本書は著書が全世界を自転車1つで駆け巡ってきた体験を綴られてているノンフィクション書籍である。
長い旅行でも短い旅行でも基本的には「自分が何をやりたいのか」という目的を明確に押さえていると、何ごとにもフラフラせずに計画を達成できるものだ。
すなわち「何も決めずにフラフラする」自転車旅をする人も多いだろうが、「何も決めずフラフラする」ことがやはりその人の旅の明確な目的なのである。
人間の力の限界、つまり、自転車やカヌーで移動する、旅をするスピードは、どの人間にも受け入れやすいものだ。額に汗を流しながら坂を登っている人がいたら「やあ、どっから来たんだい?」と声をかけたくなるのが人間だ。
そして自然に逆らわないで、ゆったりと旅していると、次第に旅人も、その自然、そしてそこを取り巻く文化の一員となって風景にはまってゆく。
自転車の旅は自分の体を通して自転車という道具で前進し、何キロも何千キロも旅をして、自分の「生」、自分の人間としての行動を確認する作業だと著者は語っている。
僕のマウンテンバイク旅行術―地球を走る。体験的ツーリングの方法教えます。
- 作者: 九里徳泰
- 出版社/メーカー: 山と渓谷社
- 発売日: 1993/07
- メディア: 単行本
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