本書は、就活を迎える著者の長女に向けて、社会人としてのキャリアをどう成功させていくのか、また人生を輝かせて自分らしく生きるための本質的な原則について書かれたものである。
著者はP&Gに入社後「パンテーン」や「ヴィダルサスーン」のブランドマネージャーとして活躍し、その後USJでは、数年で劇的に経営再建した。そして自由を手にいれるために、マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を起業した。
このような華々しい活躍の裏にも、多くの苦悩があり、劣等感に襲われ、自己評価が極限に低くなった時期も何度もあったという。その当時の話が赤裸々に綴られている。
同期の中で最速でブランドマネージャーとして昇進したものの、いきなり最初の仕事で地獄を見たり、日本人としては稀なアメリカのP&G世界本社へと赴任した際には、誰もが希望するポストを得たために「いじめ」にもあったそうだ。
しかし、自分の環境を変えて自分を追い込むことで、飛躍的に成長することができ、結果として自分の知らない面白い世界がみれるのだ。そして、そのように長年自分を磨き続けてきた人の輝きや、挑戦し続ける人生のカッコよさを体現する人に出会えることは、幸運だと著者は言う。
また挑戦しなければ、成長しなく、結果としてどんどん弱くなり、誰かの奴隷になることが避けられない人生になってしまう。そうならないための方法として、著者の経験から本書では以下について詳しく説明している。
・やりたいことがわからない理由
・強みをみつけるエクササイズ
・自分の弱さと向き合うには
・人が不安になるその正体
・自分をブランド化する方法など
元々本書は、著者が自分の子供がキャリアの判断に困ったときのための虎の巻として、一年以上かけて書きためたものであったため、世に出すことを躊躇したそうだ。しかし、担当編集者が原稿を読み涙した。この内容は、キャリアや人生について悩むすべての人のために役立つものであり、本書をきっかけに未来が明るくなることを願って出版された。
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/04/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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