本書ではポイントごとに著者のコメント「HORIE'S EYE」が掲載されている。ここが注目すべきところである。
また、もう一つのポイントは、仕事で英語に関わっている方々の英語に対する取り組みについて書かれているところだ。
英語が好きだから、英語を使った仕事がしたいと考える人が、まずあげるのが「外資系企業で働きたい」ということだ。その多くは、給料をもらいながら英語が上達するだろうという安易な考えからだ。
しかし、元グーグル日本法人名誉会長の村上憲郎氏によると、英語を勉強し、外資系企業に入ったとしても「チンパンジー扱い」されるという。
それは、例えば会議などで何も意見を言わないと、英語ができないとは思われず、頭が悪い人だと思われるからだ。それが英語ができない=チンパンジー扱いされる理由だ。
今から英語を勉強し、外資系企業に入れたとしても、すでに働いている人は、さらに高いレベルの英語を話す。もちろん今、何歳であったとしても、英語が自分の市場価値をあげることには違いない。しかし、ただ単に英語を話せるようにするのではなく、英語を使い、自分にはどんなことができるのか。ここが重要なポイントなのだ。
自分の価値を生み出せるところは、どこなのか。そう考えると、必ずしも外資系企業が最善の場所とは、限らない。
実際に外資系企業と日本企業の両方での勤務経験があるが、外資系企業では、英語は単なるツールであるため、いかにそこに専門知識等の仕事での能力があるかが他の人との差別化となる。しかし、日本企業では、仕事の能力と併せた英語能力は、それほどレベルが高くなくても貴重な存在となる。自分の価値が最も出せるところはどこなのか。そこまで考えることが先決なのだ。
また、英語教育に携わる国際バカロレア日本大使の坪谷ニュウエル郁子氏によると、
英語を話せるということは、言葉を学ぶということだけではなく、歴史や文化までわかっていないと話せないという。
日本語でももちろん同じことだが、相手のバックグラウンドを含めた話が、会話となっていくのだ。
さらに、日本人の多くが英語を苦手とする理由は、勉強する時間が圧倒的に短いからだという。中学校、高校で学んだ英語は約800時間だが、日常会話レベルの英語習得までには2760時間必要だからだ。英語が話せないのは、英語に接している時間が少ないだけなのだ。
まずは、自分がどのレベルを目指すのかを、明確にする必要がある。単に「英語が話せるようになりたい」ではなく、日常会話レベルでいいのか、または世界的な企業のCEOになりたいのか。そのレベルを目指すには、最低でも5000時間英語に触れる必要がある。目指すレベルによって、英語を勉強する時間数が異なるからだ。
また、何歳でそのレベルに到達したいのか、そのためには、一日何時間の勉強が必要なのか。さらに「相手と何を話したいのか」ここが具体的になることが、英語を学ぶ大前提となる。
現在、英語を身につけるには、とてもいい時代になってきた。オリンピックを2年後にひかえ、また訪日外国人数も増加し、街のいたるところで外国人と接する機会がある。今からでも遅くはない、本書を読み、すぐにでも勉強を始めることが英語習得の一番の近道なのだ。
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: ディーエイチシー
- 発売日: 2018/08/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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