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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】今からでも宇宙へ行ける 『宇宙飛行士になる勉強法』

宇宙へ行くのに年齢制限(上限)はなく、特別優れた運動神経も必要ない。今からでも遅くない、宇宙へ行くための道のり、宇宙での状況について、以下のように詳細に書かれている。

・著者の生いたち
・宇宙飛行士の募集条件
・試験内容
・訓練状況
・宇宙での活動と日常
・宇宙飛行士とプライベートの両立

本書の中での最も魅力的な部分は、やはり宇宙での話だ。多くの宇宙に関する情報や書籍などあるが、当然のことながら、宇宙でのことは、宇宙へ行った人が一番詳しいものだ。

著者は、宇宙での楽しみは食事の時間だったという。それはとても意外だった。

宇宙食といえば、インスタント食品としてもよくある固形状で、フリーズドライのものだと思っていたからだ。なぜなら、スミソニアン博物館の国立航空宇宙博物館へ行った際に購入した宇宙食は、様々な種類があったものの、かなりイマイチな味だったと記憶している。

もちろん栄養分としてはとれるのだろうが、宇宙ではまともな食事もできず、大変だなと感じていた。しかし実際のところ、そのような宇宙食もあるが、地球とさほど変わらない食事ができるそうで、安心した。

宇宙でも船内では、電子レンジこそ使えないが、オーブンが使えるため、食材を温めることができるし、カップラーメンも食べられる。もちろん和食も食べられるという。それは、まさに驚きでもあり食事の間だけでも、日本を懐かしく思える楽しい時間なのだと納得した。

著者は、宇宙飛行士として、2週間宇宙へ行ったが、それまでには多くの苦悩があった。無事試験に合格し、宇宙飛行士として認定され、日々訓練を行っていたが、スペースシャトルの事故等の影響もあり「いつ宇宙に行けるのかわからない」という状況の中、見えないゴールに向かって結果として10年間取り組み、ようやく宇宙へ行くことができた。

しかしその間、それを苦悩ともせず「日々の訓練を楽しみ、宇宙船について学べることが大きな幸せだった」といえる著者には、感動させられた。

また、本書の後半には、著者が愛する『宇宙兄弟の』作者、小山宙哉氏との「宇宙の魅力について」の特別対談が掲載されているのも見どころの一つである。宇宙について、また新たな魅力を知ることができた一冊である。

 

宇宙飛行士になる勉強法 (中公文庫)

宇宙飛行士になる勉強法 (中公文庫)