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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人と同じでありたいという本質的な願望と人と同じことは危険であるという矛盾 『カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話』

カール・マルクスの『資本論』では”資本主義が進んだ社会では、個人がどんどん孤立化される。”とあり、言い換えると“企業は仕事を分担し、細切れにすることで生産効率を上げていく”ということを意味します。これは“ジェネラリスト”を大量生産し、代替可能な人間を増やすことで経営を安定させる目的がありました。

個人が社会の歯車であることは疑いのない事実ですが、今後はテクノロジーの発展に伴いさらなる効率化のため機械化がされてきます。それは社会が望んだことであり、現在の仕事の多くは“機械ができないから人間がしているだけ”だからです。

企業や学校教育の都合で”オールB”のような“ジェネラリスト”が大量生産された挙句、今後は機械に代用されてしまう。この問題に対する答えは“代替不可能な人間になること”ですが、矛盾が起きます。

人間は人と「同じでありたい」という”賛同欲求”を持つためです。同調圧力や減点評価を気にし、失敗しないように挑戦をしない代わりに「周りと一緒だ」という安心は享受したいのです。

今後、大事なことは「賛同欲求」を捨て、他人と同じということが危険であり、他人と異なることを怖れないことが必要なのかも知れません。

カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話

カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話