現在、自分の仕事にやりがいもなく、楽しくない。給料が働きに見合わない。そう考える人へ、著者がすすめるのが、ひとり社長という働き方。著者は、起業コンサルタント、出版プロデューサーとして社員なしのひとり社長としてコンサルタント業務を自ら実践することにより、毎日仕事が楽しくて仕方がないという。その秘訣が本書に書かれている。
長年会社員として働いていると、起業に興味はあっても収入の減少や倒産リスク、事務所の家賃支払いを考え、独立するのはなかなかハードルが高いと感じている人が多い。しかし、世の中が一変しあらゆるものがオンライン化した今だからこそ、一人で会社を立ち上げて社長になるにはいい時代なのだという。
では、何を専門として起業すればいいのか。それは、自分自身。ひとり社長としてまず最初の仕事として著者がすすめるのは、コンサルタントだ。それは、何か特別なことを売るのではなく、今まで自分が仕事で経験してきたことや知識を使い、人の悩みを解決したり、教える人。そのものにニーズがあれば、どんなことでもコンサルタントとして活躍できる。そのため、特別な資格も、仕入れも、オフィスも必要なく、どこでも誰にでもできるのだという。
人に教えるほどの経験はないと考える人もいるだろうが、同業者のベテランをターゲットにするわけではなく、その業界以外の人向けにすることで、自分はその業界の専門家として教えることができるという。著者自身もまだ業界の底辺であった当時、そこを目指す人たちにとっては、立派な先生となった。もちろんそれは、著者だから特別にできたことではなく、著者の指導のもと、ひとり社長として活躍する人々の成功事例も本書には掲載されている。
本書では、著者がひとり社長として経験して得た知識を出し惜しみせず書き尽くされているため、起業したい人にとっては、不安なく進めていくための道標となるだろう。