今現在、よく聞く「引きこもり」「自宅警備員」など世間に溶け込めない人々を揶揄した言葉がある。著者、家入氏もその1人であった。だが今ではIT社長へと登り詰めた、それまでの経験や苦難を綴られた書籍である。
日本社会は同調圧力がきわめて強い。いじめ事件はその典型だ。クラスメートと同じように発言していないと、異分子だと思われて排除される側に押しやられてしまう。
でもその「同じ」というのは、実は学校や学級の中だけの狭い狭い世界だ。その世界から1歩出て広い社会に足を踏み出せば、自分たちの常識や「同じ」が、実は狭い世界の中のものだったと気づく。
著者の人生は逃げっぱなしだった。どんな困難にも真っ向から立ち向かうことがよしとされる世の中で、とにかくひたすら、逃げ続けることに、全力を注いできた。
でも、今、思う。逃げることは、決して悪いことじゃない。前に進めなく立ち止まるくらいなら、全力で後ろ向きに走ればいい。
そうすれば、いつかきっとパッピーに暮らせる場所にたどりつけるはずだ。
自分の人生も振り返ってみれば著者のように逃げてきたことが多々ある。でもそれをネガティブに捉えるのではなく、例え逃げた場合でも、それがいつか良い方向へと向いてくこともあるのだと本書を通して感じた。
- 作者: 家入一真
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2012/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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