本書は、堀江貴文氏の「遊びでお金を稼げるようになる」、「好きなことで生きていける」という言葉の根拠が落合陽一氏の説明で非常に分かりやすく解説してある。
特筆すべきは落合陽一氏が仕事の本質や成り立ちを的確に捉えて解説している点である。
まず一つに1950年代に上梓された『人間機械論』を引用し“工場にて人間は高度な認知機能を持っているにも関わらず、ただの運搬作業などの単純作業にしか用いられていない。次に“研究や音楽などのルーツは古代ローマかギリシャの貴族層が「余暇時間」を潰すためにはじめた。“と、例をあげている
これらは、従来、人間に不向きな仕事を奴隷の様に強いていたことからのAIを用いた脱却を意味し、AIを用いて「貴族層」(余暇時間を楽しめる人)になることを予想している。
AIがもたらすこととは、人間が機械の代わりをしていた事実から、人間が人間本来の役割に戻るだけであるといえる。
ヒトは“ホモ・サピエンス”だけでなく“ホモ・ファーベル”、”ホモ・ルーデンス”とも言い換えられる。「ファーベル」は「作る」、「ルーデンス」は「遊ぶ」。人間は本来、自由に遊ぶ存在で遊ぶことで文化を生み出し、遊ぶことに人間らしさがあると考えられてきた。
堀江貴文氏の発言の根拠はここにあり、歴史は形を変えて繰り返されているともいえる。
- 作者: 堀江貴文,落合陽一
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/04/05
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る