本作品は罠猟に携わる女子高生たちの物語だ。朝比奈千代丸の家は農家であり、彼女は作物を鹿や猪から守るために罠猟の免許を持っている。
罠といえばゲージや落とし穴のようなイメージを持っていた。それらももちろんあるだろうが、本書ではそのほかの罠の種類についても触れている。また、物語の中で女子高生たちが使用する罠を選ぶ。
マニアックすぎず、罠に関する基礎知識を中心に物語が進んでいくことでとても読みやすくなっている。山や畑のある田舎街にある彼女たちの生活、その営みの一つに罠猟が位置している。女子高生と罠、あまり共存できそうにない要素同士が自然と重なっていることが本作品の魅力だろうか。
また、本作品は命の授業でもある。罠にかけた野生の動物は飼う訳ではない、仕留めるのだ。罠猟に関わるということは、直接的に命を頂くことに繋がる。その行為から逃げず、命と向き合う女子高生たちの姿勢にも注目してほしい。