様々な成功法則の本を読んできた。読んだことがある人なら共通項があることに気づくと思うがその根底は「利他」ではないだろうか。どれだけ相手のニーズをつかみそれを満たせるのか。どれだけ相手を喜ばせるか。どれだけgive(与える)できるか。
問題はなぜそのような行動ができないのか?ということである。本を読んでもそういう人になれないことは多くの書物を読んでも少しもまともになれない私が保証する。
この問題を少し解決するのに役立つのが本書である。私たちは少なからず向上心を持っている反面、普通でいることを極端に拒み、誰かと比較して少しでも優位にいたいという願望が少なからずある。
だが、人に認められたい、比較して優位に立ちたいという競争の中にいると利他すべき他人は競争相手となり敵になってしまう。敵と思っている相手のために行動できる人間はいない。敵にできるのは攻撃のみである。
ならどうするか。それは競争から降りて他人を仲間だと思うことである。自分を特別な人間ではなく普通の人間であり、全体の一部と認識することである。他人を仲間と思えるなら手助けもできる。特別を目指さないのであれば自分のことではなく他人の成功のために自分の力を存分に使うことができる。
他人を成功させることが仕事にも関わらず、特別になりたいがために自分の成功を優先させてしまう。
他者に貢献し続けるとは競争から降りなければ始まらない。他者を敵とみなしていれば貢献し続けることはできない。だが、それは自己犠牲を強いることではない。「犠牲なき献身こそ奉仕である。」ナイチンゲールの言葉を読者に贈る。
- 作者: 岸見一郎,古賀史健
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/12/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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