老若男女問わず、髪に対する様々な悩みを持っている人は多い。
髪の量が多い又は少ない、抜け毛、髪のパサつき、くせ毛、思ったようなスタイルが作れない、また今は問題がなくても、将来の自分の髪を心配するなど髪の悩みはつきない。なぜなら、髪はその人の印象に大きな影響を与える部分であるため、誰もが気になって当然だろう。
本書は、医師である著者自身の体験談を元に、健康な頭皮と毛髪を取り戻すための方法が書かれている。
風になびくサラサラヘアは、男女共に憧れのヘアスタイルというイメージが強いが、それを美しいと感じるのは、日々シャンプーやヘアケアのコマーシャルが多く流れ、何気なく見ているせいだという。しかし風になびく髪の実態は、皮脂が奪われ乾燥し、カサカサに干からびた状態でキューティクルがはがれているからだそうだ。
「干からびた髪」=「美しい髪」というように正反対になってしまうほどのイメージ戦略は恐ろしい。ヘアケア、美容法などは特に多くの情報が流れているために惑わされやすく、よかれと思った方法がかえって逆効果になっているということが少なくない。
髪のためにと思って行いがちな、頻繁なヘアケア、高価な特殊シャンプーが逆に頭皮と髪を痛める。ゆえに手をかければかけるほど、状況を自らが悪化させてしまっているというのが現状なのだ。
形成外科医の著者は、手術で頭皮を切開をした際に、頭皮が異常に薄く、ふつうの人の半分にも満たない厚さの人がときどきいるという。
そして本人へ確認してみると、そのほとんどの人が潔癖症のため、過剰なヘアケアをしているそうだ。特に一日に何度もシャンプーをすることが習慣化している。頭皮が薄いということは、髪が細く、少なくなっていくということだ。髪のみならず頭皮自体が薄くなってくるとは、とても恐ろしい。
著者が、脱石鹸、シャンプーをすすめるのは、このような医療現場での経験に基づいている。また、著者のすすめる「宇津木流ヘアケア」を行うことにより、さらなる効果が期待される。髪だけでなく、肌、さらに白目の色まで変化し、花粉症にも影響する。
高齢の方で、髪の量が非常に多い、また染めていないのに白髪があまりないという人をみかける。そして、ヘアケアについてたずねてみると、著者のすすめるヘアケアと同じ方法を実践している人が多く驚くことが多々ある。
これからの季節、髪のにおいやベタつきが気になり、頻繁に髪を洗いたくなるからこそ、知っておきたい知識である。
[音声で聞く]
http://m.himalaya.fm/jp/episode/205469/6458345/2
シャンプーをやめると、髪が増える 抜け毛、薄毛、パサつきは“洗いすぎ"が原因だった! (ノンフィクション単行本)
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