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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】我々の対決しているものは現実であって理論ではないのだ。『マネジメントへの挑戦 復刻版』

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Web広告でこの本を知った。
著者の一倉定氏のことは存じていなかったが、検索してみるとYouTubeに講習会の動画が上げられていたので、幾つか視聴してみたところなかなか有意義であったため、本書を購入してみた。

「55年前、日本の経営者を震撼させた「反逆の書」が今、よみがえる!」だそうだ。
著者は、経営コンサルタントの第一人者とされ、激しく経営者を叱り飛ばすこともしばしばで、「社長の教祖」「炎のコンサルタント」との異名を持つ。
だが、赤字会社と聞くと放っておけない、何とかしたい、というのが根底にあるらしい。出世払いで構わないと無償で指導を請け負うこともあり、そして黒字化を果たした会社からは去り、他のダメな会社を救いにいく。
また、叱り飛ばされながら指導を受ける経営者たちは、著者を恐れていた一方で、同時に親しみも感じていた様だ。巻末の長女によるあとがきでは、「父の目前で『鬼倉』『凡倉』と平然と話をされる」とある。

著者は、世の中に氾濫していた『きれい事のマネジメント論』を嫌い、そんなものに惑わされ、間違った経営をしてしまうことを改善するべく、従来のコンサルタントたちが掲げて来た定義や論理などを容赦無く否定しながら、経営に関する幾つかの事柄を9章に分けて詳述している。

これだけでいい、できるだでいいという計画は無意味だ。計画は本来机上論であり、不可能なものを可能なものに変質させるものだ。
計画どおりにいかなくとも計画は必要なのだ。未達の原因はどこにあるのか、どうすれば良かったのか、と考えることで工夫が生まれる。

社長を含めた経営担当者(著者は部長、課長職などをこう呼ぶ)は、まず自分自身を管理せよ。そして、部下を管理することばかり教えるマネジメント理論を否定する。
まず上を向くことである。経営者は顧客の方を、経営担当者は上役の方を向くことだ。よい上役になる前に、よい部下となることが本当に大切なことなのだ。

他にも、実施とは『やらせる』こと、統制とは、組織とは、財務に強くなる法、教育訓練、人間関係論、労務管理の基礎とは?
などが述べられている。

「今読むべき、経営学の源流」 という謳い文句が妥当であるかは、各々の読後の判断に委ねたいが、昭和40年に上梓された経営本が今改めて必要とされること自体に問題があると言えるのだろう。

 

 

マネジメントへの挑戦 復刻版

マネジメントへの挑戦 復刻版