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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【新着記事】噛めば噛むほど味わい深い『日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉』

 

 日本マクドナルド中興の祖と呼ばれた、原田泳幸氏。エンジニア出身、アップル日本法人社長を経て2000年代にマクドナルドを経営した当時のブログまとめである。現場と数字に即した綿密な計算による経営戦略ノウハウから、様々な仕事術に至るまで。経営者にも起業家にも、そして全てのビジネス人にお勧めである。

 まず、続く減収から一気に改革に乗り出したマクドナルドでの経営戦略ノウハウ。QSC、即ちクオリティ(品質、美味しさ、安全性等)、サービス(スピードやホスピタリティ)、クレンリネス(清潔感)。レストランビジネスに欠かせない土台の部分で、この強い土台の上に新商品などの戦略がある。具体的には、QSCや注文後に作るというメイド・フォー・ユーの上で、100円メニューで客数を増やし、メガマックなど目玉商品を投入、といった当時の戦略だ。確かにリピートするのに最低限そして最も重要なQSC、他の業種にも応用できる理論だ。

 また、仕事術の一例として、「プレゼンは絵がりかいされやすい」ということに何章もが割かれている。どのレベルの人にもインパクトがあり、記憶に残る絵や図。著者が海外出張が多い時代に英語ができないための苦肉の策が始まりだと言っているが、確かにぱっと見で分かりやすく多くの社員への説得力になる。業績数字のグラフなど本書挿絵の例は必見だ。

 一時間に2〜3人のお客様の増。それがマクドナルドの規模だと4年で1000億の増収に繋がったのだという。「一円」をこぼさず一瞬一瞬の勝負、隅から隅まで気配りがないとやっていけないビジネスノウハウが詰まっている。ことあるごとに読み返せば、その時の自分の鏡にもできる本だ。

発行日 2008年2月22日
発行所 株式会社かんき出版
著者 原田泳幸