本書は『中国嫁日記』の著者が書いた中国人とうまく付き合うための本である。と、同時に中国では昔から存在していた信用経済について学ぶことができる本である。
本書によると中国では友達という言葉には三種類あるのだという。
①友少:幼なじみ
②同学:クラスメート
③朋友:それ以外の友達
①と②のみが利益を考えない友人であり、③は利害関係で成り立っている友人を指す。中国人と友達になりたければ利害関係、言い換えると信用される、頼りにされることが大事である。
朋友の考え方は中国の国土の広さ、歴史背景に大きな影響があるだろう。国土が広く、戦争も多かった国であるため、信用のできる人(身内)とは利益を考えず付き合い、それ以外はお互いに利害関係を作ることでお互いを信用し友となる。
例えば、中国人は基本的に割り勘をしないという。一人で支払うことで借りを作る。その借りを返すための恩返しが続くことで人間関係を作っていくようだ。
朋友が多くなると、恩返しの連鎖から、異性の紹介をされるようになる。そこから中国人との恋愛が始まるが、詳細は本書に譲ることにしよう。
現在、SNSにより中国どころではないほどの人間関係が生じている。その中では中国人が昔から行ってきたような信用による関係、面子による関係。さらには身内とは濃く、それ以外とは薄情といった関係も多くなっているかもしれない。世界で最も人口の多い中国人との付き合い方を知ることはSNSでのコミュニケーション方法を知ることにも繋がるのかもしれない。
今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変える本 (星海社新書)
- 作者: 井上純一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/25
- メディア: 新書
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