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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】会社潰したくないなー、誰か潰さない方法を教えてくれよ! 『あの会社はこうして潰れた』

本書は事例をもとに、企業が潰れる要因とその予兆についての傾向やポイントについて言及している。単に利益が確保できなくなるという観点だけでなく、いかにして信用が無くなっていくのかという流れも記載されているので読み取ってもらいたい。

企業が潰れる要因は大きく分けて3つある。まずは社員の不正、財テクの失敗、大口取引先への依存、説明責任の不足などいわゆる会社内部の要因。次に円安、消費増税、消費者ニーズの変化、競合激化など情報に敏感になっていれば対応できるかもしれない要因。そしてリーマン・ショック東日本大震災姉歯ショック、BSE問題など予期することが難しいイベントリスクの要因がある。本書にも出てくるが、イベントリスクの対応はそれまでの予測が通じなくなることもあって難しい。それ以外の問題については変化を恐れず柔軟に対応していくことが企業経営の肝となるだろう。

東日本大震災などイベントリスクが起きることで不景気になったという報道が多くなり、どの企業も業績が悪化したと思っていたが、逆にそういった事象を利用して急成長した会社もある。また、アベノミクスによる円安について、輸入企業は打撃を受けている。あらゆる事象は表裏一体であり、普段から情報を双方向的に仕入れて考える必要性を感じた。

帝国データバンクは1900年創業の民間信用調査会社。その中で本書に関わる帝国データバンク情報部は中小企業の倒産が相次いだ1964年に大蔵省銀行局からの倒産情報提供に応じる形で創設されている。帝国データバンクのホームページを見ると、最近の倒産情報も載っているため興味があれば見てもらいたい。

本書に書いてあることを全部頭に入れていても倒産が避けられないケースは多々あるだろう。企業の倒産には複雑な要素が絡み合っているからだ。しかし、それでも本書を読むことで会社内部をチェックする重要性や、市場の変化を感じ取る情報収集の大事さは実感できると思う。私も変化を恐れずに対応していきたい。