のために全力でクリスマスを大切にする、温厚なスクルージおじいちゃん。そんな彼は、かつて家族も友人も部下も切り捨てた冷酷な仕事人間であり、守銭奴であった。
何故スクルージはこんな変わったのだろうか。それは彼の身に起きた、不思議な出来事がきっかけだった。

 スクルージが冷酷になったのも、貧しさがゆえであった。貧しさは人の心をも蝕んでいくことを思い知らされる。
3人の天使、ガブリエル、ラファエル、ウリエルがなんとも天使らしくない見かけで面白い。
しかし天使が現れるたびに、彼は角がとれ、冷たさのなかに暖かさが宿り、表情は穏やかになり、人間らしい感情を取り戻す。

 スクルージの孫娘パティがクリスマスに連れてきた男の子には家族がなかった。でもスクルージが優しく手を握りしめてあげた。人ってここまで変わるものなんだな。いつかこんな人間になりたいと思った。

 登場人物の躍動感溢れるさま、今にも本から音楽が聞こえてきそうな描写、まさにミュージカルを丁寧に絵本に仕立てあげた、そんな表現がピッタリな1冊である。読む人を選ばず、大切なメッセージを伝えていくのではないか。
子供たちもきっと、ツリーやケーキ、プレゼントだけじゃない、クリスマスの本当の意味を感じとってくれることだろう。